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vol.3

2011年10月24日(月)


 私の子供は現在学校で稲を育てています。子供から聞いたのですが、稲を育てる際にアドバイスし
てくれる農家の方がいて、その方から「今の時期、水を枯らしなさい」と指示されたそうです。

 
そういえば、私が子供の頃、夏休み前までなみなみと水を湛えていた水田が秋風の吹く頃にはか
らからに乾いていたように記憶しています。


水を枯らす
  ↓
稲は根をめいっぱい伸ばさせる
  ↓
稲の根の表面積が広がる
  ↓
養分がより吸収される
  ↓
いい稲穂が育つ  という意図なのでしょうか。


 麦踏み

 ジーランドの野鴨(飼いならされた野鴨) ※IBMを通じてご存知の方も多いのではないでしょうか。

 永田農法
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B8%E7%94%B0%E8%BE%B2%E6%B3%95 

 乾燥地帯の大樹の根は太く長い


 「スパルタ的な育て」の効果を示す事例や現象はたくさんあります。

 一方、「スパルタ的な育て」で成果を出すためには、枯れたり、再生不能になったりするギリギリの
時点で、最小限の肥料や水、食糧などの支援を与える
ことが重要です。


しかし、

ギリギリの時点
最小限

これらの頃合いの判断が大変に難しい。

「スパルタ的な育て」は、誰にでも、どんな状況でも、成果を出せるものではありません


 2010年の春、餃子の王将での新人研修がテレビで放映され、そのスパルタぶりが批判の対象に
なりました。私はテレビで視聴しただけであり真実を存じませんので軽々しい発言は慎みたいと思い
ますが、餃子の王将の業容、その業容に必要とされる人材像などを鑑みると、少なくとも経営的な観
点から見れば、あのような人材育成は大変的を得たものであるように思えます。


 一方、スパルタ的な育て」は虐待、パワハラと紙一重です。

 また、繰り返しますが、

「スパルタ的な育て」は、誰にでも、どんな状況でも成果を出せるものではない


 このような「スパルタ的な育て」の危険さ、難しさを前提としながらも、私は、

「育て」において、スパルタ的要素は必要不可欠

と考えています。

 理由は、先に示した「麦踏み」、「ジーランドの野鴨」「永田農法」等の事例、物語に示されている通
りです。

 

  人材育成に責任を負う者は、

「ギリギリの時点で」、「最小限の」 
支援を与える

というスパルタ的な基本的な姿勢・マインドを決して忘れてはならない


のです。

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