Vol.31 2012年3月6日(火)
映画「ヒューゴの不思議な発明」の主人公ヒューゴ・カブレ(エイサ・バターフィールド)と私の子供の年齢はほぼ
同じです。映画を見ながら、ヒューゴが私の子供と重なりました。 ヒューゴが危機に遭遇するたびに、心配で心配
でしかたありません。心臓の鼓動が聞こえてくるようです。ヒューゴの姿からけなげさを(敏感に)感じます。泣くよう
な場面ではないのに何度も泣きました。
十数年前子供が生まれて、私は(生まれて初めて)「”ずっと”まじめに働こう」と意を固めました。はじめて人生の戦略を考えました。いろいろな点、意味で、覚悟が固まり、少しは強くなったように思います。
映画「ヒューゴの不思議な発明」を見ながらあらためて思いました。 「子供は私を強くしてくた」。
同時に、子供は私を過度な心配症に、悲観的な人間に、したようです。日本について、その将来の不透明感や
不安を感じつつ、子供の健康や行く末などを考えると、子供のことが心配で心配でならなくなる時があります。
子供は私を弱い人間にもしたのです。
そういえば、母は弱かった・・・。母はいつも私のことを心配していました。母が弱かったのは、私(子供)がいたからではないか・・・。そんなことをふと思います。
東大を退職した社会学者上野千鶴子さんが特別(最終)講義。「超高齢化社会が来てよかったと思っている。かつて強者であった人も、最後には誰かに支えてもらわないと自分の生を全うできない。強者も、自分が弱者になる可能性を想像しなければならない社会だから」
天声人語(2011/7/31)朝日新聞より
小学生の子供も、年老いた父も、昨年春急逝した母も、今が絶好のタイミングと、人の弱さや脆さ(フラジャイル)
を私に教えてくれているのでしょう。弱さ、脆さの学習は、私にとって、48歳という”今”の発達課題であり、この発
達 課題を乗り越えると、次の新たなステージに上がれる、進めるような気もしています。
経営、マネジメントの任を担う方は、総じて、比較的に、強者です。経営、マネジメントの任を担う、強者の方は、
ともにこの世の中を構成している弱者の視点・立場・気持ちを、人生のある時点で学習することが、自身のリーダーシップ力やマネジメント力の幅を広め、奥行きを深める上で、有益ではないかと私は思います。
脆い
①こわれやすい。くだけやすい。「―・い刃」「―・くも初戦で敗れた」
②感じやすく、すぐ心を動かされるたちである。「情に―・い人」
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]
スタッフ
監督・製作:マーティン・スコセッシ
原作「ユゴーの不思議な発明」:ブライアン・セルズニック
ヒューゴ・カブレ:エイサ・バターフィールド
イザベル:クロエ・グレース・モレッツ
パパ・ジョルジュ/ジョルジュ・メリエス:ベン・キングズレー
鉄道公安官:サシャ・バロン・コーエン
ママ・ジャンヌ:ヘレン・マックロリー
ヒューゴの父:ジュード・ロウ