近代中小企業
発行:中小企業経営研究会 http://www.datadeta.co.jp/
2012 Decemberr
『逆だった! 幸せが幸福に先行するのだ!』 ←Click
【要旨】
●ポジティブ心理学を活用する最大の肝
ポジティブ心理学は、経営を遂行する上において数多くの有効な知見や事例を有する。経営においてポジティブ心理学を活用する最大の肝は、経営トップがポジティブや幸福を肯定的に認識できるか否か、である。「ポジティブ、何それ?」「幸せ、経営とどう結びつくの?」「幸福を増進する?自分(個人)で考えてくれよ…」「自己啓発の話か…。私には関係ない」などと、ポジティブや幸福について懐疑的な、否定的な認識を経営トップが持つ限り、ポジティブ心理学を活用することは難しい。私見ではあるが、ポジティブや幸福について懐疑的・否定的な認識を持っている経営トップの方々は多いのが現実ではないか。
●成功すれば幸せになれるのか?それとも、幸せだから成功するのか?
成功の結果として幸せになるのではなく、幸せが成功に先行することが分かってきている。幸福感を感じる社員は、幸福感を感じない社員と比べて長期にわたり優れた成果を獲得する。
●幸福優位
人はポジティブ、つまり、幸せの時にこそ自身の脳を活性化させることができ、モチベーションを高められる。その結果、創造力を発揮し、優れたアイデアを考え出し、チャレンジし、困難にも屈せず、素晴らしい業績を手中にできる。ショーン・エイカーは、この「幸せ→成功」というパターンを「幸福優位」と、またポジティブ感や幸福感を有することで、他社との差別化を確立したり、競争で勝利したりする力のことを「ハピネス・アドバンテージ(幸福優位性)」と呼んでいる。経営トップ自身や社員が、幸せ感やポジティブ感を感じることは経営活動の成果獲得上、極めて有益である。幸せやポジティブは、自己啓発の領域だけで語られるテーマではない。
●社長と右腕の強みの棲み分けと相互活用
社長とその右腕が発揮する強みは、企業が発展する上において極めて重要である。ここで注意しなければならないことがある。それは、社長の強みと右腕の強みを、棲み分けて発揮させることである。