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Vol.72 2015年3月1日

  昨晩のFMシアター(NHK)は
『かぞくのたまご かぞくって、いつから家族になるんだろう――?』。
http://www.nhk.or.jp/audio/html_fm/fm2015006.html

 親父(齢80超)に肩車してもらっていたことを思い出した・・・(;−;)。
 肩に乗ると、見通しが格段によくなり、世の中が開けた。乗っている方(自分)が乗せている
方(親父)よりなぜか偉く、「あっちへ行け」「いやいやこっちだ」と指示できた。私のリーダー
シップの原体験は親父の肩車にあるのかもしれない。 

 息子(現在中二)をよく肩車した。親父が肩車してくれていたおかげだ。 
     
息子も子(私にとっては孫)を肩車するだろう。

箱根 肩車 縮小.jpg

 番組では、仏壇のろうそくの炎の消し方、得意な料理といったものを、主人公の婚約者が義父
(となる予定の者)からいつのまにか引き継いでいる様が、また主人公自身も実父から”親のあ
り方”を引き継ぐ準備をしてもらったいたことに気づく様が描かれていた。

 ことさらでなく、普通に、何気ない日常において、私たちは学習している。企業経営上におけ
る経営者、社員らも同じである。企業経営の現場においても、親父が私に肩車を教えてくれたよ
うに、教える側が、また当然のことながら教わる側も、学習について無意識であることも多く、
計画性をもってPDCAを回すなどはかなり困難と言わざるを得ない状況も多々である。

 ヒドゥン・カリキュラム(hidden curriculum、隠されたカリキュラム)のパワーは、良くも
悪くも、強烈だ。特別に教えなくても学び手はメキメキと勝手に学ぶ。逆に教えても教えてもこ
とごとく無に帰される。教える側はかなりの注意を払った方がいい。

 企業経営を支える人材育成において、もっと大きな視点でいえば、企業風土や戦略の変革・実践において、「ヒドゥン・カリキュラムといかに対峙するか」は極めて重要な論点である。

ヒドゥン・カリキュラム(hidden curriculum、隠されたカリキュラム)
 学校でも正式のカリキュラムのほかに、どういうことが奨励されるかという、インフオーマル
で無意図的なヒドゥン・カリキュラムがあるわけです。たとえば、「自分の意見を堂々と述べる」
というのは建前としてはいいことのはずですが、先生に対して反対意見を堂々と述べるというの
は暗黙にまずいこととされるわけですね。「わからないことは何でも質問しなさい」と先生が言っ
ても、「授業中に粘って質問をするのは進行を妨げるのでよくない」という了解が暗黙裡にでき
ていたりします。
 市川伸一(2001)『学ぶ意欲の心理学』PHP研究所pp.45

【2015 2/28FMシアター あらすじ】
再婚家庭に育った浩平(37)は契約社員。小学生の息子を持つシングルマザーの正社員・千鶴
(36)と一年前から交際している。恋愛=再婚とは考えていない彼女は「先が分からない関係
に子供を巻き込みたくない」と、浩平と息子を会わせないようにしていた。だが、ある日、ばっ
たり二人は出会ってしまう…。自身の生い立ちから、「家族」を作るということに戸惑う浩平。
彼が自分なりの親子の繋がりを見つけ、やがて‘家族ごっこ’のような関係から一歩踏み出す姿
を通じて描く、新しい「家族」の在り方。
(出所:NHK「FMシアター かぞくのたまご かぞくって、いつから家族になるんだろう――?」

 http://www.nhk.or.jp/audio/html_fm/fm2015006.html 2015年3月1日 9:00)

Vol.71 2015年2月10日
 この組織(会社)は今後どう進めばいい?
   どんな代替案がある?
 どれが現実的で、どれはそうでない? 
 悲観的に考えすぎ?いやいや楽観的すぎ?
 もしかして”ちまちま”している?
 そもそも事実誤認していないか?
 ストーリーとして成り立つ?
 一笑に付されたらどうしよう・・・
 彼(ら)は期待通りのアウトプットを出してくれているだろうか?
 期待通りのアウトプットが出ていないならどうしよう?
 ・・・
 ・・・
 ・・・

 経営に正解などないですよ。

 分かっとるわ!そんなこと!!

 ううう〜、分かっていても(分かっているつもり?)、頭の中に靄(もや)がかかり始める・・・。


困惑 悩み 内省  縮小.jpg

 時間が迫る!!!

急げ 至急 hurry up ハリーアップ  縮小.jpg

 こんな時は、「そうだ京都、行こう(JR東海)」の精神で、、、
 https://www.youtube.com/watch?v=2MQsCGhIrVs

「そうだラジオドラマ、聞こう!」ということで

FMシアター(NHKオーディオドラマ)を聴きました。

http://www.nhk.or.jp/audio/html_fm/fm2014035.html

 かなり、いえ物凄〜く、無理あり?(^_^;; 。

 実は私、FMシアターのファンなんです。
 FMシアターは、私の想像力を広げてくれます。共感のあまりの号泣という涙活
(寺井広樹)を施してくれるなどして深くリラックスさせてくれます。
 涙活 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B6%99%E6%B4%BB
 FMシアターは、
ちょっと大げさに表現すれば、「自分を取り戻してくれる」時
間を私に送り届けてくれます。週一回1時間、単発もの(連続ものではない)、と
いう聴きやすさは私のライフスタイルに合ってもいます。

 今回のドラマでは、思い出の染み込んだ故郷の家を売り払い東京に戻る老女が、その人生にあらためて邂逅する様が描かれていました。
 共に生きた人たちの声、その身を寄せた家、駆け巡った野山・・・。
 人生の終焉を感じるようになると、人は、フラッシュバックのように、あらためて、
それらを聴き、見、味わい、感じるのかもしれません。

 それにしても老女(主人公)は潔い。 
故郷の家に、きっぱりと別れを告げます。

 他界する半年前に母が語った言葉を思い出しました。
 「自分(母)が死んだら家はキレイさっぱりすべて打ち壊せ(さら地にしてしまいな
さい)」。

 私はいまだにあの家を忘れられずにいますが、少しずつでも忘れることができて
いるのは、家が”ない”おかげです。家がもしあのまま”在る”ならば、私の家に係る
思い出に起因する葛藤は今より確実に大きいように思います。

望郷 故郷 子供 夕暮れ   縮小.jpg

  育んだ様々なコト、モノらを、潔く、なくしてしまう。過去を引きずらない。引きずらせ
ない。過去と現在・未来のせめぎ合いの葛藤の渦に巻き込まれない。巻き込ませない。

 組織や個がイノベーションを成功させる上における劇薬的とも言える荒療治です。 この荒療治を組織で実行するためには、「強烈な危機感」と「そこそこ以上の見通
し(ストーリー、シナリオ)」、最低でもこの二つを、リーダーが、そしてごく少数でよ
いので俊英のフォロワーが、その心象に鮮やかに浮かび上がらせることが必須かと。


 今度(2/14放送)のFMシアター(NHK)は、
『もう一度、夫婦で 〜 新婚旅行先の宮崎を再訪する老夫婦。“夫婦の言葉”を取り戻
す旅〜 』 http://www.nhk.or.jp/audio/html_fm/fm2015004.html

 おそらくいろいろ一段落しており、余裕をもって楽しめそうです(^.^)

新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

干支 羊 2015年 平成27年 縮小.jpg

 1.2015年の構想

2000年(H12)、経営コンサルトとして歩み始めました。
本年2015年(H27)で15年目に突入です。

 (1)3本柱
 2000年(H12)「中堅・中小企業の収益・財務状態の改善支援」からスタートし、
 この5年あまりは「中堅・中小企業にこだわらない(大企業も対象とした)「人材育成」
 へと仕事の領域をシフトさせてまいりました。

 2015年は、
 これまでの経験、知見を基盤として、
 中堅・中小企業の経営層、幹部を主たる対象に、
 次の3つのテーマを柱に、研究・実践に取り組む所存です。 
 ● 戦略
 ● 実践
 ● 学習

(2)初心に返る

 以下の過剰さを戒め、初心に返る所存です。

 ● 計画立て(構想し)過ぎ
 ● 意義・目的を見出し過ぎ
 ● ロジカル過ぎ(体系的過ぎ、MECE過ぎ)
 ● 冷め過ぎ(割り切り過ぎ、分かったつもり過ぎ)
 ● 虎の威を借り過ぎ
 ● 傾聴し過ぎ
 ● かっこうつけ過ぎ
 ● 小利口過ぎ
 ● 中途半端過ぎ
 ● ・・・・・・


2.2014年 トピック10

(1)1月 沖縄への旅  まだまだ子供と思っていた息子の無謀さに完敗しました。
  ★Column 2013年末・2014年始 十三歳の無謀さ、新しい水夫
   http://www.kkkiduki.jp/article/15008925.html 

(2)4月 大学院へ
  I先生と一杯やりながら、酒の勢いで、願書締め切り前夜、大学院への出願手続きを開
  始。いつもながらの、「まあ、どうにかなるさ〜」の類の衝動的意思決定・行動です。
  I先生、大学関係の皆さん、いろいろな無理をお聞きいただたき、本当にありがとうご
  ざいます。

 (3)5月 青森への旅
  岩木山、白神山地、佞武多、太宰 etc.
  いろいろ触発されました。
  ★寄稿 行ってみないとわからない〜人生は面白い〜 青森にて
   http://www.kkkiduki.jp/article/15101395.html 

(4)9月 出版『仕事の基本(経営コンサルティングノウハウ)』   出版(執筆)の大変さを、一方で、出版(執筆)の楽しさ、可能性を実感!
  出版ノウハウを蓄積できたことが最大の収穫です。
  ★出版 『仕事の基本(経営コンサルティング・ノウハウ)』 戦略の的確な実行、セオリーの確立

   http://www.kkkiduki.jp/article/15112652.html

(5)10月 facebookを積極活用へ  遅まきながら、facebookを積極活用することへ方針転換。

(6)12月 社外取締役退任
  退任にあたり、いろいろ考えさせられました。
  ★Column 節目:社外取締役退任 新たな力
   http://www.kkkiduki.jp/article/15145370.html

(7)12月 尊敬に値すべき素晴らしき人たち  Iさん、Kさんの努力、信念・執念に敬礼!
  ●Iさん弁護士登録へ(司法試験合格)
  ●Kさん衆議院議員へ返り咲き

(8)12月 インフルエンザ 怪我の功名  素敵なクリスマスプレゼントを頂戴しました。
  ★Column クリスマスプレゼント 希望に満ちる感情
   http://www.kkkiduki.jp/article/15151707.html

(9)12月 息子と鹿児島へ二人旅
  雄大な自然、おおらかな人たちに接しました。
  ★Column 鹿児島へのぶらり二人旅
   http://www.kkkiduki.jp/article/15153815.html

(10)10月〜12月 精神的な不調
  公私いろいろなことが重なり、考えを整理できず・・・。
  モチベーション低下など精神的な不調が続きました。


2015年、よろしくお願い申し上げます。

2014年12月30日

体調を崩している友人A君の見舞いのため、
鹿児島へ息子とぶらり二人旅。

9:00過ぎに博多を出発。

昼飯は、天文館で。

 末よしのウナギを。
  http://seitengai.com/sueyoshi/

 デザートは、むじゃきの白熊(かき氷)で。
  http://www.mujyaki.co.jp/


城山から桜島を望む。

 

20141229 城山から桜島を望む 翔 (2) 縮小.jpg

夕方、A君を見舞う。
思っていた以上に状態は良く安堵。

 

夜は、カラテの竹師範、後輩の前之園君、徳田君と一席。

http://www4.synapse.ne.jp/kyokushin/

竹師範の前ではいくつなっても緊張します。

20141229 竹師範、前之園、徳田、木下(耕二、翔) 縮小.jpg

ぶらり旅2日目、早朝から、竹師範が得度を受けられた 真言宗 不動山青隆寺 へ。
http://seiryuji.org/
身が引き締まる。
はて何をお願いするか?
お願いごとの些末さ、ちっぽけさが恥ずかしい・・・。
やめた。


唐船峡でそうめん流しを食べる。
http://www.ibusuki.or.jp/modules/xfsection/article.php?articleid=14 

大海原、開聞岳を望む絶景の たまて箱温泉 で一年のあかを落とす。
http://www.kagoshima-kankou.com/guide/10674/ 

 

夕方、妻へのお土産(さつま揚げetc.)を買って鹿児島中央駅を後に。

 

一泊二日の二人旅は無事終了。

雄大な自然、おおらかな人たちに接しました。

鹿児島は、私にとっては、疲れたり、迷ったりしたら、戻れる場です。
遅ればせながら思いました。ハイ。

2014年、ありがとう&good-by。

2015年、よろしくね。

2014年12月24日 

 先週金曜の夜に急ブレーキ!轟沈!
 高熱でもうろうとしながら、「自撮写真をアップしよう!」と思い立つ。

 これが人生初のfacebookアップ自撮画像だ!

耕二 インフル 自撮200.jpg

情けない・・・

 想定以上の数多くのお言葉等をfacebookで頂戴いたしました。
 
深い感謝を含め希望に満ちる感情が湧いております。
 謹んで厚く御礼申し上げます。

 すべて、高熱(インフルエンザ)がもたらしたの偶然の産物です。

 経営にも、「ふと」「たまたま」「はからずも」やったことが良い結果をもたらす事例が
多々あります。

 われわれが創発的戦略と呼ぶものがある。ここでは、実現された戦略は最初から明確に意
図したものではなく、行動の1つ1つが集積され、そのつど学習する過程で戦略の一貫性や
パターンが形成される。
 ヘンリー・ミンツバーグ、ブルース・アルストランド、ジョセフ・ランペル、齋藤嘉
則(監 訳)(1999)『戦略サファリ』東洋経済新報社,pp.12

 

 先週金曜の夜から昨晩(火曜の夜)までの四日四晩、とにかくよく寝ました。

 書きなぐったメモをただいま整理中です。 
   夢うつつの中、神からのお告げ  (・・? も賜りました。

 窓から見える景色がいつもと違って見える気がします。
 富士山の前にあんなビルが建っているなんて今まで気がつきませんでした。
 この2年近く私はいったい何を見ていたのでしょうか?

 福岡から快方に来てくれた妻が、2年間不明であった台所のライトのスィッチを、また私
がいまだに夏物のスーツを着ていることも、発見しました。

 こういった一連の諸現象や経験は”怪我の功名”とも言われます。

 怪我の功名
  過失が思いがけなくもよい結果を生むこと。また、何気なしにやったことが偶然に好結
  果を得ること。
  [株式会社岩波書店 広辞苑第六版]


 気がつけば今日はクリスマスイブ。

 今、そしてこれらの私にとって大切な、素敵なプレゼントをサンタさんからもらいました。 
   高熱というお仕置き付きで。

 今日の午後から妻子の待つ福岡に帰省します。
 私がサンタになる番ですね。

クリスマス サンタ、そり等200.jpg

2014年12月18日  

 12/13のFMシアター(NHK)は、
     http://www.nhk.or.jp/audio/html_fm/fm2014037.html
 THE BLUE HEARTSの名曲「ロクデナシ」をモチーフに、
     https://www.youtube.com/watch?v=WvJpu-Ge41A

 

「死んだふり」をして毎日をやり過ごす男子高校生が、勇気を出して”はみだす”シー ンが描かれていました。

 「要領良く演技できず愛想笑いも作れない」
 「劣等生で十分だ はみだし者でかまわない」
 「誰かのサイズに合わせて自分を変えることはない」
 ・・・。

 LINEやfacebookらで繋がっている状態が当たり前の昨今、はみだすことの難しさ
や苦しさは、若年者を中心に、増しているのかもしれません。

 はみだしてみないとその良さは分からない・・・。 
   良さを知っていてもはみだせない・・・。

 実践が先か?学びが先か?

 いや、いや、大事なことの学びって大方難儀です。

 ちなみに、はみだすは、広辞苑では以下のようなに説明されています。

 はみだす(食み出す)
  中からおされて、すきまから外へふくれ出る。定められた範囲から一部が外へ出る。はみでる。「欄外に―・す」
  [株式会社岩波書店 広辞苑第六版]

 はみだす人材の育成・確保が、はみだす人材の許容が、組織の革新や変革、イノ
ベーションの鍵の一つであることは言を俟たないように思います。

 ”はみだし”の学習は大事です。でもどうやったら学習できるんですかね〜?


 毎週土曜の夜楽しみにしているNHKのFMシアター。 
   私にとっては自分を取り戻すような時間が流れます。

 12/20夜のFMシアターは、名著『北越雪譜』誕生の経緯を戯作的想像力で描く娯
楽時代劇とのこと。
http://www.nhk.or.jp/audio/html_fm/fm2014040.html

 2015年以降の妄想、いえ構想にふけりながらゆっくり楽しみます。

Vol.65 2014年12月14日(日) 
日本経済新聞Web版 http://www.nikkei.com/article/DGXKZO80893900U4A211C1PE8000/

 投票所に足を運ぶことの学習に一役買う。 
   たしかにこれからの世代(子や孫)のためになるんだろうな。

 組織にとっても、子らは将来の社員、経営人材候補ですので大事なことかと。

 権限と責任、チーム、リーダーシップ、志・大義、論理的思考、意味づけ、信頼、
公平さ、主張、バランス感覚、健全な狡猾さなどの概念の理解や習慣作りを社員、
経営人材に促すことは多くの組織にとっては重要。

 大人に、社員に、マネジャーになったからといって付け焼刃的に勉強・実践して
も、経験を通じて学んだ、あるいは持って生まれたある程度の素養がないと、先に
述べたような事柄の理解や習慣づくりを、競争優位レベルにまで引き上げるのは至
難・・・。自戒 (^_^;;。

 幼少期における投票所に向かう経験やその意味づけは、国家レベルとまでは言わ
ずとも、私たちが、いや子らが、人生の多くの時間を投入する組織の、遠い先々の
効果・効率の向上に、ひいては子らの幸福感の増大に、少なからず役に立てること
ができるんじゃないだろうか。

Vol.65 2014年12月5日(金) 

 長岡では雪が舞っていた。どんよりとした空である。
   気分は晴れ晴れと爽快である。

 マコー(株)はスーパーニッチャーである。10年近く前に縁あり半年ほど通った。
 http://www.macoho.co.jp/
 http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0620140519hlac.html

 時はめぐり、2年前、マコー(株)の社外取締役に就任した。
 今日、気鋭の若手幹部が新任取締役に就任することと入れ替わるようにして、私は退任した。
   http://www.macoho.co.jp/topics/20141208.html

 松原亨顧問からは「荒ぶる」ことの重要性を、道筋を、10年ぶりに、教えていただいた。
 小利口になることの戒めを頂戴した。粗にして野なれど卑にあらず、である。

 松原幸人社長からは、決断すること、とりあえず打ち手を放つこと、たくさんの打ち手は方向さえ正しければおのずと繋がること、ひらめくこと、などの重要性を実感させていただいた。
 戦略は見えないからこそ戦略である、ということを再勉強させてもらった。

 浅井嘉久取締役からは、チャレンジすること、楽観的であること、若さなどの重要性を噛みしめさせていただいた。

 土田真伯取締役(新任)からは、全体感を持つこと、働くことの楽しさ、自主性、初々しさなどの大切さを思い出させていただいた。

 藤井英雄監査役からは、真面目であることの限界、プロフェッショナルとしての凄味を感じさせていただいた。

 浅田淳さんからは、先を読むこと、戦略的であることなどの流れを把握する巨視観を教えられた。

 萩原一郎さん、橘和寿さん、その他のマコーで働く皆さまからは、定石、セオリーから外れることの重要性を腑に落としていただいた。実直に働くことを通じた喜びの価値が伝わってきた。

 金融機関●●様にはマコーとの縁を、10年前、2年前に、2度賜った。

 コンサルタントにとって何にもまして代えがたい学習の場が「実践経験」である。(公財)日本生
産性本部の大川部長、林課長からは、社外取締役就任という貴重な「実践経験」の場を与えてい
ただいた。田嶋さんには数々の労をおとりいただいた。
 微力ではあるが、恩返しさせいただきたく思う。

 私は、仕事、いや人生において当たり前な大切なこと種々を手放してしまっていたのかもしれない。株主総会、懇親会を終え、長岡から関西へ向かう新幹線の中で思った。

 関係各位の皆さまのお力添えにより、一つの節目を迎えることができました。
   新たな力が湧いてきました。

 
謹んで御礼申し上げます。

 ※マコー(株)に私が社外取締役として就任しておりましたことはHP等で公(おおやけ)になって
  おりますことから、本コラムに実企業名をあげさせていただきました。

Vol.64 2014年11月30日(日) 

 リクルートホールディングスの株式時価総額は上場2日目に2兆円を超えたそうです。
 かつてリクルートの筆頭株主であったダイエーは、年明け、イオンの完全子会社となり、数年以内にダイ
エーの店名はなくなる予定です。

 http://www.nikkei.com/markets/features/26.aspx?g=DGXLASFL27HFN_28112014000000

 ダイエーが過剰債務の解消を主要行から迫られている頃、私はコンサルタントとして駆け出したばかりで、
自身のビジネス観の塗り替えを日々迫られながら、右往左往していました。

 「今の時代は不透明」というフレーズがいたるところで踊っていますが、巨視的に捉えれば、「環境はい
つだって不透明・不連続(環境不透明・不連続の常態化)」が現実の正確な表現であるように思えます。
 ※不連続の常態化は、井上善海先生の言です。
       http://ris2.toyo.ac.jp/profile/ja.1UsAfMrKCPmWfQypBjwkDw==.html

 そうであれば、ゴーイングコンサーンを目指す組織や個人にとっては、5年、10年以上のスパンで、「世
の大きな流れやウネリを理解
し”今から”対応することが”いつも”重要なのだろう(戦略思考の常態化)」と
私は思うのです。当たり前!一蹴されそうですね。

 ●戦略思考とはそもそもどのような思考か?
 ●戦略思考は組織において誰が担っているのか?
 ●戦略思考は経営層やリーダーと呼ばれる方々だけが担えばよいのか?

 ●戦略思考の常態化を組織にどう根付かせるか?
 ●そのために(日常の)組織ルーティンはどうあったらよいか?

 はなはだ粗いのですが、「中堅・中小企業においてこれらのRQと向き合うのが、2015年における私の
研究・実践領域の一つかな」と、明日から師走の今、
ぼんやり思っています。

 ちなみに、大森信氏らが組織ルーティンの観点から日常の仕事にアプローチされていらっしゃいます。
  http://next.rikunabi.com/journal/entry/20141126

 戦略思考は一般に目的オリエンテッド(先に目的があってそのための手段を考える)であり、組織ルー
ティンは手段オリエンテッド(まずやってみていつの間にか目的に結びついていた)です。
 本当のそうか?→この問いは聞こえないふりをいたします(^_^;; 

 戦略思考と組織ルーティンという、一見、性質が逆な2つのテーマを相互に関連させて研究・実践しよ
うというのは、悩ま
しいといいますか、やりがいがあるといいますか、私の興味をそそります。

Vol.63 2014年11月1日(土) 

 一年ほど前、息子(当時中学校1年)の運動会に行きました。入場行進曲がかかって
います。
方法という悪魔・・・・。そんな歌詞が聞こえました。

 1ヵ月ほど経った頃、妻のパソコンから流れるメロディーがその時の曲と気づきまし
た。息子に頼まれてダウンロードしたとのことです。

 RPG http://www.youtube.com/watch?v=Mi9uNu35Gmk
 歌手 SEKAI NO OWARI
 作詞 Saori/Fukase
 作曲 Fukase

 正確には次のような歌詞でした。 
『「方法」という悪魔にとり憑かれないで 「目的」という大事なものを思い出して』

 目的とは『仕事を通じて目指す事柄や活動の方向性,意図』である。
 木下耕二(2014)『仕事の基本』中央経済社pp.3

 行き先(目的)を決め、それからそこにどうやって行くか(方法)を考える。
 結論(目的)をはっきりさせ、それからその根拠(方法)を導く。
 どうなりたいか(目的)を決め、どうやってなるか(方法)を考える。

 私はこのような考え方、思考様式に賛成です。行き先を決め切れていなくても、結
論が見出せていなくても、とにかく前に進んだり、情報を集めたりすることが現実に
はありますが・・・。

 世の中で言われている「戦略思考」「仮説思考」などはこの手の思考様式の範疇に入れてよいかと思います。

 RPG(の2番の歌詞には)には以下のような文言もあります。
 『「世間」という悪魔に惑わされないで 自分だけが決めた「答」を思い出して』

 経営(者)にとってはけだし至言ですね。
 経営で成果をだすためにはがむしゃらに進む必要があることが多く、がむしゃらに
進むためには自分が強く信じる答えを必要とすることが多いからです。

 経営で成果を出せるか否かは、答えのある程度以上の適切さを前提とすれば、その
ある程度以上適切な答えを”信じ切れるか否か”が分かれ目となります。

 「信じ切る」という能力が経営で成果を出すためには大切です。
 「信じ切る」というのは、能力というより、センスと言ったほうが良いように思えます。

 センス
 ①物事の微妙な感じをさとる働き・能力。感覚。「―のいい服」「ユーモアの―  がある」
 ②思慮。分別。
 [株式会社岩波書店 広辞苑第六版]

 (ロジックが不明確、説明不足であるにもかかわらず語弊を招くことを恐れず申しますと、)
 経営やビジネスで成果を出すためにはセンスが大事です。

 センスって何?

 怖い問いですね。
 何なんでしょうかね。

 センスの定義は脇に置いといて、センスを磨いたり、センスが輝きを放ったりす
ることを促進するルーティンを、日常の仕事や生活の空間の中に埋め込むことは、
経営やビジネスで成果を出すうえでは大切なのだと思います。

Vol.62 2014年10月31日(金) 

 「今日はやりたいことを自由にやれるぞ」という朝は気持ちがいいですね。
 久々にそんな気分です。

 何の計画も意図も持たず、横浜にブラっと足を延ばすことにしました。
 
元町商店街をぶらぶら歩きます。http://www.motomachi.or.jp/
 仮想した子供やお母さんが楽しそうです。今日はハロウィンです。
 
今晩の渋谷は騒動でしょうね。

 「港の見える丘公園」に着きました。

 気がつけば心地よいメロディーを口ずさんでいます。  
   
秋の気配 https://www.youtube.com/watch?v=zT_X4TPpEXY

 山下公園、横浜F・マリノス、総生産額など横浜は豊かですね。

 自由にやれる感覚は、「自分が決められる」「自分が主人公」のような感覚です。
 
心理学の専門用語で言えば、「自己決定感」「自己効力感」です。

 自己決定感とは『ある意思決定や行為が他者によって決められたのではなく、自分自身
決めたきめたのだという感覚、信念、確信』である。
 木下耕二(2014)『仕事の基本』中央経済社pp.123

 自己効力感とは『自分が行為の主人公(主体)であるような感覚、信念、確信』『自分自
身に関する自分の信頼や自信の確信』である。
 木下耕二(2014)『仕事の基本』中央経済社pp.123

 自由にやれないと、「自分からやろう」とは、人はなかなか思えない存在でもあるようです。
自己決定感、自己効力感、いずれも内発的動機づけを高める鍵と言われています。

 自由にやれる感覚は、戦略論的に表現すれば、いろいろな手を打てる(多様な戦略代替案
を検討できる)感覚とも言えるのではないでしょうか。

 いろいろな手(多様な戦略代替案)は、一般に、組織の競争力を高めます。

 いろいろな手を打つためには、リソース(ヒト、モノ、カネ、情報、調達先、顧客 etc.)が豊か
である必要があります。
リソースの豊さは一朝一夕には手に入りません。ですから、リソース
は競争優位の源泉と言われます(簡単に手に入るものは競争優位の源
泉とはなり難い)。

 自由にやれる感覚は、リソースの豊かさを実感している感覚、競争優位の実態の代替の一
つと捉
えてもいいのかもしれません。
 
※リソースが豊かである(競争優位) → 自由にやれる(いろいろな手を打てる)

 経営者、リーダー、マネジャーの大事な仕事の一つは、中長期的な視点から組織のリソース
を豊かにする
ことです。これ(リソースの中長期的な豊潤化)を怠れば、打てる手(戦略代替
案)は枯渇し、組織は衰退を免れません。

 リソースの豊かさを増している組織もあれば、逆の組織(リソースを消耗している組織)もあ
ります。あなたの組織のリソースはいずれでしょうか?


 自由にやれる感覚の大切さや、それを持てることに感謝を感じた、リソース豊かな横浜の秋
の一日でした。

Vol.61 2014年5月16日(金) 

 この一週間、五所川原(青森県)に滞在していました。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%94%E6%89%80%E5%B7%9D%E5%8E%9F%E5%B8%82

 一週間に亘る仕事にご一緒していただいたメンバーの皆さん、本当にお疲れ様でした。
 情報が乏しい中、限られた時間で、また2時間弱の車の移動など厳しい環境下での仕事でした。
 皆さんのおかげでお客様の期待に沿う提案ができたように思います。

 この一週間不夜城のようだったホテルのミーティングルームにはもう誰もいません。 
   一抹の寂しさを感じます。祭りのあとの寂しさというものでしょう。

 祭りのあとの寂しさがいやでもやってくるのなら
   https://www.youtube.com/watch?v=bv5aoSfG8Y4
   岡本おさみ(作詞)吉田拓郎(歌・作曲)(1972)『祭りのあと』


 厳しい環境下での仕事を支えてくれたものの一つは美しく雄大な、荒々しく厳しい自然です。

 津軽富士と呼ばれる岩木山は美しく、雄大です。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A9%E6%9C%A8%E5%B1%B1

 五能線が走る海岸線から見る日本海は厳しいも美しい姿を見せてくれました。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%94%E8%83%BD%E7%B7%9A

 不老不死温泉の前を通りましたが下車して浸かる余裕を私は持てずに通り過ぎました。今思
えば、メンバーの皆さんに申し訳ないような気もします。

 http://www.furofushi.com/


 自然を前に、自分の力ではどうにもならないこと(影響を及ぼせないこと)が多々あるという、
当たり前のことをあらためて実感します。仕事(役割)柄なのか、私の心的特性からかはわかり
ませんが、私は、どうにもならないことをどうにかしようと(影響力を行使しようと)しがちです。
 ある人から教えてもらったのですが、仏教では「執着を捨てることで解放される(楽な気分に
なる)」という教えがあるそうです。「自分は執着し過ぎているのかもしれない」という気がし
ています。


 五所川原で過ごす最後の夜、釣吉 にて一杯やりました。素晴らしい店です。
  http://tabelog.com/aomori/A0205/A020502/2003967/
 ご紹介いただいたHさん、ありがとうございます。

Vol.60 2014年1月26日(日)
 エッジの効いたコンセプトを有する製品・商品、サービスを売る際の定石には以下のようなものがあります。
 ●「想定している顧客が”ピン”とくる価値」をフレーズ化する。
 ●そのフレーズを”ピン”と感じると見込んだ方々(これらの方々を一般にはターゲットと言います)
    に、”ピン”と感じてもらえる方々がある一定程度に増えるまで(ビジネスとして成り立つ売上規模
    に達すると見込めるまで)PRし続ける。

edge
 1  (刃物の)刃 (⇒blade )
 2 [単数形で] (刃の)鋭利さ, 鋭さ; (欲望・言葉などの)激しさ, 鋭さ, 痛烈

 3 [単数形で] 強み, 優勢
concept
  概念, 観念, 考え; 構想, 発想, コンセプト
phrase
 1 〔文法〕 句

 2 成句, 熟語, 慣用句, 決まり文句
いずれも、「新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典 株式会社研究社」より

 

 フレーズは、”ピン”と感じると見込んだ方々がPRへどう反応しているかを観察しながら微修正を繰
り返します。PRは、「この手がだめならあの手を」、「あの手がダメならこの手を」とあらゆる方法
で、しつこくしつこく、ズーと、繰り返します。

 

 キーワードは以下の通りです。
 ・修正を繰り返す
 ・あらゆる方法で
 ・しつこくしつこく
 ・ズーと

 産(売)みに際してはいろいろな苦しみがありますが、それらの最たるものは、私の経験に限って
言えば、これら − 修正の繰り返し、あらゆる方法で、しつこくしつこく、ズーと − です。

 

 売れるか売れないかわからない中、次の一手を考えて打ち、またその次の一手を考えて打ち、また
また・・・・・・・。際限(期限)がない苦しさです。成果を出さなきゃ終われない・・・。この苦しさは経
験した方でないとなかなかわかり難いかもしれません。

 「ズーと続けることが売るためのキーワード?科学的じゃない。たんなる精神論だ」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 その通りです。科学的ではありません。精神論です。しかし、ズーと続けるしかありません。科学的
であろうがなかろうが、精神論であろうかなかろうが、”しつこくやり続ける”ことが、エッジの効いた
コンセプトを有する製品・商品、サービスがブレークスルーするうえでの重要なポイントのひとつであ
ると私は経験則上信じています。

 「じゃあ、やり方を変えよう」「やり方?」「ああ、ルアーがだめなら思い切って、エサ釣りにしよう。それもちょっと変わったやり方だ。やり方は色々ある」

阿部夏丸(2011)『父のようにはなりたくない』講談社pp.200

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三人目の青年ハルは、ビジネス・スクールに行きつく前からマネジャーだった。彼は本能的に企業
経営の本質をつかんでいた。それは彼が勉強にはげんだからではなく、ひとつの対応がうまくいかな
かったらつぎの対応を、そしてまたつぎの対応を……目標に達成するまで試み続けたからである。そ
れが“経営する”ということなのだ。

ハロルド・S・ジェニーン、A・モスコー、田中融二(訳)(2004)『プロフェッショナルマネジャー』
プレジデント社pp.119

 「またダメだった。次はどうだろうか・・・」と不安な方が今この瞬間も日本には大勢いらっしゃると思
います。その不安を払拭するには、「このやり方がダメだったらあのやり方で。あのやり方がダメだっ
たらそのやり方で」と腹をくくるしかありません。「きっといつか・・・(うまくいく)」と信じるしかありません。

 一人のコンサルタントとして、ビジネスマンとして、実務家・実践家として、「ピンを作る、それをPR
する、そして売上として結実させる」ために”ズーと(しつこさ)”は大切にし続けたい思います。

ピン(pinta ポルトガル 点の意)
①カルタ・采さいの目などの1の数。
②はじめ。第1。最上のもの。
[株式会社岩波書店 広辞苑第六版]

 

Vol.59 2014年1月8日(水)

 この年末年始、帰省した福岡市のいたるところで今年の大河ドラマ『軍師官兵衛』がPRされていました。官兵衛さん、福岡市や中津市の活性化よろしくお願いします(笑)。 
  http://www1.nhk.or.jp/kanbe/

 正月は家族で沖縄に行きました。昨年の疲れを癒そうと思っていたのですが、いろいろやり過ぎ疲労困憊で、風邪をこじらせてしまいました(笑、反省)。

 慶良間のスキューバ・ダイビングで、息子(十三歳)はひどい船酔いをしながらも、また初体験であ
るにもかかわらず、結局3回潜りました。彼の”無謀さ”には脱帽です。その”無謀さ”には見習う必要が
ある一面もあるように感じました。

 宮部久蔵(『永遠の0※』に登場する終戦間際に特攻で戦死した海軍航空兵)を卑怯者、臆病者と評する
方もいらっしゃるでしょうし、そうは評さない方もいらっしゃるかと思います。
※永遠の0:百田尚樹(2009)講談社

 ”無謀さ”は、無謀さそのものもそうですが、深謀や遠望とのバランス、勇気や蛮勇の概念まで含めると、見習ったり、教えてもらったりはなかなかできるものではありません。

 無謀 深い考えのないこと。物事をするとき、そのやり方や結果について十分考えていないこと。無茶。
    「―な登山」「―運転」
 卑怯 ①心が弱く物事に恐れること。勇気のないこと。臆病。②心だてのいやしいこと。卑劣。「―な騙し討ち」
 臆病 ちょっとした物事にもおそれること。また、そのさま。小心。「―な性質」
 深謀 深いはかりごと。

 遠望 遠方を望み見ること。とおみ。みわたし。「―がきく」
 勇気 いさましい意気。物に恐れない気概。「―をふるう」「―がわく」
 蛮勇 理非を考えずに突進する勇気。向う見ずの勇気。「―をふるう」
 ※いずれも 株式会社岩波書店 広辞苑第六版 より

 潜っていく息子を見ながら何となく私が感じたのは、私が一皮むけるうえで”無謀さ”はおそらく必須
であること、私が”無謀さ”を学習にするにあたっての鍵は、『信頼できる(と踏んだ)他者に身を委ね
てしまう → 自分であれこれ(広く)考えない = 視野や思考を意図して狭める、スピードダウン
する』『どう思われるとか、どう見られているとかを気にしない=あえて自己中(心性)に徹する・回
帰する』ということです。

自己中心性
ピアジェのいう自己中心性とは、一般的に理解されるような利己主義という意味ではなく、幼児が自分
自身を他者の立場においたり、他者の視点に立ったりすることができないという、認知上の限界性を表
す用語である。
 中島義明他(編)(1999)『心理学辞典』有斐閣pp.764

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 この年末年始、リフレッシュする中で自分の進む方向のいくつかがはっきりしました。この一年、その方向に向かってしっかり実践することが肝要かと思います。

 息子は、船酔いと寒さのためか、潜った日の夜から高熱を出し、翌日、翌々日とぐったりしていまし
た。しかし3日目にはすっかり元気に。無謀なことをやって、高熱を発し、アッというまに元気になる。
なんというアップダウンの激しさ。

 親の勝手な希望ですが、息子にはあと10年くらいは(20歳過ぎまでは)、こんな激しいアップダウンを繰り返しながら、(深謀や遠望ではなく)無謀さを強い武器にまで磨いて欲しいものです。

 「”親”の勝手な希望ですが・・・」と書きましたが、正しくは「”私”の勝手な希望ですが・・・」です。妻は、「ハラハラドキドキは勘弁してくれ」と言いそうです(笑)。

 今のご時世、”無謀さ”は、組織における特に若手社員(新しい水夫)にとっては、いえ私と同年代の中高年社員(古い水夫)にとっても、学習する価値が十分にあります。

古い船には新しい水夫が乗り込んで行くだろう
古い船を 今 動かせるのは古い水夫じゃないだろう
なぜなら古い船も 新しい船のように新しい海へでる
古い水夫は知っているのさ
新しい海のこわさを
吉田拓郎(1970)『イメージの歌』

【プライベート備忘録】
●首里城 http://oki-park.jp/shurijo-park/

●マングローブカヤック http://www.okinawa-kayak.net/news/2014/01/--6.html
●ダブルデッカー http://r.gnavi.co.jp/f066500/

●美ら海水族館 http://oki-churaumi.jp/
●旧海軍司令部壕 http://kaigungou.ocvb.or.jp/about.html
●サムズセーラーイン http://www.sams-okinawa.jp/sailor_inn/index.html
●スキューバダイビング http://seasirnaha02.ti-da.net/e5771212.html
●ぱいかじ http://www.paikaji.jp/tenpo/honten.html 
●ガンガラーの滝 http://www.gangala.com/
●琉球温泉 瀬長島ホテル http://www.senagaspa.jp/

Vol.58 2013年11月23日(土)

 気分転換のため、大鳥居から、自転車をこぎ、産業道路、第一京浜を通って、浜離宮恩賜庭園に行ってみました。
 浜離宮恩賜庭園

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%9C%E9%9B%A2%E5%AE%AE%E6%81%A9%E8%B3%9C%E5%BA%AD%E5%9C%92

往復で約28km。迷って右往左往したり、興味がわいたら立ち寄ったり。実走行距離はおそらく30数km。所要
時間は計約6時間(食事、庭園散策の約1時間を含む)。さすがに疲れました。
庭園からはレインボーブリッジやお台場などの臨海副都心が一望できます。水上バス発着所からは諸外国の
方々が降りてきます。過去と今が交錯する不思議な風景です。庭園の基礎を築いた徳川綱重は、約350年後、庭
園がまさかこのような風景の中にあるとは夢にも思っていないでしょう。
庭園を散策しながら、先般仕事で甲府に10日ほど滞在した際に訪れた徳川と覇権を競った武田家の躑躅ヶ崎
館(つつじがさきやかた)を思い出しました。
 躑躅ヶ崎館

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BA%91%E8%BA%85%E3%83%B6%E5%B4%8E%E9%A4%A8
躑躅ヶ崎館は、私の感覚では、ひっそりと隠れるように”(ただそこに)ある”感じがして、それゆえ武田家の隆昌
がしのばれます。隆昌の跡は私の心をときめかせ、また哀切や郷愁も感じさせてくれます。

栄華を誇った豪邸のあたりも、いつしか無人の野原と変わり、昔のままの住居も、実は住人がまったくの別人に
変わっている。桃や李は、昔のままに花を咲かせるけれども、人間の言葉を話せないから、結局、昔を語り合う相
手はいないことになってしまう。まして、見たこともない遠い昔の貴人の御殿の跡は、いっそう強く無常を感じさせる。
 角川書店(編)(2002)『徒然草』角川学芸出版 pp.60

  今夏初盆であった妻の母(私の義母)が妻のために作ってくれた着物を、妻は、形見分け分を残し、他は遺品整
理のプロにお願いして整理してもらうことを決めたようです。妻がその胸の内を話してくれました。
 遺品整理
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BA%91%E8%BA%85%E3%83%B6%E5%B4%8E%E9%A4%A8
過去のものやことを大事にしたり、活かしたりすることよりも、それらとあえて訣別し、新たなものやことを創った
り、チャレンジする。そんな生き方を、妻は模索しているようです。なんとなく妻の気持ちは分かります。

(新しいものやこと以上に)過去のものやことに執着することは生活の質を低下させてしまうことも多い気がしま
す。過去のものやことは新しいものやことよりも機能面で劣り(非効率で)、使い勝手が悪かったり、存在しなく(無
く)なってしまったりすることすらあるからです。かつてのオートマチック車しかり、オープンリールデッキしかりです。
こだわりやノスタルジー、もの思いにふけることは否定しません。いえむしろ私は大好きです。しかし、時代は
刻々と変化しています。生活の質を維持・向上させるためには、精神衛生上からも、過去のものやことではなく、新
たなものやことを積極的にとり込み、創っていくことは有効であるように私は思います。

 未来にふさわしいものを好きになればいいのである。私の予測が示す通り、未来の生活はこれまでの生活とは
だいぶ違ったものになる。行動を起こさなければ、あなたの好みは過去の生活で培われたものになり、結果とし
て、未来の生活はあなたの好みに合わないだろう。
 ヨンゲン・ランダース、野中香方子(訳)(2013)『2052 今後40年のグローバル予測』日経BP社 pp.433-434

あらためて言うまでもなく、環境変化は組織や個人の知識やスキル等の強みを弱体化させる力を秘めています
(強みは環境変化によって強みではなくなる。いやむしろ弱みになってしまう)。
古いものやことへの執着は環境変化を構成する「古いものやこと」と「新たなものやこと」の後者(新たなものやこ
と)の軽視に繋がりやすく、つまり古いものやことへの執着は、環境変化の構成する2つの要素の一つを、ひいて
は環境変化そのものを軽視する危険性を高めます。
環境変化を軽視する危険性を高める古いものやことへの執着は、環境変化が引き起こす組織や個人の強みの
弱体化を見過ごしてしまう恐れを増大させます。

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環境変化が激しささを増す昨今、過去のものやことではなく新たなものやことに目を向けることは、強みの弱体化に気づき、新たな強みを継続的に創り出していく、そして強みを維持する上で極めて重要です。

過去のものやことと訣別する力を訣別力、あるいは訣別コンピテンシーと言うとしたら、訣別力こそ、訣別コンピテ
ンシーこそ、これからの組織やビジネスマンが時代を生き抜いていく上で最も重要な能力、コンピテンシーの一つ
であるのかもしれません。

もちろん、過去のものやことすべてを否定しているわけではありません。

 創業期の活気をよみがえらせるには、「無法者英雄」が必要であり、創業の精神を見失わぬためには「羅針盤英
雄」を置いておくことである。あるいは、創業時に苦労した人を、役に立たなくなってからも、「御神木英雄」として残
しておくことである。
 城山三郎(1989)『打たれ強く生きる』新潮社 pp.61

過去のものやことと訣別すること(新しいものやことに目を向ける、チャレンジすること)を強く志向すべき時代が
今まさに訪れているように感じます。微力な私にでもできることには、「過去のものやことと訣別する姿勢や覚悟を
後進(後輩、後に続く方、子供)に示していく」もあるように思います。

 秋の一日。良い気分転換ができました。

Vol.57 2013年9月11日(火)

 昨晩(2013年9月10日の夜)、京急線の車中でメールをチェックしていると『●●しました(目標を達成しまし
た)!』との文字が飛び込んできました。Iさんからのメールです。能力的にも、人間的にも、私はIさんを信頼してい
ます。

 筆者はこれまで、①相手の能力に対する期待としての信頼と、②相手の意図に対する期待としての信頼をはっ
きり区別すべきだと提案してきました。簡単にいえば、相手がやるといったことをちゃんと実行する能力をもってい
るかと、やるといったことをやる気があるかの区別です。
山岸俊男(1999)『安心社会から信頼社会へ』中央公論新社 pp.13

 私の感激、感動は、Iさん以上だったように思います。Iさんのこの数年における苦渋や辛苦が、また努力、がんば
りが脳裏をよぎり、涙(&鼻水)があふれてとまりませんでした。
 ※苦渋や辛苦、努力、がんばりは、私がそのように認識しているのであり、Iさんご本人がどのように認識されて
   いらっしゃるかは存じません。
目的の駅のかなり前でしたが、一旦下車しました。

人間万事塞翁が馬。私の座右の銘であり、人生の拠り所です。しかし、以下が私の本音のようです。

『目標を達成したら嬉しい。誇らしい。達成できなかったらつらい。苦しい。悔しい。悲しい』

 『人間万事塞翁が馬は、今、目標を達成したり幸せな者が、過去の未達成や不幸せを振り返る際に理解・納得
できる故事/ことわざであり、今、目標を達成できていなかったり幸せでなかったりする者が、過去の未達成や不
幸せを振り返る際に自分を納得させたり、行き場のないやりきれなさから目をそらす良い意味の逃げ道の機能を
有する故事/ことわざだ』

「(私は)賢人にはほどほど遠い」ことは分かっていましたが、より賢人から遠ざかった気がします。

プロセスの重要性は十分に認識しつつも、「やっぱり、(良い・優れた)結果を残した方がいい。残したい」と、自己効力感を得たり、自分を鼓舞したり、希望・見通しを持つなどの観点から、強く思います。

 勝てば官軍。これも私の座右の銘の一つです。
「勝ち方が大事だよ」、「何をもって勝ちとするかが問題なんだよ」」「負けて学ぶことも多い」「Win−WINが大
事」「勝てば官軍なんて品がない」等とお感じになられる方も多いかもしれません。
Iさんのこと、一昨日の早朝に決まった東京での夏季オリンピックの開催のこと、組織やビジネスにおけるサバイ
バルの現実・・・。
私にとって、「勝てば官軍」は、複雑なこの世を、シンプルに、現実的に、理解する上で極めて有益な故事/ことわ
ざでもあります。

 リーダーやマネジャーにとっては、自身の勝ちもさることながら、部下等を勝たせる(=官軍にしてあげる)こと
は、先に述べた自己効力感、希望・見通しを部下等に持たせる、部下等を鼓舞するの観点から、極めて重要な役
割、目標です。リーダーやマネジャーは部下等を勝たせ、彼らに夢を持たせる責務を負っています。

 この数カ月、Tさんに勝ってもらうことを私なりに目指してきました。力不足からかなわない見込みです。Tさんに
は申し訳なく思います。
 ※諦めているわけではありません。念のため・・・。

 私は矛盾しています。
勝てば官軍、成果を出してナンボ、と私は強く信じています。しかし、冒頭に記したIさんの目標達成に反応して流
したのは、Iさんのプロセスについて感激、感動した涙です。成果について流した涙ではありません。

 モノ・サービスと同様に、人の労働力をインプットースループットーアウトプットの3工程に見立てれば、インプット
に当たる部分が労働意欲や潜在能力であり、スループットに当たる部分が仕事の進め方やプロセス、あるいは職
務に求められる能力や職務に対する評価で、アウトプットは、実際に出された成果に応じて与えられる評価である。
経営行動科学学会(編者)(2011)『経営行動科学ハンドブック』中央経済社pp.471-472

 プロセスは立派だ。でも成果がでない・・・。
 プロセスはどうしようもない。でも成果が出ている。
 皆さんは、どう評価されていらっしゃいますか。
 ※話しをややこしくしないため、「成果が出ている・出ていないをもってプロセスの良・悪を判断する(出ている=
   良、出ていない=悪い)」は”なし”とします。

 評価が難しいのは、私は、後者(プロセスはどうしようもない。でも成果が出ている)の状況の方です。

 唐突にプライベートに話を変え恐縮ですが、息子(中学校1年生、12歳)の場合でしたら、私の評価の基本は以下の通りです。

 プロセスは立派だ。でも成果がでない・・・。
  ↓
 思いっきり評価する(評価してあげる)。

 プロセスはどうしようもない。でも成果が出ている。
  ↓
 特段何もしない。注意を喚起する。

 念のためですが、上記の、12歳の息子に対する私の評価の基本は、彼(息子)が今”12歳”だからであり、
12歳の彼が今学習すべきは、以下のような考え方、前提を、信念とまではいわないまでも、基本的な価値観と
して身体や脳に刷り込ませることである、と私は信じているからです。

●プロセスに全力を尽くす。結果は、基本、プロセスの後工程として登場する(プロセスが先で結果は後)。
●結果を過剰に意識するとロクなことはない。結果への過剰な意識は、”怖れ””萎縮”を生む(そしてプロセスに全
 力を尽くすことを妨げる)。

●プロセスに全力を尽くしていれば、たとえ望まない結果であった場合でも、前向きに諦めることができる。踏ん切 りがつく(例:結果を出せずにこれまでの道と異なる道を歩むことになったとしても悔いがない)。
●プロセスに全力を尽くすことに伴う能力向上の度合いは(全力を尽くさない場合よりも)計り知れないほど大きい。

 ちょっと心配なのは、彼がこれらの考え方、前提のみを深くインストールしたまま成人したなら、彼はブラック企業の思うようにやられてしまう可能性が高いことですね(笑)。

 だからというわけだけでもないのですが、彼がもし25歳であったなら、学ぶべきことは、克服すべき課題は、
『プロセスも結果も大事にする』『結果に執着しつつ、結果への執着に起因する”恐れ””委縮”を克服する』
『(プロセスも結果も大事にする等の)矛盾やそれに伴う葛藤と対峙する』などであろうと思います。

 「プロセスと結果、どっちが大事?」との問いへの解を検討するには、プロセスの当事者であり、また結果を出そうとしている彼または彼女にとっての発達課題が何であるのかを検討することが先なのでしょう。

発達課題 developmental task
 発達のそれぞれの段階において、解決しておくべき心理社会的な課題をいう。適切に解決できればその後の発達の段階はうまく進んでいくが、解決できない場合には、後の段階で多くの発達上の困難に出会うことになる。

中島義明、安藤清志、子安増生他(1999)『心理学辞典』有斐閣 pp.692

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【補足】
勝てば官軍負ければ賊軍
戦いは、道理に合わなくても勝てば正義で、道理に合っていても負け
れば不正なものとされること。略して「勝てば官軍」とも。
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]
 
道理
①物事のそうあるべきすじみち。ことわり。源氏物語帚木「世の―を
 思ひとりて」。「そんなことが許される―がない」
②人の行うべき正しい道。道義。「―にはずれた行為」
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

Vol.56 2013年8月12日(月) 中学校一年生の息子が上京しました。彼が室見(福岡県福岡市)に帰る前夜、晩飯を一緒に食べながら、「中学生になって4ヵ月の間でどんなことを勉強したの?どんなことが分かったの?」と聞いてみました。
 
「幾何の●●が・・・」なんて言われても私はさっぱり分りません。回答から学習指導要領等に則って行われる中学校の授業の中で教えてもらうことは除外してもらうようお願いしました。

 ① 教えてもらうことは役に立つ。
     ↑
    教え上手な学友に勉強を教えてもらったら物凄く分かりやすく、ためになった。

 ② 早飯、早走りは役に立つ。
     ↑
    昼食時の食堂で飯を食べる時は急がないと(ちょっとでも送れると)、並んだりする時間がもの凄くかかって    しまう。

 ③ 全力を尽くすことは大切だ。
     ↑
    サッカーのロスタイムであきらめずに力いっぱいプレーしていたら、2度、3度、逆転できた。

 ④ 友達は大切だ。
     ↑
    ?? 不明

 ⑤ 冷静に考えればいろいろな考え(方法、手段)が頭に浮かぶ。
     ↑
    ?? ※私の判断により記載は控えます。

 ⑥ 笑うと嫌なことを忘れて気持ちが良くなる。
     ↑
    ?? 不明

 ⑦ 体を大切にする。
     ↑
    右腕を骨折して部活の練習がしばらくの間できなかった。

 ⑧ 自分のことを理解してもらうことは大切。そのためには発信が、発信には勇気を必要。
     ↑
    ある集団の前で、あることに関する自分の状況、見込み、意向・意気込みを説明・周知、宣言した。

 ⑨ 悔しさはやる気の元になる。
     ↑
    骨折でレギュラーになるチャンスを活かせず。

 上記⑦〜⑨(の上段に記していること)を彼が口にするために彼は私の支援を必要としました。①〜⑥について
は、彼は私からの支援を要せず、多少の時間をかけたどたどしくはありましたが、独力で口に出すことができまし
た。2、3年前から大きく成長した
ものです。http://www.kkkiduki.jp/article/14220094.html

 彼は、この夏、自身の4ヵ月に亘る具体的な経験を抽象化し、彼なりの、たどたどしくも力強い素朴なマイセオリーをこしらえました。

 個人は①具体的な経験をし(具体的な経験)、②その内容を振り返って内省することで(内省的な観察)、③そこ
から得られた教訓を抽象的な仮説や概念に落とし込み(抽象的な概念化)、④それを新たな状況に適用する(積
極的な実験)ことによって学習するのである。ここで重要なことは、経験そのものよりも、経験を解釈して、そこから
どのような法則や教訓を得たかということである。言い換えれば、たとえ二人の人間が同じ経験をしたとしても、経
験の解釈次第で学習内容は異なり、その後の行動も変わるといえる。

松尾睦(2006)『経験からの学習』同文館出版pp.62

  彼はマイセオリーを作ることで、この4ヵ月の具体的な経験をあらためて理解できたようでもありました。
 理論は実践の理解を促す効用を有しています。
http://www.kkkiduki.jp/article/14840971.html

 翌朝彼は、羽田に着陸する飛行機を横目に見ながら多摩川の河口付近で自転車をこいでいました。
 汗びっしょりです。
 『彼が今後の人生を通じて作る様々なマイセオリーが、彼の人生を良い方向に導いてくれますように』
 彼の後姿にこっそりお祈りしました。
 最近、お祈りする人の心情や気持ち、状況が少しばかり分ってきたように思います。
 私も彼と同じように新たなマイセオリーを手にしつつあるのかもしれません。

 自分の、 中学校一年生(1975年、昭和51年)の頃のマイセオリーはどんなもんだったかな?
 彼を見ていたらタイムスリップしてみたくなりました。
 やけに純粋過ぎていたり、過激であったり・・・。ひどく偏っていたり、尖がっていたり・・・。
 スマートだったとは、バランスがとれていたとは、とても思えません。
 しかし、その分、強かった(頑強であった)ように思います。
 2013年夏の私のマイセオリーはどうでしょうか?
http://www.kkkiduki.jp/article/14225771.html

今夏は妻の母の初盆です。 
時が止まったような空間で今(2013年夏)の自分のマイセオリーについて思索してみようと思います。

Vol.55 2013年7月18日(木)
 大鳥居に引っ越して4ヵ月弱が経ちます。大鳥居から京急蒲田駅乗り換えで品川駅に向かう際、特に乗り換えの時間があまりない状況において、私は羽田行きの列車(大鳥居に逆戻りする列車)に飛び乗ってしまうことが
未だに、あります。 私が京急蒲田駅で乗り換え時に間違ってしまう(大鳥居に逆もどりしてしまう)のは、私のそ
そっかしさが最大の要因ですが、京急蒲田駅が、以下のような構造等であることから、多少分かり難いことも起因
しています。

・ホームは上下の2層構造。
・羽田方面行き、川崎方面行き、品川方面行きと行き先が3つに分かれている。
・行き先別に乗り場(ホーム)が完全に分離されていない。

  あともう一つ、京急蒲田駅での乗り換えで私が間違ってしまう(大鳥居に逆もどりしてしまう)のは、私の知識が私のとっさの行動に影響しているからのようです。私は、『品川と羽田をひとつのまとまった知識』として記憶してい
る(大脳皮質に格納している)ようなのです。『品川=羽田』というスキーマが、私を乗り換え間違いさせる要因でもあるようなのです。

大脳皮質
大脳半球の表層を形成する灰白質。哺乳類で著しく発達しており、人では思考や言語など高次の機能を担う中枢が局在する。新皮質。
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

 認知心理学の分野では、ある領域に関して人が持っているひとまとまりの知識を「スキーマ」と呼んでいる。スキーマはたくさんの断片的な知識要素が因果関係(この知識がこちらの知識の原因になっている)・包含関係(これはこちらの一部である)・順序関係(この後でこれが起こる)などの関係で結びついたものである。一度このようなスキーマを人が構築すると、そのスキーマを適用することによって人は外界の情報を効率良く処理することが可能になる。
今井むつみ、野島久雄(2003)『人が学ぶということ』北樹出版 pp.103-104

 大鳥居に引っ越す前に住んでいた鷺沼(川崎市宮前区)から空港に向かうことが、また空港に向かう通過地点が品川であることが、この3月まで多々ありました。鷺沼から品川、羽田を望むと、少なくとも私の心理的なマッピ
ングでは、品川と羽田は同じ方面に位置しています。私は、いつの間にか、無意識に、『品川=羽田』というスキーマを作りあげたようなのです。
 私が京急蒲田駅での乗り継ぎを乗り間違わないようにするためには、乗り換えの都度、乗り換える京急蒲田駅
を中心に品川、羽田をマッピングした画像をイメージするなどして、品川と羽田についての位置に関する知識を再
構造化する(概念変
化させる)必要があります。

 知識の獲得には二つの形態がある。知識の豊富化と再構造化である。豊富化というのは、すでにある知識の構造はそのままで、知識に肉づけが行われることによって、知識をより豊富にまた洗練されたものにすることである。
再構造化というのは、今までの知識を説明していた原理を捨てて、別の原理を採用することである。つまり再構造化というのは自分が持っていた今までの知識を根幹から見直し、構造を作り替えることにあたる。この知識の再構
造化は概念変化とも言われる。
今井むつみ、野島久雄(2003)『人が学ぶということ』北樹出版 pp.104

  知識の豊富化が必要なのか、それとも知識の再構造化(概念変化)が必要なのか。能力開発においてどちらが
どの程度のウェイトで求められているのか。能力開発の重要なポイントです。知識の豊富化について「知識を根幹
から見直すなんぞはまだまだ早い。もっと精進せねばなぬ」とは思いつつも、昨今の自身の頭や固さ(固定概念
化)や融通の利かなさを実感することが多い私なんぞは、後者(知識の再構造化;概念変化)より意識してチャレン
ジする方が、中長期的に得られる果実は実り多いのではないかと思います。
 知識の豊富化は、小学校の頃の昆虫採集で標本が増えていくような楽しみを私に猛烈に感じさせ、時の経つの
も忘れ熱中させます。知識の豊富化というプロセスを通じて私はいわゆるフローの状態(ゾーン)へ突入することが
多々あります。
フロー&レジリエンス http://www.kkkiduki.jp/article/14604818.html

 私に楽しさを感じさせ、熱中させ、フローの状態(ゾーン)に至らせる知識豊富化のプロセスは、知識の再構造化
が知識の豊富化と同等、いえ同等以上に重要な私にとっては、知識の再構造化へ投入する資源(時間等)を私か
ら奪うリスクを有する要注意なプロセスとも言えます。
 スペシャリスト、専門家、特殊技能者、あるいは組織において不良債権(ひどい表現ですね)と揶揄されている中
高年の方々の中には、私と同じように知識の豊富化よりも再構造化に着眼した方が、一皮むけるなど、好ましい方
が案外多いのかもしれません。変化は激しく、極端な話、「ならば自分も常に生まれ変わってやる」位の気概を
持った方がいろいろな点で有利であり、また幸せに生きることにより近づける時代のような気がします。

 『(知識の再構造化(概念変化)など小難しいことをせずとも、)ゆっくり余裕をもって乗り換えれば乗り換え間違いせん(しない)』。息子(中学校1年)に言われました。ガーン、その通り。
 私は、この数年、省察的・学術的実践家を標榜しています。おのずと、今、知識の豊富化(物知り、博識)は私の
仕事において必須なものとなっています。最近、シンプルに考えればそれ以上考えなくてもよいこと、言ってしまえ
ば「たしかにそりゃそうだ」としか言いようがないこと、自明なことなどを、過剰に(必要以上に)、既有の知識であれ
やこれやと解釈し直したり、意味づけしたり、教訓化したりしてい
るような気がしています。
 私は省察的・学術的実践家を標榜はしていますが、私の主軸はあくまで”その瞬間瞬間””勘と経験””実践””成
果”です。人を「なるほど〜」とうならせたり、「そんな見方もあったんですね・・」と感心させたりする
解釈や意味づけ、教訓化は、意図して、少し控えてみようかと思っています。『二兎を追う者は一兎をも得ず』と言いますし・・・。

Vol.54 2013年7月6日(土)

  この前(6/30)、格闘技の殿堂『後楽園ホール』で、久方ぶりに、プロレスを観戦しました。
 http://www.noah.co.jp/tour_detail.php?tour_id=1161

 この団体は週刊ジャンプと協働してプロモーションをしており、リング上で串田アキラさんが宇宙刑事
ギャパン、筋肉マンを熱唱するなど、想定していなかったこともたくさんありました。
http://www.noah.co.jp/news_detail.php?news_id=5242

 会場はほぼ満員となり、非常に盛り上がっていました。

 企画している方に聞けば、「プロレス」全体のイメージアップを図るために、そして子供たちにプロレスの面白さを知ってもらうために、様々な可能性を模索中だとのことです。

 例
 ・異業種とのコラボレーション
 ・地域のイベントやお祭りなどとのタイアップ

 豊洲ではイベントが行われています。
 http://www.noah.co.jp/news_detail.php?news_id=5248

 ビジネス面でも、『1口5万円〜のスポンサー企業』となっていただければ、来場者に社名を入れたタオルやチラシ、PR販促物をお配りすることも可能だとのことでした。

 燃える闘魂 アントニオ猪木、御大 ジャイアント馬場、世界の荒鷲 坂口征二、人間風車 ビルロビンソン、・・・・(もうやめときます)、の時代から、いろいろな点で、プロレスは、様変わりしています。

 時代、環境へ適応するため、生き残るため、試行錯誤する。
 マーケティングの進化ですね。
 いずこの世界も同じです。

Vol.53 2013年6月8日(土)
 実践ばかりだと、理論に適っているかどうか、私は不安になったり、心配になったりすることがあります。特に、成果が出ない時や、実践の意味や効用をそれなりの方々に説明する必要がある時、そう感じます。
  理論
  ①(theory)
  ア)個々の事実や認識を統一的に説明することのできる普遍性をもつ体系的知識。
  イ)実践を無視した純粋な知識。この場合、一方では高尚な知識の意であるが、他方では無益だという意味の    こともある。
  ウ)ある問題についての特定の学者の見解・学説。
  ②論争。
  [株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

 『実践してナンボだ』『理論は役に立たん』・・・。理論を軽視する方々がいらっしゃいます。
 人類は古くから続けてきました。実践を科学して、実践に潜む理論を探索・発見する。そして、発見した理論に沿って実践する。そしてまた実践を科学する・・・。人類はこのプロセスを通じて発展してきました。
 理論と実践は、対義的に捉えるよりも、『循環している、それもスパイラルアップしながら』と捉えた方が、建設的かつ実態に近いのではないかと思います。

 理論には、実践の理解を促進する効用もあります。

 基礎的諸概念や理論に関する一定の、またできる限り正確な予備知識なしに、いきなり錯綜をきわめた史実の
森に分け入ろうとすることは、おそらく灯火なしに暗夜の道を行こうとするほど困難であり、場合によっては不可能
とさえなるであろう。

 大塚久雄(2000)『共同体の基礎理論』岩波書店,pp.2

 私は日々、実践に埋没してしまっています。実践における勘所やポイント、理論について、ある程度のレベル以上で「語れるようなろう」と意識しています。

 アージリスの盟友であったショーンは、自分のアクションのコツを対話、内省、実演を通じて、原理・原則として言語化できるようなひとのことを、内省的実践家(reflective practioner)と呼んだ。
 金井壽宏(2005)『リーダーシップ入門』日本経済新聞社,pp.46

 理論は、当然ながら、万能ではありません。理論の軽視は、ある意味、正しいのです。

 われわれの用いる諸概念や理論はそもそも限られた史実を基礎として構想されたものであり、つねに何らかの
程度で仮説(Hypothese)に過ぎず、したがってまた当然に一層豊富な史実に基づいて絶えず検討しなおされ、
訂正あるいは補充され、再構成されなければならない。

  大塚久雄(2000)『共同体の基礎理論』岩波書店,pp.2

 『実践においては、理論を意識しつつ、しかし、理論に則っとるだけではなく、理論の枠を意図してはみ出して実践する』必要があります。

 持論めいたものを述べさせていただきました。この持論めいたもの、正直申せば、私にとっては実践が難しく、また半信半疑な思いがあります。「それじゃ持論じゃないだろう」。おっしゃる通りです(冷汗)。

 私は、つい5、6年程ほど前まで、理論も何も知らず(あまり考えずに)、ただがむしゃらに実践していたばかりでし
た。理論を知っていたり、分かっていたりしたら、失敗しなかったり、うまくいったことが、もっと多かったように思い
ます。でも、理論を知っていたり、分かっていたら、「突破できなかったのではないか」「潰れていたんではないか」
と思うことも少なからずあります。上記の持論めいたものの実践が難しいと感じる半信半疑な思いは、私の経験に
根ざしたものです。

 乗り越える課題の困難の程度の相違によって、あるいは理解しようとする実践の複雑さの程度の違いによって、はたまた、実践する者の何がしかの特性の異なりによって、理論の効用は増減するのでしょう。

 それらの複雑な関連を私がそれなりに分かり、それなりに実践することができるのはいつの頃か。
 長い年月をかけ徐々に分り、あるいはある時一気に分り、実践できる領域は着実に増えていくように思います。
 おもしろい人生が待っています。

著書

2023年4月発売 
ダイナミック・ケイパビリティのフレームワーク: 資源ベース再構成の組織能力
http://amazon.jp/dp/4502450316
発行所:中央経済社 
統合的な調査・分析の枠組みに基づき、グローバル・ニッチ・トップ企業のM&Aに係るダイナミック・ケイパビリティの実相を、ミドルマネジメントの観点から探究

著書

2014年9月発売 
仕事の基本(経営コンサルティング・ノウハウ2)
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発行所:中央経済社 

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