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Vol.72 2015年3月1日

  昨晩のFMシアター(NHK)は
『かぞくのたまご かぞくって、いつから家族になるんだろう――?』。
http://www.nhk.or.jp/audio/html_fm/fm2015006.html

 親父(齢80超)に肩車してもらっていたことを思い出した・・・(;−;)。
 肩に乗ると、見通しが格段によくなり、世の中が開けた。乗っている方(自分)が乗せている
方(親父)よりなぜか偉く、「あっちへ行け」「いやいやこっちだ」と指示できた。私のリーダー
シップの原体験は親父の肩車にあるのかもしれない。 

 息子(現在中二)をよく肩車した。親父が肩車してくれていたおかげだ。 
     
息子も子(私にとっては孫)を肩車するだろう。

箱根 肩車 縮小.jpg

 番組では、仏壇のろうそくの炎の消し方、得意な料理といったものを、主人公の婚約者が義父
(となる予定の者)からいつのまにか引き継いでいる様が、また主人公自身も実父から”親のあ
り方”を引き継ぐ準備をしてもらったいたことに気づく様が描かれていた。

 ことさらでなく、普通に、何気ない日常において、私たちは学習している。企業経営上におけ
る経営者、社員らも同じである。企業経営の現場においても、親父が私に肩車を教えてくれたよ
うに、教える側が、また当然のことながら教わる側も、学習について無意識であることも多く、
計画性をもってPDCAを回すなどはかなり困難と言わざるを得ない状況も多々である。

 ヒドゥン・カリキュラム(hidden curriculum、隠されたカリキュラム)のパワーは、良くも
悪くも、強烈だ。特別に教えなくても学び手はメキメキと勝手に学ぶ。逆に教えても教えてもこ
とごとく無に帰される。教える側はかなりの注意を払った方がいい。

 企業経営を支える人材育成において、もっと大きな視点でいえば、企業風土や戦略の変革・実践において、「ヒドゥン・カリキュラムといかに対峙するか」は極めて重要な論点である。

ヒドゥン・カリキュラム(hidden curriculum、隠されたカリキュラム)
 学校でも正式のカリキュラムのほかに、どういうことが奨励されるかという、インフオーマル
で無意図的なヒドゥン・カリキュラムがあるわけです。たとえば、「自分の意見を堂々と述べる」
というのは建前としてはいいことのはずですが、先生に対して反対意見を堂々と述べるというの
は暗黙にまずいこととされるわけですね。「わからないことは何でも質問しなさい」と先生が言っ
ても、「授業中に粘って質問をするのは進行を妨げるのでよくない」という了解が暗黙裡にでき
ていたりします。
 市川伸一(2001)『学ぶ意欲の心理学』PHP研究所pp.45

【2015 2/28FMシアター あらすじ】
再婚家庭に育った浩平(37)は契約社員。小学生の息子を持つシングルマザーの正社員・千鶴
(36)と一年前から交際している。恋愛=再婚とは考えていない彼女は「先が分からない関係
に子供を巻き込みたくない」と、浩平と息子を会わせないようにしていた。だが、ある日、ばっ
たり二人は出会ってしまう…。自身の生い立ちから、「家族」を作るということに戸惑う浩平。
彼が自分なりの親子の繋がりを見つけ、やがて‘家族ごっこ’のような関係から一歩踏み出す姿
を通じて描く、新しい「家族」の在り方。
(出所:NHK「FMシアター かぞくのたまご かぞくって、いつから家族になるんだろう――?」

 http://www.nhk.or.jp/audio/html_fm/fm2015006.html 2015年3月1日 9:00)

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