コラムB 利己的に、自分のために・・・ 世代継承性

Vol.41 2013年1月1日(火)

 2009年10月 義姉   2011年4月 実母   2012年4月 義父
 私は、いまだに死というものを受け入れることができません。
 死に係る経験や学習が十分でないからでしょうか。

 死を間近に垣間見ることがこの数年続き、生ある者がその知識やノウハウ、経験、その他諸々を、次の世代に
伝え、繋いでいくことの大事さを感じます。

 エリクソンによれば、もしもこの時期※に、世代継承性という課題をクリアできなかったら、そのひとは、中年を境
に停滞
してしまう。この課題がクリアできると、若い世代の世話(ケア)がしっかりできるという新たな徳が備わるよ
うになる。

金井壽宏、守島基博(2009)「漸成説からみた早期よりのリーダーシップ開発」『組織科学』第43巻第2号,pp.59
 ※この時期 → 中年期  木下補足

 たかだかの人間でありますので僭越なのですが、真摯に頑張っている一人でも多くの方をお世話(ケア)できれ
ばと思います。
次世代(他者)のために。組織、社会や国のために。いいえ、利己的に、私自身のためにです。
自身が前に進む(停滞しない)ためにです。

 「なぜ育成しなければならないのですか?」
 「そんな時間、私にはありませんよ!」「何の得がありますか!」

 問い詰められることが増えました。
 
実情を知っていればいるほど、答えに窮します。

 「育成する人自身の前進」「世話−ケア−という徳の獲得」。
 答えなのかもしれません。
 きれいごとでしょうか・・・。 

コラムB なんちゃってイシュー 逃避・先延ばし・付け焼き刃的延命

Vol.40 2012年12月31日(月)

 解かなくてよい問題を、あたかも解くべき問題として位置づける。実際に解く。『 ”なんちゃってイシュー”の Big
Issue 化 』は経営において資源の浪費を生み出します。

 http://www.kkkiduki.jp/article/14663518.html

 逆も要注意です。いえ、逆の方が要注意です。
 解くべき問題を、あたかも解かなくてもよい問題として位置づける。実際に解かない。
 『 Big Issue の”なんちゃってイシュー化"』です。 
 意図してやれば、逃避、先延ばし、付け焼き刃的な延命・・・、です。資源の浪費どころではありません。組織に
致命傷を与えます。
 志ある、責任感の強い、真っ当(まとも)な経営者、リーダー(以下、リーダーと略す)にとって、Big Issue と対峙
する時代が、これから先ずっと続きます。リーダーのストレスは、今後増えることはあっても減ることはないでしょう。
 従業員の危機感のレベルを過度に高めない(過剰に心配させない)ために、Big Issueを”なんちゃってイシュー"
としてカムフラージュした方が望ましい状況が今後増えることと思います。リーダーの孤独感も、今後増すことはあっ
ても減ることはない・・・。
 リーダーは、その任を果たすためにはタフである必要があります。リーダーは同志を持った方がいい。強く思います。
 自問自答しました。
 「リーダーの逃避、先延ばし、付け焼き刃的延命に加担していないか?」「リーダーの孤独に寄り添っている
か?」「逃避していないか?」「タフか?」「同志はいるか?」
 
年の瀬、例年通り、本年を(2012年)を振り返り、来年(2013年)の構想を練っています。
  【昨年(2011年暮)版】
   2011年を振り返り2012年の構想を練る その1  http://www.kkkiduki.jp/article/14219581.html
   2011年を振り返り2012年の構想を練る その2 
http://www.kkkiduki.jp/article/14225455.html

 なかなか、すっきりしません(整理できません。解けません)。
 
年を跨ぐ宿題(Big Issue)です。
 
初詣(土橋神社)や初売りの買い物の折にでも解いてみます。
 http://www.tokyuensen.com/ensen/ensenComment.php?ct=view&ie=6998&PHPSESSID=3a4bihlrufmcf6le1pbeb25742

コラムB 2012年を振り返る 私的ビジネス・キーワード

Vol.39  2012年12月28日(金)

今より前に進む為には争いを避けて通れない
桜井和寿(1994)『Tomorrow never knows 』トイズファクトリー

TOMORROW NEVER KNOWS←click!ひらめきAmazonロゴ小

コラムB 論点を見極める(外さない) 論点はその人物そのもの…

Vol.38  2012年12月22日(土)

 某社経営会議において、彼は、ポイントを捉えた発言、フィードバックができません。
 気の利いた一言を発することができません。
 何を話せばいいのか、途方にくれています。
 その場でやりとりされている事柄や情報が論点であるのかどうなのか。判断できません。
 彼は、某社の●●という独自技術、ビジネスプロセス、KFS(Key Factor for Success)、顧客、競合、収益構造
などを十分に理解できていません。
 彼が、気の利いた一言を述べたり、論点を掴むことができないのは、当然です。
 彼とは、私です。
 コンサルタント失格です。

 論点を見極める(外さない)
 ミーティング、会議、打合せの効果・効率を高めたり、的を射た戦略を立案・実行したりする上で、極めて重要です。

 論点
 議論の要点。議論すべき中心点。「―が定まらない」
 株式会社岩波書店 広辞苑第五版

  論点
 the point at issue [in dispute]
 [新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典 株式会社研究社

  A) a matter that is in dispute between two or more parties
   2つ以上の集団の間で決着のついていない問題
 B) a vital or unsettled matter
    根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題
 AとB両方の条件を満たすものがイシューとなる。
 安宅和人(2010)『イシューからはじめよ』英治出版株式会社pp.25
イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」←click!ひらめきAmazonロゴ小

 論点を外したミーティング、会議、打合せの効果は0以下です。
 0以下とは、効果がマイナス、つまり何の益にもならない、むしろ害を及ぼす、開催しない方がよい、ミーティング
や会議、打合せの発生に論点のズレが関与することを意味しています。
 的を射ていない戦略で熾烈な競争環境下を生き残れるはずもありません。
 論点を見極める(外さない)
 リーダー、マネジャーの重要な責務の一つです。
 とはいえ、論点を見極める(論点を外さない)ことは容易ではありません。

 論点思考がむずかしいのは、論点候補が無数に存在し、その中からこれはと思う論点を見つけて深掘りしなくて
はならないこともあるが、それに加えて、論点が動くからである。

 なぜ動くかといえば、それは、
@論点は人によって異なる
A環境とともに変化する
B論点は進化する
からである。

内田和成(2010)『論点思考』東洋経済新報社pp.67-68
論点思考 ←click!ひらめきAmazonロゴ小

「なんちゃってイシュー」を、 Big Issue と勘違いする時があります。注意する必要があります。
 世に言うフリーライダーなど、無意識に、あるいは確信犯的に、なんちゃってイシュー”を、あたかも Big Issue 
のようにすり替える
方がいます(どうでもいい問題を解く)。

 実は、世の中で問題だと言われているもの、調べてみようと思うことの大多数は、今、本当のところは答えを出
す必要がないものだ。そうした「なんちゃってイシュー」に惑わされないことが大切だ。
安宅和人(2010)『イシューからはじめよ』英治出版pp.59

 ”なんちゃってイシュー化”を先生は矮小化と呼んでいたのだと思います。
 http://www.kkkiduki.jp/article/14646087.html 

 互いの論点の違いについて率直にコミュニケーションすることが難しい(互いに自身の論点に固執する)状況に
陥ることもあります。
 エネルギーや時間は限られています
 熾烈な競争環境下において勝ち残るためには、戦略は的を射なければなりません
 リーダー、マネジャーは、ミーティング、会議の議題や、自身の問題意識の対象が、そもそもBig Issue であるか
どうか
について、そして
 Big Issue に力を注ぐことに、十分過ぎるくらい、注意を払う必要があります。

 今さらですが、気づきました。
 その人物の論点は、その人物そのものであると。
 その人物の論点から、その人物の、
●立ち位置や視点
●能力(知識、スキル、態度)、経験の高低・広狭・深浅
●志の有無やその大小
●興味や関心の対象
●思惑、意図
などが推測できます。

 

コラムB 先生のご勇退  思い出『矮小化』

Vol.37  2012年12月9日(日)

 「木下さんは話しを矮小化している」
 某社経営会議の席上で、先生(先輩コンサルタント)が、私には一瞥もくれずに、経営トップ、経営幹部を前にし
て、言葉を発しました。
 頭から湯気が立ち上っているようです。
 私が経営コンサルタントとして駆け出したばかりの頃(2001年頃)のことです。
 「何について議論していたのか」「私が何を矮小化したのか」。
 思い出せません。
 気が動転していたのでしょう、
 自宅に帰り、矮小について調べました。

 矮小

 @たけが低く小さいこと。「―な体」
 Aいかにも規模の小さいさま。「問題を―にとらえる」「―化した見方」
 [株式会社岩波書店 広辞苑第五版]


 「拘泥するな」「ちまちまやるな」「大きく捉えよ」「本質を見失うな」「目的をチャンクアップせよ」「枠を外せ」「ごま
かすな」「お茶を濁すな」・・・。
 当時、先生のおかげで、上記のことをあらためて学習(再認識)させてもらいました。
 それ以来、私は常に矮小を意識するようになりました。
 「この話し(問題)はもっと大きな観点から議論すべきではないか?」
 「この話し(問題)はこんな大きな話し(問題)ではない−とるに足らない話(問題)だ−・・・」
 ・・・・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・

 

 つい先日、先生から手紙を頂戴しました。
 「引退いたしき旨申し入れました(経営コンサルタントの第一線を退かれる)」とのこと。
 今の私に関して申しますと、10年前と比較し、「意図して矮小化する(そうしないと心がやりきれなくなる)」ことが
増えました。 
 近々、先生に相談させていただこうかと思っていました。
  「木下さんに教えることはありませんよ」
 先生の手紙は私に優しく語りかけているように思えます。

 10年前の、頭から湯気を立ち上らせている先生の形相を思い出すに、先生が第一線を退かれるのは、もしかす
ると、「”矮小化(するご自分)を先生は許せないから”ではないか?」。
 そんなことを思ったりもします。

 先生からは本当に沢山のことを教えていただきました。
 言葉では言い尽くせません。
 僭越ながら、先生は「余人をもって代えがたい人」でありました。
 謹んで御礼申し上げます。

コラムB ポジティブ感情

Vol.36  2012年11月3日(土)

 早朝、夜が白々と明けようとしている頃、澄みきった空の下、私はある道を歩くことに小さな幸せを感じます。自
宅から駅に向かう途中にある、200メートルほどの、ほぼ直線の道です。道を、自宅に近い方の端から見ると、下
り道が続き、道のほぼ真ん中で底となり、それから上り道となり、そしてその道は終わります(T字に分かれます)。
谷に下り、そして上るような感じです。

  この道の端に立ち、延びる道、澄みわたる空、その空にぽっかり浮かだ月を見ていると、
『スッキリ』、『吸い込まれる』、『広々』、『大きい』、『美しい』、『晴々』、『神々しい』、『突き抜ける』、
『自由』、『未来』、『永遠』、『繰り返し』、『希望』、『楽観(どうにかなるさ)』・・・。
 ポジティブな感情が湧いてきます。
 仕事や自身の考え方、リスクへの万全な対応等が原因で、私はネガティブな感情を抱くことにはこと欠きません。
 ネガティブな感情は重要です。
 しかし、ポジティブな感情を、ネガティブ感情以上にたくさん味わいたいと思っています。
 バーバラ・フレデリクソンはポジティブ感情の種類、効果(ポジティブ感情の拡張形成理論)について以下のように
述べています。

   ポジティブ感情の代表的なものは次の10の感情です。@喜び(Joy)、A感謝(Gratitude)、B安らぎ(Serenity)、
C興味(Interest)、D希望(Hope)、E誇り(Pride)、F愉快(Amusement)、G鼓舞(Inspiration)、H畏敬(Awe)、
I愛(Love)。

バーバラ・フレデリクソン、植木理恵(監)、高橋由紀子(訳)(2010)『ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則』
日本実業出版社pp.72

  ネガティブ感情は「何ができるか?」を考える思考の範囲を狭くしてしまいますが、ポジティブな感情は、それを
広げる働きをする。さまざまな考え方や行動に目を開かせるのです。

バーバラ・フレデリクソン、植木理恵(監)、高橋由紀子(訳)(2010)『ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則』
日本実業出版社pp.46

  危機に臨んだときにネガティブ感情が思考を狭めることは、ある意味、その瞬間を生き延びるために有効でし
た。一方、ポジティブ感情によって広げられた思考は、もっと長い時間尺度において、別の形で有効に作用したの
でしょう。ものの見方が拡張したことは、長期にわたって、祖先たちのリソースを形成するために役立ったのです。
これらの新たなリソースは、祖先たちが、次に出会う危機に対処して生き延びられるよう、そのための新たな準備
として機能したのでしょう。

バーバラ・フレデリクソン、植木理恵(監)、高橋由紀子(訳)(2010)『ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則』
日本実業出版社pp.46 
ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則←click!ひらめきAmazonロゴ小

何か大きなことをやり遂げたり、大きなものを手に入れたりするとポジティブな感情が湧きます。しかし、大きなこ
とをやり遂げたり、大きなものを手に入れたりすることは、そう頻繁に発生するものではありません。また、大きなこ
とをやり遂げたり、大きなものを手に入れたとしても、それで終わりというわけでなく、すぐにまた次の目標が現れます。
 何かをやり遂げたり、大きなものを手に入れた際に私の中で湧き起こるポジティブな感情に、”恒常性(ポジティブ
な感情をいつも味わえる)”や”永続性(ポジティブな感情がずっと続く)”はあまり期待しない方が良いようです。
 日々を楽しく、イキイキを生きる上で、またより質の高い仕事を成功させ”続け”たり、新たなことにチャレンジする
意欲を”持続”したりする上で、”あの道”のように、いつでも、ポジティブな感情を感じることのできる身近なコトや
モノの存在は、大きなことの達成や入手よりも、私にとっては重要であるように感じます。
 職場、組織に少し前まで当たり前に漂っていたポジティブな感情は、今、日本の多くの職場、組織で壊滅的な状
況に陥っているように感じます。

 ギスギスした職場とは、「一人ひとりが利己的で、断絶的で、冷めた関係性が蔓延しており、それがストレスにな
る職場」です。協力性・親和性が高い、血の通った感じがする組織とは逆の職場です。こうした職場では、社員は
孤独感というストレスをもちやすくなります。

 高橋克徳、河合太介、永田稔、渡部幹(2008)『不機嫌な職場−なぜ社員同士で協力できないのか』講談社pp.3
 不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書) ←click!ひらめきAmazonロゴ小


 微力ではありますが、「ポジティブな感情溢れる個・組織を増やす」、「(ひいては)日本をポジティブ感情溢れる国
にする」ために最善を尽くす所存です。

●オープンセミナー・フォーラム
  健康いきいき職場づくりフォーラム  設立記念シンポジウム
      http://www.jpc-net.jp/ikiiki/index.html
  オープンセミナー『ポジティブ・イノベーションの薦め(ポジティブ心理学)』

      http://www.kkkiduki.jp/article/14548513.html
  オープンセミナー『「勝てる組織」づくりのためのライフスキル向上実感セミナー』
    http://www.kkkiduki.jp/article/14604547.html

●ポジティブ心理学の基礎情報
  http://www.kkkiduki.jp/article/14558307.html

●寄稿
 @ ポジティブ心理学を経営に活かし激動の時代を生き抜く!
     http://www.kkkiduki.jp/article/14480362.html
 A ポジティブ感情による創造性の発揮、資源の形成
     http://www.kkkiduki.jp/article/14535659.html
 B 強みを活かし、生産性を高め、繁栄を目指す!
     http://www.kkkiduki.jp/article/14564741.html
 C フロー&レジリエンス
     http://www.kkkiduki.jp/article/14604818.html
 D 幸せが成功に先行する!
     http://www.kkkiduki.jp/article/14645361.html

コラムP 居酒屋 足利市(栃木県)

Vol.35 2012/10/15(月)
足利市駅から徒歩3分に店を構える『居酒屋 安庵・an・an』 。牛すじの煮込み、チヂミ、豆腐サラダ。いずれもリーズナブルな値段で、量があり、美味しい。『泳楽食安』ちーちゃい頃・・・まいんち日が暮れるまで遊んだあの頃を、覚えていますか?自然の中で遊び学んだ山遊びや川遊び・・http://www.howdys.co.jp/shop.cgi?cmd=dp&num=228&dp=

コラムB ヒューマン・アセスメント研修を受講して理解したこと・・・

Vol.34  2012年8月11日(土)

  何年ぶりでしょうか。

 ヒューマン・アセスメント研修を受講しました。

 自身の能力開発が受講の目的です。


 取り巻く環境の変化と相まって、「自身が果たすべき役割や責任が大きく変化する時期にきているのではないか」「その役割や責任を果たす上で、自身の強みや弱みはどう作用するのか(プラスに働くのか、マイナスに働くのか)。あらためて確認、理解すべき時期が訪れているのかも・・・」との直感が働きました。

 この直感が受講の動機です。


 「無意識のセルフイメージをあらためてじっくり確認してみたい」という思いもありました。


 ロールプレイ(部下面接)、インバスケット演習、グループ討議、集団折衝を通じて、直感的に理解した、自身の強みと弱みは、以下のようなものです。


【強み】

  1 慎重、ネガティブ、悲観的 → 万全を期す

  2 (1と同時に)楽観的 −オプティミスト−

  3 的確かつ良識的な判断 −的確、判断、良識的−

  4 向上心(学習意欲)


【弱み】

  5 表現が回りくどい、婉曲的 −率直さ、ストレートさ−

  6 判断の先送り −決断−

  7 覚悟が十分でない −覚悟− 

  8 情報を集め過ぎる

  9 人への配慮が十分でない −思いやり、投げやり− 

 10 (要は、)八方美人的傾向

 

 『その「弱み」を活かして成果を上げることに繋げることができているか?』と自問自答すれば、私の回答はすべてYESです。

 上記の「弱み」は、私にとって必ずしも「弱み」ではないようです。

 「あともう一歩どうにかしたら強みにもなりえる」という感覚に近いものです。

 研修で教えていただいた先生は、弱点や改善点ではなく、”啓発点”という表現をされていました。


 「強み」と「弱み」は『コインの表と裏』と言われます。

 基本的に両立は難しい。


 私はあと一年と半年あまりで50歳になります。

 統合、一体化による両立を目指すこととしました。

 どちらか一方ではなく、どちらとも状況に応じて臨機応変に使いこなせることを目指そうと思います。


  私が一皮むけるポイントは、弱み(強みに近い弱み)に列挙されているものにある。

 そう感じます。

 『覚悟を決めること』

 『リスクテイクすること』

 『ストレート(率直)になること・すること』


 先生からのフィードバック・レポートにも同様のことが記述されていました。
 
 その道のプロの方からのフィードバックです。

 先生は私を観察し、私と同様の思いを感じた。

 安堵しています。

  
 組織にとっても、個人にとっても、大きな環境の変化は、これまでの強みを弱みに転化させるリスクを秘めていいます。

 弱みを強みに転化させるチャンスも秘めています。


 節目や移行期は危機である。でも、危機という漢字を見ればわかるように、節目につきものの危機には、「危険」と「機会」がともに存在する。だから、節目にはイケイケどんどんのままではなく、歩みをしばし止めて、内省する必要がある。淵近く(close to the edge)を走っているときに、危機と知っていて、しばしも歩みを止めないというのは、いかがなものか。危険と機会の両方に目をやるためには、淵ではゆっくりあるかないといけない。
金井壽宏(2002)『働くひとのためのキャリア・デザイン』PHP研究所pp71-72
働くひとのためのキャリア・デザイン (PHP新書)←click!ひらめきAmazonロゴ小

 
 ヒューマン・アセスメント研修の受講を通じてあらためて再認識した自身の強み、弱みを意識し、時局に臨みたいと思います。

コラムB 人格で食っていけるのか? マキャヴェリ的知能と合理性

Vol.33  2012年6月21日(木)

  その日の経営会議では、昇進した経営幹部が担当部門の将来構想を語る
時間が設けられていました。

 若くして抜擢されたH部長が将来構想を語り終えた直後のことです。

 「部長として素晴らしい人格を目指したい?いいことだ。で、それで食ってい
けるのか?」

 社長がおっしゃいました。

 ほんの数秒ですが、沈黙の時が流れました。

 H部長は、社長の問いの真意をはかりかねたのでしょう。


 社長の言葉には省略(された言葉)があったのだろうと思います。

 省略されたのは、「だけ」という言葉です。

 「で、それで食っていけるのか?」は、省略された言葉を補うと、「で、それ”だ
け”で食っていけるのか?」となります。


 また、”食っていけるのか?”はメタファーが使われています。

 社長の言葉「食っていけるのか?」は、メタファーを使わないと、「儲かるの
か?」、「儲かり続けるのか?」、「経営を継続できるのか?」となります。


 多少の飛躍がある可能性をお許しいただき、社長はH部長に次のようなことを

おっしゃりたかったのではないでしょうか。

 「部長として素晴らしい人格を目指したい?いいことだ。で、人格”だけ”で儲か
るのか?人格”だけ”で儲かり続けるのができるのか?儲かり続ける(経営を継
続する)上で、人格以外にも重要なことがあると私は思うが、君はどう考える? 」

 

 儲かり続ける(経営を継続する)上で、人格以外に重要なこと、それは一体何
なのでしょうか。

 人格以外の重要なこと、を考えるためには、「人格とは何か」について押さえて
おく必要があります。

 人格には様々な定義があるかと思いますが、「人格」は、「彼は人格者だ」とい
う使われ方をすることから分かるように、
・思いやりがある
・公平である
・自分を犠牲にして他者のために尽くす
・謙虚である
・感謝の気持ちを常に持っている
・人の気持ちを大切に扱う
など、
「多くの人が好ましいと感じる、価値判断的色彩を含んだ、個人を特徴づける持
続的で一貫した行動様式」
とここでは定義しておきます。

 この人格の定義を前提に、

  「で、人格”だけ”で儲かるのか?人格”だけ”で儲かり続けるのができるのか?
儲かり続ける(経営を継続する)上で、人格以外にも重要なことがあると私は思う
が、君はどう考える? 」

という社長の問いに戻ります。

 儲かり続ける(経営を継続する)上で人格以外の重要なこと、とは何でしょうか。

 

  私がとっさに思い浮かべたのは、次の3つです。

 

  一つ目は、権謀術数的な『マキャヴェリ的知能』です。

  先に「多くの人が好ましいと感じる」のが人格だとしました。
 この反対の、「多くの人が好ましいとは感じない」であろうマキャベリ的知能も、
儲かり続ける(経営を継続する)上では必要です。このことを社長はH部長に考え
て欲しかったのではないでしょうか。

マキャヴェリ的知能  Machiavellian intelligence
バーンとホワイト(Byrne,R.&Whiten,A.1988)は、チンパンジーなどの高等霊長類動
物の集団活動において、連合形成やあざむきなど、生き残るために発揮される様
々な権謀術数的行動を観察した。そこでバーンらは、物理的世界で事物を処理す
る時に発揮されるテクニカルな知能に対し、社会的世界で他の個体(個人)をどう
扱うかに関して発揮される能力のことをマキャヴェリ的知能とよんだ。

中島義明、安藤清志、子安増生他(1999)『心理学辞典』有斐閣 pp.807
『Wikipedia』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%99%E3%83%AA%E7%9A%84%E7%9F%A5%E6%80%A7%E4%BB%AE%E8%AA%AC 

 

 二つ目は、『合理性(論理の法則)』です。

 言うまでもないことで恐縮ですが、合理性(論理の法則)」は儲かり続ける(経営
を継続する)上で大変重要です。戦略論(戦略フレームワーク)、因果や影響を考
える際にベースとなる統計学的基礎知識などについて社長はH部長に「今一度しっ
かり勉強し直せ!」と伝えたかったのではないでしょうか。
 H部長は人情家でもあります。社長は「合理に徹すべき時は徹せよ」「人情と合
理は切り離せ(脱浪花節)」ともおっしゃりたかったのではないでしょうか。

 

  三つ目は、バランス力です。

 何と何のバランスのなのか。儲かり続ける(経営を継続する)上で人格以外の重
要なこととして既に挙げた、『マキャヴェリ的知能』と『合理性(論理の法則)』のバラ
ンスです。

  『マキャヴェリ的知能』と『合理性(論理の法則)』が相乗化される際のリスクを抑
止するために、この両者のバランスをとる力が儲かり続ける(経営を継続する)上
では必要です。

 リスクとは、経営トップ、リーダー、マネジャー等の「マキャヴェリ的知能」と「合理
性(論理の法則)」が組み合わさり、そしてそれらが一体化してひきおこす経営の
暴走です。

  経営の暴走により、儲からなくなるばかりか、経営の存続に著しく困難をきたす状
況を私は間近で多々見てきました。

  「マキャヴェリ的知能』と『合理性(論理の法則)』は互いの力によってその力をよ
り発揮できます。その際、互いの力を過剰に活用し過ぎない(各々の力を発揮し過ぎ
ない)ことが肝要です。この点、微妙なさじ加減が求められます。

  社長は、「マキャヴェリ的知能」と「合理性(論理の法則)」について、この両者が一
体化した場合の恐ろしさ、危険性を、肌身を持ってご存じなのでしょう。 

戦略論とマキャベリズムの相性
戦略論とマキャベリズムの手法は互いに相性が良くて、戦略論を得意とするリーダー
がマキャベリズムを取り入れたり、逆にマキャベリズムの行動パターンの人が「理論
武装」と称して戦略論を振り回し始めると、皆は怖いから社内でまともな議論などでき
ないまま、とんでもない戦略がまかり通るようになる。そのトップがよほど天才的経営
者でもない限り、やがて自作自演のものすごい失敗をしでかしその会社は破綻に至
る。一九八〇年代中頃にマスコミでちやほやされたあと倒産したベンチャー企業の経
営者のほとんどがこのパターンだった。

三枝匡(2003)『経営パワーの危機 会社再建の企業変革ドラマ』日本経済新聞社
pp.389-390
経営パワーの危機―会社再建の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)←click!ひらめきAmazonロゴ小

 ところで、 「マキャヴェリ的知能」と「合理性(論理の法則)」のバランスをとると述べ

ましたが、何がバランスをとるのでしょうか。バランスをとる主体は何なのでしょうか。

   その一つが、「人格の力」ではないでしょうか。

  人格とは、
・思いやりがある
・公平である
・自分を犠牲にして他者のために尽くす
・謙虚である
・感謝の気持ちを常に持っている
・人の気持ちを大切に扱う
など、「多くの人が好ましいと感じる、価値判断的色彩を含んだ、個人を特徴づける持
続的で一貫した行動様式」です。

 (先の定義では述べませんでしたが、人格のバックボーンには、遺伝は当然として、
私は信念や信仰といった、形而上学的な何かが広がっているような気がしています。)

  この「人格の力」が、「マキャヴェリ的知能」と「合理性(論理の法則)」のバランスをと
ることに一役買っています。

 「人格の力」には、「マキャヴェリ的知能」と「合理性(論理の力)」がお互いの力によっ
て過剰に発揮されることをコントロールする役割があるとも言えます。

 

  昇進、昇格やプロジェクトリーダーへの登用等においては様々な任用基準があるか
と思いますが、「マキャヴェリ的知能」と「合理性(論理の法則)」、そして「人格の力」の
3つの基準で考えた場合、他の部長候補者と比べてH部長に明らかに歩があったの
は「人格の力」です。

  「人格の力」を持つH部長であれば、「マキャヴェリ的知能」と「合理性(論理の法則)」
を発揮しつつ、そして両者のバランスをとることもできる(暴走しない)。

 社長は、直感的にこのように考え、H部長を抜擢されたのではないかと推察します。


  科学的実証を踏まえない、私的な見解ですが、「人格の力」、「マキャヴェリ的知能」、
「合理性(論理の法則)」の中で、育成(教育)すること=変化させること、が総じて最も
難しいのが「人格格の力」であるように思えます。

  競争に打ち勝ち、経営を継続するためには、「合理性(論理の法則)」「マキャヴェリ的知
能」をますます発揮しなければなりません。

 「人格の力」の重要性はなお一層の高まりをみせると考えられます。

  だからこそ、「H氏を部長に」という抜擢人事が行われたとも言えます。

 
対極にある二つの人間性

 私の場合は、会社で仕事をし、また研究をする世界ではとことん合理主義であり、絶
対不思議なことは許さない。ところが、一歩会社を離れれば、その対局にある仏の世
界など、精神的な領域も信じられる。問題になるのは、そのように対極にある二つの人
間性がバランスを失っている場合です。仏の世界に没頭し、形而上学的、宗教的なも
のに傾斜すると、それを経営の場に持ち込む人がいます。極端な博愛主義(わけへだ
てのない平等な愛)で指導をするコンサルタントもいるようですが、これはとんでもない
話です。私は経営論においても「利他」の重要性を説いていますが、これにはちゃんと
合理性があるからお話ししているのです。ビジネスの世界では、徹底した合理主義、し
かし、それ以外ではロマンチストであり、形而上学的なことも考えられる人間でなくては
なりません。この両目のバランスがとれていなければ、一流の経営者にはなれないの
です。
稲盛和夫『京セラフィロソフィ』盛和塾事務局pp.230

 

 経営、ビジネスにおいては、「人格の力」が「マキャヴェリ的知能」や「合理性(論理の
法則)」よりも重要、とは私には思えません(言い切れません)。いずれの力・能力も、
経営を担う次代のリーダーやマネジャーにとっては必須なのだと私は思っています。

 プライベートな付き合いであるなら別です。
 「人格の力」が最も重要。そう言い切れますが・・・。

 

【補足】

だけ【丈】 助詞 (副助詞)
(「たけ(丈・長)」から生じた語。タケと清音でも。体言・活用語の連体形を受ける)
@それと限る意。のみ。「彼はそれーが楽しみだ」「2人ーで話す」
A及ぶ限度・限界を示す。「やれるーのことはやる」
Bその身分・事情などに相応する意。「年長者―あって分別がある」
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

メタファー
〔修〕 <隠喩・暗喩>  metaphor
[新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典 株式会社研究社]

隠喩
隠喩法の略。また、隠喩法による表現。暗喩。
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

隠喩法(metaphor)
@ある物を別の物にたとえる語法一般。
A修辞法の一。たとえを用いながら、表現面にはその形式(「如し」「ようだ」等)を出さ
  ない方法。白髪を生じたことを「頭に霜を置く」という類。暗喩法。⇔直喩法。
B修辞法の一。複数の物を内的・外的属性の類似によって同一化する技法。⇔換喩法
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

性格 character
個人を特徴づける持続的で一貫した行動様式を性格という。語源は、ギリシア語で「刻
みつけられたもの」「彫りつけられたもの」を意味することから、基礎的で固定的な面を
さすこともある。人格(パーソナリティ)と同じような意味で用いられることもあるが、習慣
的には、人格が個人が保っている統一性を強調しているのに対し、性格は他者とは違っ
ているという個人差を強調する際によく用いられる。また、人格には価値概念が含まれ
ており、評価された性格が人格であるという見方もある。
中島義明、安藤清志、子安増生他(1999)『心理学辞典』有斐閣 pp.480

パーソナリティ personality
人の、広い意味での行動(具体的な振る舞い、言語表出、思考活動、認知や判断、感情
表出、嫌悪判断など)に時間的・空間的一貫性を与えているもの、 と定義される。似た言
葉に気質(temperament)があるが、この場合は遺伝的な影響の大きいものを想定し
ている。性格(character)との区別は実際のところさほど明確ではないが、character
が「刻みつけられたもの」という意味の言葉から派生し、personalityが「仮面」(ペルソ
ナ persona)という言葉を語源にもつことからわかるように、後者には、比較的変化のあ
る外界との適応のさまを表面的に捉えたものであるという意味がある。なお日本語の「人
格」には「人格者」という言葉があることからわかるように価値判断的色彩が強いので、
学術的にはパーソナリティという表現が好まれる傾向にある。
中島義明、安藤清志、子安増生他(1999)『心理学辞典』有斐閣 pp.686
心理学辞典←click!ひらめきAmazonロゴ小


合理

道理にかなっていること。
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

合理性
@道理にかなっていること。論理の法則にかなっていること。
A行為が無駄なく能率的に行われること。
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

合理主義(rationalism)
一般に理性を重んじ、生活のあらゆる面で合理性を貫こうとする態度。
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

道理
@物事のそうあるべきすじみち。ことわり。「そんなことが許される―がない」
A人の行うべき正しい道。道義。「―にはずれた行為」
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

形而上学(metaphysics)
(元来「自然学の後に置かれた書」(ta meta ta physikaギリシア)の意で、ロドスのアン
ドロニコスがアリストテレスの死後、著書編集の際に、存在の根本原理を論じた書を自
然学書の後に配列したことに由来)
@アリストテレスのいう第一哲学。哲学史・問題集・定義集・実体論・自然神学の5部か
  ら成る。
A現象を超越し、その背後に在るものの真の本質、存在の根本原理、存在そのものを
  純粋思惟により或いは直観によって探究しようとする学問。神・世界・霊魂などがそ
  の主要問題。
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

コラムP 娘をやるわけにはいかない 直感と理性の二つのツール

Vol.32  2012年4月30日(月)
 
「この先どうなるか分から者に娘をやるわけにはいかない」。13年前、妻の実家で、お父さん(妻の実父)から言
われました。
当時私は、勤めていたコカ・コーラウェストジャパン(※)を数カ月後に退職することを、また退職後は、
生産性本部が開催している経営コンサルタント養成講座(※)を受講することを決めていました。
 
※コカ・コーラウェストジャパン
   http://www.ccwest.co.jp/
 ※経営コンサルタント養成講座

   http://consul.jpc-net.jp/mc/kouza/index.html

 経営コンサルタント養成講座を受講した後、つまり一年後に
何をするか?何ができるか?何をしたいのか?何を
やるべきか?
はたして稼げるのか(妻子に不自由なく生活してもらえるか)?
 今思い起こせば冷や汗ものなのですが、当時は、さしたる根拠も、確信もないにもかかわらず「どうにかなる!」
楽観していたように思います。

 
「この先どうなるか分から者に娘をやるわけにはいかない」。
 お父さんの言い分はもっともです。
  ・ 
  ・
  ・
 ずっと黙っていたお母さん(妻の実母)が、口を開きました。
 「お父さん、(耕二さんの人生は)楽しそうじゃないの」
 「お父さん、お父さんの人生、楽しかった?お父さんと(私と)の人生は楽しかった?」
  ・
  ・
  ・
 「苦労ばっかりだった・・・」
  ・
  ・
  ・
 「楽しくなかった・・・」
  ・
  ・
  ・
 「(耕二さんと妻の人生は)楽しそうじゃない!」
 
 ・
  ・
  ・
 お父さんの(そして私の)思考はストップし、発する言葉を見つけることができません。
 お父さんは(私も)、理性的です。
 お母さんは、直感的です。

 「直感」と「理性」の二つのツール(シーナ・アイエンガー)。
 子供(私の妻)の結婚について、お父さんとお母さんの二人は、お父さんは「理性」というツールを、お母さんは
直感」というツールを、二人で異なるツールをバランスよく活かして、意思決定していただきました。

 
この10年、私は「理性」で考え抜き最後は「直感」で、あるいは「直感」を起点に「理性」で徹底に検証して結局
最後
は「直感」で重大事について決めてきました。お母さんから直感の凄さと理性の限界を突き付けられたこの時
の経験に私はもしかするととてつもなく大きな影響を受けているのかもしれません。

 お母さんのおかげで、私は妻と一緒になることをお父さんから許されました。
 お母さんには一生頭が上がりません。

 時々、あの時の情景を思い起こし、お父さんには申し訳なく思います。

 5日前、お父さんは他界しました。
病に伏しているお母さんを病院へ見舞いに行く途中の交通事故でした。
 妻はお父さんの遺品を整理しながらお父さんのズボンのすそがテープで留めてある状態を見て涙していました。 

 合掌

コラムP ヒューゴの不思議な発明 子供は私を弱い人間にした・・・

Vol.31  2012年3月6日(火)

 映画「ヒューゴの不思議な発明」の主人公ヒューゴ・カブレ(エイサ・バターフィールド)と私の子供の年齢はほぼ
同じです。映画を見ながら、ヒューゴが私の子供と重なりました。 ヒューゴが危機に遭遇するたびに、心配で心配
でしかたありません。
心臓の鼓動が聞こえてくるようです。ヒューゴの姿からけなげさを(敏感に)感じます。泣くよう
な場面ではないのに何度も泣きました。
 十数年前子供が生まれて、私は(生まれて初めて)「”ずっと”まじめに働こう」と
意を固めました。はじめて人生の
戦略を考えました。いろいろな点、意味で、覚悟
が固まり、少しは強くなったように思います。
 映画「ヒューゴの不思議な発明」を見ながらあらためて思いました。 「子供は私を強くしてくた」。
 同時に、子供は私を過度な心配症に、悲観的な人間に、したようです。日本について、その将来の不透明感や
不安を感じつつ、子供の健康や行く末な
どを考えると、子供のことが心配で心配でならなくなる時があります。
 子供は私を弱い人間にもしたのです。
 そういえば、母は弱かった・・・。
母はいつも私のことを心配していました。母が弱かったのは、私(子供)がいたか
らではないか・・・
そんなことをふと思います。

 東大を退職した社会学者上野千鶴子さんが特別(最終)講義。「超高齢化社会が
来てよかったと思っている。か
つて強者であった人も、最後には誰かに支えてもら
わないと自分の生を全うできない。強者も、自分が弱者になる
可能性を想像しなけ
ればならない社会だから」
  天声人語(2011/7/31)朝日新聞より

 小学生の子供も、年老いた父も、昨年春急逝した母も、今が絶好のタイミングと、人の弱さ脆さ(フラジャイル)
を私に教えてくれているのでしょう。
弱さ、脆さの学習は、私にとって、48歳という”今”の発達課題であり、この発
課題を乗り越えると、次の新たなステージに上がれる、進めるような気もしています。

 経営、マネジメントの任を担う方は、総じて、比較的に、強者です。経営、マネジメントの任を担う、強者の方は、
ともにこの世の中を構成している弱者の視点・立場・気持ちを、人生のある時点で学習することが、自身のリー
ダーシップ力
マネジメント力の幅を広め、奥行きを深める上で、有益ではないかと私は思います。

脆い
@こわれやすい。くだけやすい。「―・い刃」「―・くも初戦で敗れた」
A感じやすく、すぐ心を動かされるたちである。「情に―・い人」
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

スタッフ
 監督・製作:マーティン・スコセッシ
 原作「ユゴーの不思議な発明」:ブライアン・セルズニック

キャスト
 ヒューゴ・カブレ:エイサ・バターフィールド
 イザベル:クロエ・グレース・モレッツ
 パパ・ジョルジュ/ジョルジュ・メリエス:ベン・キングズレー
 鉄道公安官:サシャ・バロン・コーエン
 ママ・ジャンヌ:ヘレン・マックロリー
 ヒューゴの父:ジュード・ロウ

コラムB ヒューゴの不思議な発明 没頭(フロー経験)

Vol.30  2012年3月4日(日)

 母を亡くし、そして父も亡くし、酔いどれのおじと駅の時計台で暮らすヒューゴにとっ

の生きる糧は、父が生前心ときめかせた、精巧な、壊れた機械人形です。

 いえ、ヒューゴの生きる糧は、壊れた機械人形(というモノ)ではなく、その壊れた機
人形を”修理する”という行為です。

 修理という行為にヒューゴは没頭しました。修理という行為に没頭することによって、
ヒューゴは一時の間、日々の無力感ややりきれなさ、寂しさをから遠ざかることができ
たのではないでしょうか。没頭がヒューゴのモチベーションの崩壊
食い止めたのでは
ないでしょうか。

 ヒューゴの没頭ぶりを見ながら、フロー経験について考えていました。

 フロー経験 flow experience :楽しさの一側面であり、ある行為に全人的に没入して
る時に感じる包括的感覚のこと。熱中している時に感じる状態の感覚チクセントミハ

(Csikszentmihalyi)の内発的動機づけ研究において提唱された用語であり、その特性
して、行為と意識の融合注意の集中自我の喪失環境を支配している感情自己目
などが上げられる。スポーツ、ゲームなどの内発的動機づけに基づいた行動の中で
経験
されることが多い。
 中島義明他(編)(1999)『心理学辞典』有斐閣pp.764

 フロー経験(flow experience)には、次の特徴がある。(1)行為と意識の融合、(2)
された刺激領域への注意の集中、(3)自我の喪失や忘却、および世界との融合感
(4)自分
の行為や環境を自ら支配できているという感覚、(5)首尾一貫した矛盾のない行
為が必要
とされ、そこに明確なフィードバックがあること、(6)自己目的的、つまり他の目的
や外
発的報酬のためにそれをしているのではないこと。
 経営行動科学学会(編)(2011)『経営行動科学ハンドブック』中央経済社pp.240
 
経営行動科学ハンドブック←click!ひらめきAmazonロゴ小

 昨今、没頭することを妨げる要因が増えたように思います。
 ・仕事の種類、量の増大。
 ・検索、メール、携帯電話(スマホ)、フェイスブック、ツイッター等による仕事の中断、
  アクセビリティの向上。
 ・情報過多。

 そもそも、多くのリーダー、マネジャーは、その理想とは大きくかけ離れ、多忙を極め
没頭できる(フロー状態に入れる)状況にないと言われています。

 マネジャーの活動には、短時間多様性断片的、という特徴がある。その大部分は
に短時間で、職長は秒単位、経営者でも分単位。行われるべき活動の多様性は大き
く、連
続して起こる活動の間にはパターンはない。結果として起こることに些細な利害関
係でも
あれば、マネジャーはすばやく頻繁に気分転換しなければならない。一般的に、
マネジャ
ーの仕事は断片的で、中断されるのはあたりまえのことである。
 ヘンリー・ミンツバーグ(著)/奥村哲史、須貝栄(訳)(1993)『マネジャーの仕事』白桃
 
書房pp.85
マネジャーの仕事←click! ひらめきAmazonロゴ小

 自身の、組織構成員のモチベーションを高め、高いパフォーマンスを創出する等の点か
ら、経営者、リーダー、マネジャーにとって、「没頭できる環境を作る(ゾーンに入る)」とい
う能力の重
要性がより高まっています。
 ・自分自身が没頭する。没頭できる環境を作る。
 ・部下、仲間が没頭できる環境を作る。

 「瞑想力」「断る(勝間和代)」なども、具体的に、状況に応じて、効果的に発揮する
には相当の修練が必要なのでしょうが、「没頭する。没頭できる環境を作る」ための能力
です。

 

スタッフ
 監督・製作:マーティン・スコセッシ
 原作「ユゴーの不思議な発明」:ブライアン・セルズニック

キャスト
 ヒューゴ・カブレ:エイサ・バターフィールド
 イザベル:クロエ・グレース・モレッツ
 パパ・ジョルジュ/ジョルジュ・メリエス:ベン・キングズレー
 鉄道公安官:サシャ・バロン・コーエン
 ママ・ジャンヌ:ヘレン・マックロリー
 ヒューゴの父:ジュード・ロウ

コラムB 映画『ヒューゴの不思議な発明』 目的は何かしら・・・

Vol.29  2012年3月3日(土)

 「私の(生まれてきた)目的は何かしら」と悲しげにつぶやくイザベル。

 イザベルは(おそらく第一次世界大戦で)両親を失っています。

 ヒューゴが語りかけます。
 「(母を失い、そして)父さんを失った後、この時計台から街(1930年代の
フランス)を見ていると、世界が一つの機械のように思えた。機械には目的が
る。機械には不要な部品は一つもない(部品一つひとつに目的がある)。僕
何かの目的を持って生まれて
きたはずだ。君にも必ず生まれてきた目的が
あるはず」。
 ※以上、あくまで私が映画を見た時の記憶に基づく台詞です・・・。

 ヒューゴの父が心ときめかせた、壊れた機械人形は、ヒューゴにとっては父
の形見のような存在です。なんとしても、壊れている機械人形をヒューゴは直
したい。命を吹き込みたい。

 ヒューゴは修理に成功します。

 その機械人形が描いた絵は・・・。

 ヒューゴが修理した機械人形は、描いた絵を通じて、第一次世界大戦で、キャ
リアと希望、そして尊厳を失った初老の伝説の映画監督(パパ・ジョルジュ/ジョ
ルジュ・メリエス)とその妻(ママ・ジャンヌ)、2人に引き取られ育てられている少
女(イザベル)、片足を失った鉄道公安官、兄を失った花屋の女性・・・、そして、
なによりヒューゴ自身に生きる目的を与えるという奇跡を起こします。

 生まれてきた目的、生きる目的、働く目的、稼ぐ目的・・・。
 目的はあるか、否か。
 あるとしたらどのような目的か。

 深い問いですね。

 経営者やそれに準ずる要職にある方々から、様々な経営活動について、その
目的や意味を問われることがあります。


 正直、「そんなことちょっと真剣に考えれば分かるでしょう」「それを考えるのが、
そしてそれを社内に発信するのが、あなたの仕事でしょう」と言いたい衝動にか
られることが多いのですが、その衝動にグッとブレーキをかけることが大半です
(「真剣に考えれば分かるでしょう」等と申し上げることも少なからずあります)。

 それの目的や意味には、唯一無二の正解はない(ことが多い)。
 それの目的や意味は様々である。
 自身の信念、価値観を信じて、それの目的や意味は、いずれかから選択するし
かない。

 「目的や意味を教えて欲しい。(間違っていないか)確認したい」と問うのは、「目
的や意味に正解がある」と思っていたり、自身の信念や価値観に自信が持ててい
なかったりする状況であるのかもしれません。

 これまでやってきたことを止める。
 やろうと考えていることを止める。
 「止めると、困ったり、落胆したり、文句を言ったりする人(含、自分)や組織はい
らっしゃいますか?ありますか?
 「いる、あるのであれば、”それ”には何がしかの目的や意味があるのではない
でしょうか」
 ※それ=生きる、働く、稼ぐ・・・

 目的や意味を問われた際に、このようなやり取りをすることがあります。

 目的や意味を見出すには想像力や経験、知識が必要な時があります。

 目的や意味を求めて彷徨う人は、想像力を発揮していなかったり、経験や知識
が十分でない可能性があります。
 イザベラが 「私の(生まれてきた)目的は何かしら」とつぶやくのはいたしかた
ありません。彼女は幼く、経験、知識が圧倒的に不足しています。

 目的や意味が見出せないことでモチベーションが高まらない、その結果として十
分な成果物を作りだせないのであれば、(成果物を手にする)目的や意味を見出
す(明らかにする)ことから、いったん距離を置いた方がいいのかもしれません
目的・意味を考えることを止めるのです。

 目的・意味を考えることを止める。
 とはいえ、
「目的は大事」「目的からブレイクダウンする(。そして、具体策を決め
る」「目的・ゴールから逆算する。多くの著名人、大家が語っています

 目的を持って始めるということは、目的地をはっきりさせてから旅立つことである。
目的地を知ることで、現在地もさらによく分かるようになるし、いつも正しい方向に
向かって歩み続けることができるようになる。

 スティーブン・R・コヴィー(著)/ジェームス・J・スキナー(訳)(1996)『7つの習慣』
  pp.127-128
 7つの習慣―成功には原則があった!←click! ひらめきAmazonロゴ小

 《三行の経営論》本を読む時は、初めから終わりへと読む。ビジネスの経営はそれ
とは逆だ。終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ。

 ハロルド・S・ジェニーン、A・モスコー(編著)/田中融二(訳)(2004)『プロフェッショ
 ナルマネジャー』pp.34
 
プロフェッショナルマネジャー←click!ひらめきAmazonロゴ小

 新入社員が入社したてに習うものの一つに5W1Hがあります。このうちのWhyは
目的・意味に関する問いです。

 多くの方は、私もその一人なのですが、知らず知らずのうちに、目的を重要に考え
過ぎていたり、目的を過大に評価し過ぎていたりするのかもしれません。

  成果物を手に入れて見出す(分かる)目的・意味も多々あります。

 成果物を手に入れ、当初設定していた目的・意味が、実は適切でなかったことに気
づく
こともあります。

 目的・意味が明らかでないことを、目的・意味に納得できないことを、成果創出のため
のアクションに着手しない、アクションへ心血を注がない”言い訳”にする方もいらしゃい
ます。

 コッターは、企業変革プロセスの初期におけるビジョン(行き先)の発信を、「性急過
ぎる」と懸念しています。

 世界は複雑になり、変動が激しくなっている。小規模な企業や、大企業の小さな部門
が直面する問題ですら、極めて複雑になる。英雄ひとりがすべてを解決できるとは考え
られなくなっている。適切な人材を配置し、困難な仕事に取り組み、協力し合うチーム
必要である。こうしたチームを作ってから(第二段階)、ビジョンの策定に取り組むべきだ
(第三段階)。適切な人材を見いだし、協力して困難な仕事に取り組むようにするには、
危機意識が必要である(第一段階)。

 ジョン・P・コッター、ダン・S・コーエン(著)/高速裕子(訳)(2003)『ジョン・コッターの
 企業変革ノート』pp.50
ジョン・コッターの企業変革ノート←click!ひらめきAmazonロゴ小

 行き先にたどり着くための策を検討するよりも先に、まずは行き先にたどり着く目的・
意味について熟考し、明らかにすることは、はしごのかけ違いを防ぐ、組織構成員の
活動のベクトルを合わせる等の点から極めて有用性に富むことは間違いありません。

 しかし、その行き先、その行き先の目的・意味の明確化、納得にこだわることには
注意を払う
必要があるようです。


映画『ヒューゴの不思議な発明』

スタッフ
 監督・製作:マーティン・スコセッシ
 原作「ユゴーの不思議な発明」:ブライアン・セルズニック

キャスト
 ヒューゴ・カブレ:エイサ・バターフィールド
 イザベル:クロエ・グレース・モレッツ
 パパ・ジョルジュ/ジョルジュ・メリエス:ベン・キングズレー
 鉄道公安官:サシャ・バロン・コーエン
 ママ・ジャンヌ:ヘレン・マックロリー
 ヒューゴの父:ジュード・ロウ

コラムB メルマガ発行再開のお知らせ

Vol.28  2012年3月2日(金)
2ヵ月ほどメルマガの発行を止めておりました。
コラム『メルマガはしばらくの間発行を止めます』
http://www.kkkiduki.jp/article/14229882.html

ご購読登録いただいた方々、申し訳ございませんでした。

本日よりメルマガの発行を再開いたします。

メルマガの発行は不定期です。
仕事の繁閑等、いかんともしがたい事情によるものでありますことから、ご了承ください。

よろしくお願いいたします。

コラムB 研修体系の見直し 研修に「錦の御旗」を立てる

Vol.27  2012年2月23日(木)


 「研修体系作ってもらえませんか」

 「研修体系を一緒に見直してもらえないでしょうか」

 そんな相談を受けることがあります。

 

 研修体系とは、ここでは、以下のように定義しておきます。

 『個々別々の研修(Off-JT)同士が、また個々別々の研修(Off-JT)とそれら
研修(Off-
JT)の全体像が、論理的に関係づけられている研修(Off-JT)の
全体像
 『個々別々の研修(Off-JT)を系統的に統一して表している研修(Off-JT)の
全体像』
 ※これらの定義は私の定義です(学術的な定義ではございません)。

 私がよく拝見する研修体系は、
縦軸に、等級、グレード、役職などが並び、
横軸に、コース、職種、部署などが並び、
縦軸と横軸の交差するボックスに
研修名称が記載されているという様式のものです。

 例えば、以下のようなものです。
 ---------------------------------------------
| 等級| コースA | コースB | コースC |   
 ---------------------------------------------    
|  5  | 研修A5 | 研修B5 | 研修C5 |
 ---------------------------------------------
|  4 | 研修A4 | 研修B4 | 研修C4 |
 ---------------------------------------------
|  3 | 研修A3 | 研修B3 | 研修C3 |
 ---------------------------------------------
|  2 | 研修A2 | 研修B2 | 研修C2 |
 ---------------------------------------------
|  1 | 研修A1 | 研修B1 | 研修C1 |
 -------------------------------------------------

 この場合、個々別々の研修同士の関係、また個々別々の研修とそれらの研
修の全体像の関係
に論理性を与えているのは、縦軸(等級)と横軸(コース)で
す。

 このような様式で個々別々の研修を系統的に統一し整理して表すことにより、
どの等級、グ
レード、役職の方々は、どのような研修を受講する必要があるのか
が一目瞭然となります(例
えば、コースAの5等級の方々は、研修A5を受講す
る必要があることがわかります)。

 上記の表では、縦軸と横軸が交差するボックスに研修名称(例:研修A5)を入
れています


 この研修名称よりも先にこの交差するボックスに入れる必要のあるものがあり
ます。

 それは、
期待する人材像
期待する役割
期待する能力(知識、スキル・技能、態度等)
評価項目
等です。

 「期待する人材像」「期待する役割」「期待する能力」「評価項目」等がなかった
り、あまりに不明確であったり
すると、原則として、研修の内容を組み立てること
はでき
ません(当然、研修名称は付けられません)。

 

 「研修体系を作ってもらえませんか」
 「研修体系を一緒に見直してもらえないでしょうか」

 研修体系の作り方にはいろいろあるのでしょうが、上記のような相談を受けた
際の私の打ち手は、大きくは以下の4つに分けられます。


 @ 縦軸−等級、グレード、役職など−、横軸−職種・職群、部署、コースなど−
       を見直す
〜人材のセグメントの見直し〜

 A 「期待する人材像」「期待するスキル・技能」「評価項目」等を見直す

 B 「「期待する人材像」「期待する役割」「期待する能力」「評価項目」」等と研
      修内容
をフィットさせる

 C 個々別々の研修の予算配分を見直す

 上記の@〜Cに関して私(ども)の主たるご支援パターンは以下の通りです。
 @→A→B→C ※@からA、AからB、BからCと順にご支援する。
 @→A→B

 @→A
 A→B→C
 A→B
 B→C
 Bのみ

 私の限られた経験からではありますが、最近は、「B→C」のご支援を依頼さ
れるケースが多いように思
います。「@、Aは現状のままでよい。あるいは、自
分たちで見直す。BおよびCをお願いし
たい」というご依頼です。

 Bは、実は、盲点のように感じています。 

 「「期待する人材像」「期待する役割」「期待する能力」「評価項目」」等と研修内
容はフ
ィットしていて当たり前です。しかし、意外にも、フィットしていない状況が多
々あり
ます。

 
フィットしていることを(強く)実感できていない人材育成担当者の方が思いの
か多いようにも感じます。

 研修には、いえ研修に限らず、あらゆる経営活動には基本的には目的、大義が
必要です。
研修に目的や大義を付与する、研修に「錦の御旗」を立てる上で、B
は極めて重要であると私
は認識しています。

 ご支援を求められるクライアント様には様々な事情があります。

 上記のようないろいろなパターンでクライアント様の研修体系最適化に向けてお
手伝いをさ
せていただく、クライアント様の様々な事情に応えることが人材育成の
仕事では大事だと私は思
っています。

コラムB 学習に関する責任の所在 発達の必須マインド

Vol.26  2012年2月20日(月)

 「この研修は役に立たないですね」
 「研修(の内容)は活かせませんね」

 こんな研修受講者の声を聞くことがあります。

 「このクソ忙しい中、こんなこと(研修)で呼び出すなよ」
 「役に立たない研修に、こんなに金をかける必要があるのか」

 批判が聞こえてくることもあります。

 基本的に忙しく、また豊富な経験や様々な信念、目的を有していることなどか
ら、それなり
の心持ち、環境が整わないと、また相応の教えられ方でないと、
修(学習)に身が入らないビジネ
スマンが多いのは、
当然と言えば当然です。

 成人は、多くの固定した思考の習慣やパターンを有しており、この点ではあま
り開放的では
ない
 マルカム・ノールズ(著)/堀薫夫、三輪建二(監訳)(2002)『成人教育の現代
 的実践−ペタ
ゴジーからアンドラゴジーへ−』鳳書房pp.50
成人教育の現代的実践―ベダゴジーからアンドラゴジーへ←click! ひらめきAmazonロゴ小

 成人は多くの学習に対して、応用の即時性(immediacy of application)という
枠組みをも
つ傾向にある。彼らは、多くの場合、現在の自分の生活状況におい
て感じているプレッシャー
への対応という形で、学習に参加する。成人にとって
教育とは、自分が現在直面している生活
上の問題に取り組む能力を向上させ
るプロセスなのである。彼らはしたがって、問題解決中心
な(problem-centered)、
あるいは課題達成中心的な(performance-centered)精神の枠組み
をもって
教育活動に参加するといえる。

 マルカム・ノールズ(著)/堀薫夫、三輪建二(監訳)(2002)『成人教育の現代
 的実践−ペタ
ゴジーからアンドラゴジーへ−』鳳書房pp.56

 ビジネスマン(成人)に人材育成サービスを提供するにあたっては、彼らの
持ちや環境に配慮しそれらを
整える、また彼らの経験を活かす方向でカリキュ
ラムを組み立てる教え方に工夫を凝らす

 当然のことです。

 この考えを大前提に、以下、話を進めます。

 繰り返しますが、 ビジネスマン(成人)に人材育成サービスを提供するにあたっ
ては、彼らの
持ちや環境に配慮しそれらを整える、また彼らの経験を活かす
方向でカリキュラムを組み立てる教え方に工夫を凝らす。当然です。

 とはいえ、言うは易し行うは難しです。

 例えば、研修の内容が「実利的であるか否か」「やりたいとことなどと関係して
いるか否か
」「自分の目的に合致しているか否か」。
 判断は、受講者、研修事務局、サービス提供事業者、受講者の上司等の主観
に依ります

 「研修の内容は受講者にとって役に立つ」「研修で学ぶことは受講者の重要な
仕事と関連し
ている」と研修事務局、受講者の上司、サービス提供事業者等が
認識していたとしても、受講
者本人がそのように認識しない限り、この研修は受
講者にとって身の入る「大人の学習」では
なくなるのです。

 「(研修は)自分(受講者)にとって役立つ
 「(研修は)いずれ自分(受講者)がやりたいとことと結びつく

 人材育成(研修)サービスを提供する者は、どこまで受講者を説得したり、理
解を促したり
する必要があるのでしょうか。どの程度まで配慮せねばならないの
でしょうか

 学習に関する責任の所在はどこにあるのでしょうか。
 だれが学習の責任を持つべきなのでしょうか。

 「木下さん、私は受講者に過剰なサービスを提供するつもりはありません。
甘やかすつもりもありません

 「研修が役立つがどうかは受講者の主観次第です」
 「研修が役立つとか役に立たないかは受講者が決める(受講者が責任を負
う)
ことです
」。
 「このような学習に関する覚悟も受講者には必要ではないでしょうか」
 「昨今の受講者の中には甘え過ぎている者もいます」
 「私がやるべきことは、組織が期待する人材の育成に少しでも貢献できるよ
う最善を尽くすことのみです」
 「私の顧客は組織です。」
 「受講者の声・評価はもちろん大切です。しかし、最優先すべきものではあ
りません

 某大手企業の研修担当者(A氏)が、静かに、しかし決意を持ったような眼
差しで、正面から、私に語ったことがあります


 A氏の考えに私は共感する点もあります。

 組織が大きな変革の舵を切りつつある状況下で、他の様々な経営施策の
一環として、他の様々な経営施策と連動する形で展開される人材育成施策
(研修)などは、受講者にかなりのストレスをかけ、また将来を見通した、能
動的な受講者からしか肯定的に評価されないようなことがあります。

 自律したビジネスマン
 こんな言葉が登場し久しく時が流れました。

 以前のコラム「スパルタ的な育て ギリギリの時点で、最小限の・・・」におい
て私は次の
ような考えを述べました。
 http://www.kkkiduki.jp/article/14158195.html

 ●「スパルタ的な育て」の危険さ、難しさを前提としながらも、「育て」において、
  スパル
タ的要素は必要不可欠。
 ●人材育成に責任を負う者は、「ギリギリの時点で」、「最小限の」 支援を与
  えるという
スパルタ的な基本的な姿勢・マインドを決して忘れてはならない。

 @学びが役立つがどうかは、基本的には、自分(受講者)の主観次第で
  ある。

 A学びを役立てるか役立てられないかは、基本的には、自分(受講者)
   が責
任を負う


 B人材育成責任者・担当者にとって受講者の声・評価は大切。しかし、
   最優先すべきものではない(良い意味でのプロダクトアウト志向)。


 このような考えのスタンスで人材育成サービスの内容を検討したり、人材育
成サービスを提供したりする方が、その組織、場の状況によりフィットする人
材育成サービスとなるケースも多々あるように感じます。


 
上記の考え@、Aは、自律したビジネスマンになる上で、自律したビジネス
マンである
ための、発達に関する必須のマインドのよう
に、私には思えます。

 将来の不透明感が増す中、職場には組織間や世代間の価値観・コミュニ
ケーションのギャップ、あつれきがあったり、言うことだけ言って責任をとらない
フリーライダーがいたりなど、理不尽なことも多い。そんないろいろなこと
に文句を言いたい気持ち、分らなくもありません。いえ、もの凄く分かります。 


 「この研修は役に立たないですね」
 「研修(の内容)は活かせませんね」
 これらの発言も、いろいろ言いたい文句の一つなのかもしれません。
 こう発言する気持ち、心情に思いをはせると、発言する方を取り巻く環境へ
の影響について自分の非力さを感じることも多く、申し訳ない気持ちで一杯
にもなることが多々あります。

 しかし、あえて申せば、自律したビジネスマンであるためには、また組織から
将来を嘱望され、またその嘱望に応えるつもりが少しでもある、例えば、次期
経営者候補次期リーダー候補にとっては、能力(知識、スキル・技能、態度)
の発達を維持・加速する上で、上記の考え@、Aを学びに取り組むベースとし
て有していることが極めて重要なことのように私には思えます。

 上記の考え@〜Bに対して「私も同じ考えだ」と表明する人材育成責任者・
担当者、人材育成サービス事業
者には、より大きな「人材育成サービスのクオ
リティに係る責任」が課せられます。

 
上記の考え@〜Bに対する態度は、人材育成サービスのクオリティの提供
に係る覚悟の度合いを測
る目安になるよう
にも思います。

 

 クオリティ
 クオリティの語源の「クオリス」とは物事の本質や性質を意味しています。
クオリティが高いという意味は、その本質や性質が目的に合致していること
を意味しているのです。しかし、私たちはとかく自分勝手に都合よく目的を
決めて、それに合致しているから「良いものだ」と決めつけてしまうことが多
々あります。いわゆるプロダクトアウトといわれるものです。経営品質向上
プログラムでは、目的はすべてお客様の価値ということにおいていますので、
「顧客から見たクオリティ」という言葉を用いているのです。ここで重要なこと
は、目的に合致しているということがクオリティの高さを決定するわけですか
ら、同じ目的をもったお客様をきちんと見極めることが大前提になります。す
べてのお客様にとって合致することや、すべての状況で合致することではあ
りません。
 経営品質協議会(2009)『2009年版 経営品質向上プログラム アセスメントガイド
 ブック』pp.15
経営品質向上プログラム アセスメントガイドブック〈2010年度版〉←click!ひらめきAmazonロゴ小

 共感 sympathy
 他人の体験する感情や心的状態、あるいは人の主張などを、自分も全く
同じように感じたり理
解したりすること。同感。「―を覚える」「―を呼ぶ」
 [株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

 自律
 @自分で自分の行為を規制すること。外部からの制御から脱して、自身
   の立てた規範に従って
行動すること。
 
A〔哲〕(Autonomieドイツ)
  ア)カントの倫理思想において根本をなす観念。すなわち実践理性が理
    性以外の外的権威や自
然的欲望には拘束されず、自ら普遍的道徳法
      を立ててこれに従うこと。

   イ)一般に、何らかの文化領域が他のものの手段でなく、それ自体のうち
      に独立の目的・意義
・価値を持つこと。←→他律。
  [株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

コラムP 耕二、おまえ、根なし草になったらダメだぞ・・・ デラシネ

Vol.25  2012年2月7日(火)

 「耕二、あまえ、根なし草になったらダメだぞ・・・」。
 12年前故郷の福岡を離れ上京する際、大学時代の恩師から言われました。

 
ピンときませんでした。
 言葉の意味が分かりませんでした。

 いや、むしろ、反発の感情を抱いたように記憶しています。
 「どこに行ったって、どこに居ても、自分は自分だ」と。

 母が急逝し、父は新居に引っ越しました。
 私が4歳から34歳まで育った家は売却します。

 「帰る場がなくなった・・・」

 恩師の言葉の意味を、今初めて、実感しています。

 経験しないと分からないことだらけです・・・。

 「私たちの世界は経験しないと分らない(理解できない)ことが多い・・・」。
 「だから豊富に経験した方がいい」」。
 わが子にはしっかり伝えていきたいですね・・・。

 
デラシネ【deracineフランス】
 故郷喪失者。根なし草。
 [株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

コラムP 粉雪(エピソード記憶) 母に会いたくなりました・・・

Vol.24  2012年2月2日(木)

 昨日から琵琶湖の近くで仕事をしています。
 今日は朝から雪が降っていました。

 ここ数日、日本列島はすっぽりと冷蔵庫に入ったような寒さです。
 日本海側の地域は平成18年以来の大雪警報が出ています。

 湖畔の木々は舞い散る粉雪をただただ受けるだけです。
 身が凍える思いです。

 粉雪を見ていましたら、4歳頃まで住んでいた門司(福岡県北九州市)の家
のことを思い出しました。 「ALWAYS 三丁目の夕日」に登場するような、狭く
て、隣の家の物音が聞こえてくる、ネズミが走り回る、木造の、そんな家です。

 風呂は父が薪をくべて沸かしていました。
 練炭の火鉢がありました。

 今日のような粉雪がよく降っていたように記憶しています。

 父と母が喧嘩して、母が投げつけたスリッパがガラス窓を割ったことがあり
ました。

 母が私を連れて家を飛び出したこともありました。飛び出したといっても
貨店に行っただけです。家に帰ると家の前で父が
心配そうな顔をして立って
いました。

 「きのしたさ〜ん」
 病院で名前を呼ばれると私は脱兎のごとく待合室から逃げ出していました。
 看護婦さんや母に捕まえられることは分かっているのですが。

 すべてが暖かな記憶です。


 久方ぶりに、母に会いたくて、会いたくて、しかたないです。
 叶わぬことです・・・。

 もうすぐ50になろうかという大人が仕事場で泣いては話になりません。
 こらえました。

  一人暮らしに慣れてきた父に週末にでも電話してみようかと思います。


 粉雪が私を、いっときの間、若かりし父、母に会わせてくれました。


 エピソード記憶は人生を豊かにしてくれます。

 人材育成、部下指導、ストーリーテリングなどビジネスの様々な点からも、
エピソード記憶は重要なキーワードです。



エピソード記憶
 個人が過去において体験したユニークで、日付のある、具体的な知識に
関する記憶である。「昨日の昼食でうどんを食べた」「小学5年生のときに、
遠足で淡路島に行った」といった内容の記憶をエピソード記憶と呼ぶ。エピ
ソード記憶は、一般に特定の状況で起きた出来事ないしエピソードの記憶
である。
日本教育工学会編(2000)『教育工学事典』実教出版 pp.135
 
教育工学事典←click! ひらめきAmazonロゴ小

エピソード記憶
 
時空間的に定位された自己の経験に関する記憶のことをいう。「いつ」「ど
こで」という問いに答えられるような記憶のことで、「昨晩はカレーライスを食
べた」とか「高校時代に北海道に旅行した」とかいう記憶である。伝統的な
実験室的記憶実験で、単語を呈示し、それを再認法や再生法で測定する場
合の記憶も、その単語を見たということを想起しているので、エピソード記憶
という。エピソード記憶に対して、教科書・百科辞典・辞書などに書いてある
知識の記憶を意味記憶という。これらの知識は獲得された時には、いつ、ど
こで、どのようにしてその知識を得たというエピソード記憶であったと考えら
れるが、その後、意味記憶化したと考えられる。同様に、自分の経験したこ
とでも、何十年も昔のことは、エピソード記憶ではなく自己に関する知識とし
て記憶していることでもあり、この場合は、自分の経験でも意味記憶である。

中島義明、安藤清志、子安増生他(1999)『心理学辞典』有斐閣 pp.69
心理学辞典←click!ひらめきAmazonロゴ小

エピソード記憶
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%94%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%89%E8%A8%98%E6%86%B6

コラムB コラム ビジネス版とプライベート版の分離

Vol.23  2012年1月28日(土)

 私が木下耕二ラーニングコラムを立ち上げた動機の一つは、大げさな表現で
まことに恐縮ですが、「遺産  legacy 」です。
 コラム「vol.1 インターネットによる情報の発信 今なぜ?」

 http://www.kkkiduki.jp/article/14157979.html


 この「遺産  legacy 」の一つがコラムです。

 このコラムを、コラム「vol.19 死 それは最高の発明・・・」からビジネス版と
プライベート版に2分類しています。

 http://www.kkkiduki.jp/article/14230501.html

 コラムを書きためていくうちに、コラム個々にはいろいろなタイプ、性質等があ
り、コラムという一つの分類に納めておくのはさすがにまとまりが悪くなってきて
いるように感じていました。

 「子供には遺しておきたい(本ラーニングコラムにアップしたい)コラムだ。しか
し、仕事でお付き合いさせていただいている方々に対しては果たしてどうなの
か・・・」。
 そんな迷いが増えました。

 そこで、コラムをビジネス版コラムとプライベート版コラムに2分類することにし
ました。

 2分類しましたが、どちらにしようか迷うコラムも多々あります。
 例えば、コラム「vol.14 サンタさんお願いします! 素朴理論」です。
 http://www.kkkiduki.jp/article/14220094.html 

 分類に多々迷うのは、私がもともと、「両者(ビジネスとプライベート)を分けて
考えているタイプではない」ことが大きな要因としてあるように思います。

 
 「これってビジネスコラムか?」などと違和感をお持ちになる方々もいらっしゃ
るかと思います。
お許しください。

 今後とも、木下耕二ラーニングコラムをよろしくお願いいたします。

【補足】
分類
@種類によって分けること。類別。「昆虫を―する」
A〔論〕(classification) 区分を徹底的に行い、事物またはその認識を整頓し、
   体系づけること。彙類いるい。

[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

コラムP 地鶏 新狭山(埼玉県)

Vol.22 2012/1/19(木)
仕事で一週間ほど滞在していた新狭山(埼玉県)で見つけた店は 『鳥正』 。埼玉県地鶏のタマシャモ、日向地鶏の焼き鳥、水炊き、どんぶり・・・。店主と女将さんの控え目&的を射たホスピタリティなど、素晴らしい。一緒に仕事をした皆さん、仕事が遅れ連れて行ってやれなくて(自分だけ行って)ごめんなさい。
http://r.tabelog.com/saitama/A1106/A110602/11003148/

コラムB 理論は使い倒す!

vol.21  2012年1月18日(水)

 今から10年ほど前のことです。
 関西にて洋菓子店を展開しているS社の定例ミーティングに同席していた際、
「自分ができないことであっても部下に指示するのが上司の役割だ!」と説い
たO部長に対し「自分ができないことを指示するなんて私にはできない!」と
A課長が喰って掛っていました


 これも今から10年ほど前のことです。
 全国のシティホテルに出店しているK社(サービス業)での経営会議におい
て、●●ホテルか
らの取引中止要請にどう対応しようかとの議論が白熱してい
た時のことです。

「木下さん、●●ホテルから撤退すべきでないことは、私(K社のB営業部長)
にだって分か
っていますよ」
「でもですね、木下さん、分ってますか!●●ホテルは当社との取り引き中止
を決定しているんですよ!!

「今さら、交渉も何もないでしょう(交渉しても無駄だ)!!!」。
 
あらためて交渉の再考を提案する私(木下)に対して、B営業部長はこう
言いました。
 
「だったら、木下さん、交渉してくださいよ!!」


 
O部長はA課長に、私(木下)はB営業部長に、どのようにしていたら影響
を与えることがで
きた(受け入れられた)のでしょうか?

 
この問いへ答えるにあたり参考となりえる理論の一つとして
パワーの源泉(French &
Raven,1959)」があります。

 
この理論によれば、影響の基盤は報酬強制(懲罰)正当準拠(私淑)
専門の5つのタ
イプに分けられます。

報酬
 「BがAに従うことによりBがAから与えられるであろう報酬を認知すること」
 に基づく影響の
基盤  例:アメ
強制(懲罰)
 「BがAに反することによりBがAからあたえられるであろう懲罰を認知する
 こと」に基づく影
響の基盤  例:ムチ
正当
 「AはBにパワーを発揮する正当な権利を持ち、またBはAに従う義務があ
 るとの意識・価値観
」に基づく影響の基盤  例:上司と部下の関係
準拠(私淑)
 「BのAに対する同一視(一体でありたい)」に基づく影響の基盤 
 例:あの人のようになりたい
専門
 「Bが”Aはあることに関して専門能力を有している”と認知すること」に基づ
 く影響の基盤 
 例:●●についてならあの人の右に出る者はいない

 パワーの源泉の理論に基づきO部長と一緒にO部長の日々のマネジメント
やリーダーシップのあり様につ
いて振り返りました。
 
O部長は「強制という影響の基盤が圧倒的に弱い」、「強制という影響の基
盤をもっと
活用できるよう訓練すべき」ということでO部長と合意しました。

 
私(木下)もこの理論に基づき自分を振り返ったところ、「報酬という影響基
盤をもっと意識
して使えばいいのではないか」と気づきました。

 
昨今日本で人材育成のモデルとして注目を集めている経験学習は、
@経験−A内省−B概念化−C実験−以降@〜Cの繰り返し−という一
連のサイクルで構成さ
れます。

 
個人は@具体的な経験をし(具体的な経験)、Aその内容を振り返って内省
することで(内省的
な観察)、Bそこから得られた教訓を抽象的な仮説や概念
に落とし込み(抽象的な概念化)、C
それを新たな状況に適用する(積極的な
実験)ことによって学習するのである。

 松尾睦(2006)『経験からの学習』同文館出版pp.62
経験からの学習-プロフェッショナルへの成長プロセス-←click! ひらめきAmazonロゴ小             

 
内省(振り返り)において、一般的に、理論は非常に役に立ちます(使えます)

 
理論を基に内省(振り返り)が効果的・効率的に行え、ひいては、有効な教訓
を引き出せる可
能性が高まります。

 
実践家の中には、理論というと「理論と実践は違う」、「理論通り行くならこん
な楽なことは
ない」、「使えない」、「机上の空論」、「難しい」などと好ましくない感
情を持つ方も少な
からずいらっしゃいます。

 
おっしゃる通りかもしれません。

 
状況に応じた使える理論と使えない理論の区別使える理論の実践策への
展開等、理論を活か
そうとすると骨が折れることが多々あるのも事実です。

 
しかし、経営者、リーダー、マネジャーなどの実践家・実務家が、この変化の
激しい環境を生
き残るため、新たな教訓、斬新な教訓を自らの経験の中から
見出し、実践に繋げ、成果を上げ
る上では、実践家は「理論は使える!」との
信念
を持ち、また「理論は使い倒す!」の気概を持って、
論を学ぶ必要が
あります。

 
また、実践家は、理論を学ぶ上において「理論が分からない、使えないのは、
自分の能力等に
要因がある」との謙虚さを持ち合せることも大切です。

 
「理論と実践は違う」、「理論通り行くならこんな楽なことはない」など、「使え
ない理論」
云々の話は、そもそも、
その状況下では使うべきでない理論を使おうとしている
その理論
を使いこなせるだけの能力がないにもかかわらずそのの理論を使お
うとしている

といった状況下で発生していることが
多いのです。

 
謙虚さは、経営者、リーダー、マネジャーが良き経営、マネジメントを継続す
る上
で重要な特性の一つでもあります。


 
O部長、私は、10年前、たまたま私が「パワーの源泉」という理論を知って
いたことで経験
学習のサイクルをうまく回すことができました。

 
あれから10年、二人とも、経験学習のサイクルを回し続けています

 二人とも、
持ち駒(有益な教訓)の数、バリエーションは増えました。

コラムB さくらに翻弄されない・・・ ネガティブとの対峙

vol.20  2012年1月12日(木)

 日本には、”さくら”という販促のやり方が存在していました。

 さくら【桜】
 ただで見る意。芝居で、役者に声を掛けるよう頼まれた無料の見物人。転じ
て露店商などで、業者と通謀し、客のふりをして他の客の購買心をそそる者。
また、まわし者の意。
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

 
2000年以降に登場した以下の類のマーケティング手法について、
 ・口コミマーケティング
 ・バズマーケティング
 ・バイラルマーケティング etc.

 私はその真っ当さ、有効性を、有益性を、事業者という活用する側として、ま
た一人の消費者という活用する側としても、認識していました。

 しかし、
インターネットソーシャルネットワークの普及と共に、そして経営や
商業に係る道徳の荒廃を実感する中で、私は上記マーケティング手法におけ
”さくら”の存在の胡散臭さ(怪しさ)を強く感じていました。

 
今では、悲しいことに、ステルスマーケティング という言葉まで存在しています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0


 真摯に口コミマーケティング等の啓蒙、普及に取り組まれてきた(いる)方々に
とっては本当に迷惑な話です。
※チャンスでもあります・・・。

 
さくら”は”やらせ”の一形態と捉えることもできる気がします。

 やらせ【遣らせ】

 事前に打ち合せて自然な振舞いらしく行わせること。また、その行為。
 [株式会社岩波書店 広辞苑第五版]


 ”やらせ”は、私の認識では、日常、特にビジネスシーンでは、その良し悪し
は抜きに、よく行われています日本的な行いなのかもしれません。

 
食べログに端を発する今回の現象を、倫理の点から問題として取り上げる
向きがあります。

 倫理
人倫のみち。実際道徳の規範となる原理。道徳。
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

 道徳
 人のふみ行うべき道。ある社会で、その成員の社会に対する、あるいは成
員相互間の行為の善悪を判断する基準として、一般に承認されている規範の
総体。法律のような外面的強制力を伴うものでなく、個人の内面的な原理。
今日では、自然や文化財や技術品など、事物に対する人間の在るべき態度
もこれに含まれる。

[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

 
そもそもとして、”やらせ(さくら)”を許容していた文化が日本にはありまし
た。
今後もなくなるとは思えません。

 
「何かおかしいな・・・」と感じつつも、「まあ参考程度に使ってみよう・・・」
「それほど大外れすることもないし・・・」という程度での使われ方が『食
べロ
グ』の総じての状態であったと私は認識しています。

 
これらのことから、倫理の問題としてまで今回の食べログ関連の問題を
取り上げることに私は少々違和感を覚えます。

 行政による規制強化は必要でしょう。
 「何を信じていいのか分からない」と本気でお悩みの方々が、私が想定
した以上に多いようですから。
 見えざる手(invisible hand、アダム・スミス)にお任せするには(最終的に
は望ましい状態になるのでしょうが)、一時的にものすごく悪い状態へブ
レてしまう危険性が高い気がしますので。

 
”さくら”に翻弄されたくないのなら、「何が真実で何がそうでないのか」に
もっと敏感になったり、性悪説の立場からのものの見方をもっと身につけ
たりした方がよい方々もいらっしゃるかもしれません。

 
性悪説
 荀子の性説。人間の本性は悪であるとして、礼法による秩序維持を重ん
じた。孟子の性善説に対立。

[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

 
ネガティブさ(例:悲観的に予測する、用心深さ、問題の指摘)が、生き残っ
たり望む成果を生み出したりする上で、あらためて大切な時代になったと私
は認識しています。

 
多くの人たちの稼ぎや幸せに大きな影響を与える経営者、リーダー、マネ
ジャーという立場の方々はなおのことではないでしょうか。

 
昨今の人材育成(研修)において、ネガティブさは、ポジティブさと比較して、
テーマとしても、人材育成の場(研修会場)の雰囲気としても、避けられる(人
気がない)傾向にあるように私は感じています。

 
私たちはネガティブさともっともっと対峙すべきなのかもしれません。

コラムP 死 それは最高の発明・・・

vol.19  2012年1月8日(日)
 
 世の中、ジョブズ、ジョブズ、ジョブズ、ジョブズ、ジョブズ・・・・・・・・・・・。

 ゲ
ンナリ、もう勘弁、食傷気味だ・・・。という方々。
 
もう見た・聞いた。何をいまさら・・・。という方々。
 
ジョブズを引用すればいいというわけじゃない・・・。という方々。
 
その他、●●●●、▲▲▲▲、■■■■・・・・。という方々。
  (^_^;;

 私も皆さんと同じ思いです!

 し、し、し、しかし、ご容赦ください m(_ _)m 。

 ”今(2012/1/8)”の自分(木下耕二)にとってはとても意味深く、価値のある
スピーチなのです。

 今の私は、ジョブズがスピーチで述べているように死を捉えないと、精神の健
常さを保てません・・・。


 スティーブ・ジョブズ 日本語で学ぶ伝説のスピーチ(字幕)
 http://www.youtube.com/watch?v=87dqMx-_BBo
 Steve Jobs' Address at the Stanford University's 114th Commencement
 on June 12, 2005.
 
 ※【CC】から英語­と日本語から選べます。
 ※日本語字幕を確実に見たい方は以下から。
   http://www.youtube.com/watch?v=OaMT8fZpEXA&feature=related

・・・・・・・・・・・・・・・・・以下、上記youtube上の日本語訳より・・・・・・・・・・・・・・・・・

 私は17の時、こんな言葉をどこかで読みました。

 「毎日、これが人生最後の日と思って生きなさいやがて必ず、その通りにな
る日がくるから」。

 それは私にとって印象的でした。

 そしてそれから現在に至るまで33年間、私は毎朝鏡を見て自分に問い掛け
てきました。
「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やろうとしてい
ることを私は本当にやりたいだろうか?」と。

 その答えが「ノー」である日が続くと、そろそろ何かを変える必要があるとわ
かります。

 
自分がそう遠くないうちに死ぬ意識しておくことは、私がこれまで重大な選
択をする際の最も重要なツールでした。

 
ほとんどのものごと、外部からの期待、自分のプライド、屈辱や挫折に対する
恐怖、こういったもののすべては死に臨んでは消えてなくなり、真に重要なこと
だけが残るからです。
自分も死に向かっているという自覚は、私の知る限り、
かを失ってしまうかもしれないという思考の落とし穴避けるための最善の策で
す。

(中略)

 誰でも死にたくありません。たとえ天国に行きたいと願う人でも、そこに行くた
めに死にたいとは思いません。
しかし死は、私たちすべてが共有する行き先で
す。かつてそこから逃れた者は1人としていません。そしてそれは、そうあるべき
ことなのです。

 はおそらく、生物にとって最高の発明です。

 それは生命にとって、古いものを取り除き新しいもののためための道開いて
れる変革の担い手です。

 
今、「新しいもの」とはあなた方です。しかしそれほど遠からぬうちに、あなた方
もしだいに「古いもの」となり、取り除かれる日が来ます。

 
ドラマチックな表現で申し訳ありませんが、これが真実です。

 
あなた方の時間は限られています。他の誰かの人生を生きて無駄にしてはい
けません。ドグマにとらわれてはいけません。それは他の人たちの思考の結果と
ともに生きることだからです。他人の意見の雑音によって自分の内なる声が掻き
消されてしまわないようにしてください。

 
そして最も重要なことですが、あなたの直感に従う勇気をもってください。

 
心や直感は、あなたが本当は何になりたいのかすでに知っています。他のこと
は全て二の次です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・以上、上記youtube上の日本語訳より・・・・・・・・・・・・・・・・

コラム メルマガはしばらくの間発行を止めます

vol.18  2012年1月7日(土)
 標題の通り、メルマガの発行目的、発行頻度、内容・量などについて熟考いたし
く、勝手ながら、
しばらくの間発行を止めたいと思います。よろしくお願いいたします。

コラムB もがき苦悩する必要性 節目・トランジション

vol.17  2012年1月3日(火)
 
<2012/1/3「政府の「事故収束」宣言波紋」毎日新聞朝刊より>
 野田佳彦首相が昨年12月16日の記者会見で「発電所の事故そのものは収束に至った」と宣言したことに波紋
が広がっている。「収束」宣言の背景には、昨年中に除染や避難区域見直しの方向性を示すことで、先が見えな
い状況に不安を抱く被災地の心情に配慮する狙いがあったが、福島県議会は27日、撤回を求める意見書を全会
一致で可決。県内の自治体首長の反発も強く、逆効果となった形だ。政府関係者は「どこかで節目をつけないとい
けなかった」と話す。 (笈田直樹)

 政府は節目をつけたかったようですが、避難生活が長期化する中、放射性物質拡散の新たな判明や「どこに燃
料があるのか、原子炉をあけてみなければ誰もわからない(細野環境相)」「燃料の場所がどこにあるにしても、冷
却されているという状態(細野環境相)」という説明などから、節目をつけることに違和感をおぼえる被災地住民が
大勢いらっしゃるようです。

 私たちの人生には多数の節目があります。

【人生における節目(例)】
出生・誕生、七五三、入園式、入学式、進級、卒業式、成人式、結婚、出産、銀婚式・金婚式、離婚、還暦(61
歳)・古希(70歳)・喜寿(77歳)・米寿(88歳)、隠居、死、葬式、法要(百ヶ日・一周忌・三回忌等)

 日本における民俗学の開拓者である柳田國男は節目について着目しました。フランスの文化人類学者であるア
ルノルド・ヴァン・ジェネップは、人生をある時空間から他の時空間へ移動する連続と捉え、そこにはたくさんの儀
式(節目)が用意されているとして、それらの儀式を通過儀礼の概念としてまとめました。

 節目、通過儀礼、洋の東西を問わず、人生には、日々の生活には、人生や日々の生活を区切るモノ・コトがあ
り、それらが「人生や日々の生活にリズム・勢いをつける」などの同様の概念を形成するに至っているのは興味深
いことです。

 節目は人材育成、キャリア論、リーダーシップ論等におけるキーワードの一つでもあります。

 節目よりも、トランジション(transition 転機、移行(期))の方が、人材育成関連業界では認知されている言葉
なのかもしれません。

 仕事、ビジネスにおける節目、トランジションにはどのようなものがあるのでしょうか。

【仕事、ビジネスにおける節目・トランジション(例)】
昇進・昇格、異動、辞令、離職、転職、退職、一皮むけた経験、売上●●億突破、新事業成功・失敗、先代社長から
二代目社長への事象承継

 William Bridgesは、人それぞれ千差万別のトランジション(transition 転機、移行(期))を「終焉」「中立圏」
「開始」のパターン、プロセスとして理論化しました。

 「何かが終わってから(終焉)、何かが始まる(開始)」は分かりやすいですね。

 Bridgesは「終焉」と「開始」の間に、「終焉」とも違う、「開始」とも違う、”どっちつかず”の、”中途半端”な、”宙ぶ
らりん”な、”あいまい”な、「中立圏」というプロセスを設けました。

 「中立圏」において、人は、「失う(った)もの・こと」、「もう二度と手に入らぬもの・こと」への愛着、郷愁、思慕、懐
かしさ、有用さ、そして「もしかしたら再び手にすることができるかも・・・」との淡い期待等と向き合い、もがき、苦悩
します。もがき、苦悩しながらも、徐々に、「それでも、踏ん切りをつけねば次に進めない」との意識が芽生え、覚悟
し、そして”本当の”「開始」プロセスに入ります。「中立圏」は「開始」に向けての(積極的な)準備期間です。もがく
ことなく、苦悩することもない「開始」は、実は”うわべの”「開始」に過ぎないのでしょう。”うわべの”「開始」は”うわ
べ”ですから、再び「中立圏」に戻ったり、「終焉」以前に戻ったりする恐れがあります。

 Bridgesの理論を参考に考えますと、被災地住民の皆さまが”本当の”「開始」のプロセスに入るには、まことに
僭越ながら、私などには想像も及ばぬほどの大きくかつ壮絶なもがきや苦悩が必要なのでしょう。

 被災地住民の大勢の方々が政府の節目づけに違和感をおぼえる要因の一つに、被災地住民の方々が”本当
に”「開始」するにあたって課せられた大きくかつ壮絶なもがきや苦悩に対する政府の感受性の鈍さがあるように
思えます。

 仕事柄、節目を迎えている、あるいは迎えようとしているリーダー、マネジャーなど多くの様々なビジネスマンとご
一緒します。2012年、もがき、苦悩されている彼ら・彼女らに対してより的確な支援ができればと考えています。

 そのためには、
 『私は、彼ら・彼女らのもがき、苦悩への感受性をより高める必要がある』
 『私自身、もっともがいたり、苦悩したりする必要がある』

 正月は多少時間的な余裕があります。実家で古いアルバムを見たり、初売りで賑わうショッピングモールの雑踏
に出かけたり、新聞をいつにもましてつぶさに読んだり、いろいろしておりましたら、こんな結論に達しました。

 昨年の4月、母が他界しました。
 父一人では生活が難しくなりました。
 実家は売却することとしました。
 たくさんの思い出に満ちた実家です。
 中立圏に長く留まることになりそうです。
 
【参考】

節目 ふしめ
竹や木材の節のある所。
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

節目 せつもく
@草木の節ふしと木目もくめ。転じて、物事のくぎりや条理。
A小分けした一々の箇条。細目。

[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

ふしめ【節目】
1 <木などの> a knot.
2 <人生の区切り目> a critical juncture; a turning point
¶人生の節目に  at important [major, decisive] (turning) points in (a person's) life.
[新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典 株式会社研究社]

通過儀礼

人の一生に経験する、誕生・成年・結婚・死亡などの儀礼習俗。
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

儀礼
社会的慣習として、形式を整えて行う礼儀。礼式。「―的」
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

通過儀礼
a rite of passage; an initiation ceremony
[新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典 株式会社研究社]

transition

@ 移り変わり, 移行, 変遷, 変化
 a period of transition=a transition period  過渡期
 a sudden transition from autocracy to democracy  独裁制から民主制への急激な移行.
A過渡期, 変遷期, 変わり目
 in transition  過渡期にある.
B(話題を変える時の)前後を接続させる語[句, 文].
[新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典 株式会社研究社]

けじめ

@区別。わかち。わけめ。
A道徳や慣習として守らなければならない区別。「長幼の―」「―を守る」

Bへだて。しきり。
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

コラムB 人には事情がある・・・  人の多様性

vol.16  2012年1月2日(月)

 昨年(2011年)の4月、太宰府(福岡県)で母が亡くなるかどうかという頃、私は母の病床を離れ東京に戻り、ある会合の席上で、その会合を総括する言を述べていました。 

 先に申し上げておきますが、「身内が亡くなる時であっても仕事に精を出すのがプロである」とか、「いやビジネスマンだったら当然だ」とか、「そこまでする意味のある仕事なんてない」とか云々について本コラムで述べたいのではありません。

 「いろいろ事情があるんだろうよ・・・」

 大人はそういう言い方をする。
 なぜか?
 人間一人が、この世を生き抜いていこうとすると、他人には話せぬ(とても人には言えないという表現でもいいが)事情をかかえるものだ。他人のかかえる事情は、当人以外の人には想像がつかぬものがあると私は考えている。
 伊集院静(2011)「妻と死別した日のこと」『大人の流儀』株式会社講談社pp.94

 人はそれぞれ事情をかかえ、平然と生きている

 伊集院静(2011)「妻と死別した日のこと」『大人の流儀』株式会社講談社pp.98
大人の流儀 ←click!ひらめきAmazonロゴ小
 
たしかに、ひとそれぞれに、当人以外のひとには想像もつかぬ、他人には話せぬ事情がある
ように私は思います。傍から見れば、特にビジネスの場では、いろいろあっても、平然と生きている(平然と生きているかのように見える)人が大半ではないでしょうか。

 私の人材育成サービス提供の基本は、「カスタマイズ戦略に軸足を置き・・・」です。
 http://www.kkkiduki.jp/article/14218579.html

 2012年度の構想を練るにあたっては、「実践、具象化に重きを置きたい」との考えをベー
スとしました。
 http://www.kkkiduki.jp/article/14225455.html

 これらの人材育成サービス提供の基本や2012年構想のベースの原点(根っこ)には、「ひと
それぞれに事情(例:生病老死、自分固有のパーソナリティ、培った信念や能力、直面している問題・課題・悩み・葛藤)がある」「事情がありつつもひとは平然と生きている」との現状認識が、そして「との多様性を尊重したい」との想いがあります。

 
「ひとの多様性を尊重したい」という想いは、様々な組織やひとと仕事をご一緒するなかで人の様々な成長パターンや成長のきっかけなどを目の当たりにしたこともあるためか、人材育成に関する考え方や方法理論化抽象化、つまりいくつか(数種類)の軸や観点から「要するに●●●●ということだ」と述べることに対するためらい後ろめたさを私に感じさせます。

 
理論化・抽象化の重要性は、理性では、重々理解しています。

 しかし、私の感情は、「組織
、人は、特に人材育成は、理論化・抽象化するにはあまりに複雑すぎる」、「人は深遠であり畏敬・畏怖の念を抱くべきだろう・・・。そんな人というものの育成に関して理論化・抽象化するにはよほど注意が必要だ」と声を張り上げます

 
また、「ひとの多様性の尊重」という考え方、言葉の響きは、極めて道徳的であり、立派であるように私は感じるのですが、はたして”生き馬の目を抜く””優勝劣”のビジネスの世界おいて、「ひとの多様性を尊重すること」という経営がはたして有効なのか。役に立つのか。

 
「木下、お前は、経営が大事なのか?それともヒトが大事なのか?」
 
自問自答する局面が増えました。
 
答えを探すのに右往左往することもままあります。

 
 「人材育成は、理論化・抽象化するにはあまりに複雑すぎる」という内なる声といい、「経営が大事なのか?それともヒトが大事なのか?」との自問自答に右往左往していることといい、経営改善・革新、人材育成を生業として経営(人材育成)コンサルタントを自称しているというのに困ったものです。

 2012年元旦の朝、一人でも多くのリーダー人材の育成に貢献することができるよう、「ひとの多様性を尊重したい」との意識、いえ衝動を原動力として、2012年を駆け抜けたいと思いました。

コラム 私の5大ニュース(2011年を振り返り2012年の構想を練る その2

vol.15  2011年12月31日(土)
 

 2011年も、今日一日を残すのみとなりました。

 コラム「2011年を振り返り2012年の構想を練る その1」の続編の位置づけで、
「私の5大ニュース」「実感、決意等」を挙げてみたいと思います。

 ”私の”がミソです。
 あくまで「”私の”5大ニュース」です。

 「コラム 2011年を振り返り2012年の構想を練る その1」
 http://www.kkkiduki.jp/article/14219581.html

 と同様に、「断定的な記述であるのに根拠は示されていない」など、気になる
方がいらっしゃるかもしれません。
 「私(木下)が私自身の持論を検証したい」「そのために持論をアウトプットす
る」「アウトプットの場として本コラムを使う」ことなどに鑑みご容赦ください。


【私の5大ニュース】

3月 東日本大震災(含、原子力発電問題)
 3/11、未曾有の天災、そして人災が発生しました。
 被災された皆様に心からお見舞いを、また復旧・復興をお祈り申し上げます。

 4月 母 永逝
  4/3、母がこの世を去りました。

7〜10月 オープンセミナー(研修総点検セミナー)の開催
  延べ4回、140名余りの方々にご参加いただきました。
  http://www.kkkiduki.jp/article/14158136.html

10月 HP『木下耕二ラーニングコラム』の立ち上げ
  「いつか、いつか・・・」と先延ばししていたことに着手、成果物を作りました。

9月〜 運動
 定期的に、適度に、ウォーキングしたり、スポーツジム(温泉施設有り)に通っ
 たりするようになりました。

次点
1〜12月 業績
1〜12月 心理学の学習
7月     30周年記念祝賀会
             http://www4.synapse.ne.jp/kyokushin/hsrc/2011/2011.07.03.30th-new.html  


【実感、決意等】

 ”当たり前のこと”なのでしょうが、今さらながら、強く実感しています。
 自分は(も)死ぬのだ

 「人生は永遠に続くものではなく、限られた時間においてのみ存在し、そして
 消滅するものである」
 「自分や大切な者が今死んだとしてもまったく不思議なことではない」。

●今さらながら、腹落ちしたように思います(といっても、まだまだです・・・)。
 「人生の最後の日から逆算する」
 「目的・目標から逆算する」

● 「今というこの瞬間大切にしよう・感謝しよう」とあらためて思っています。

●以下の言葉は、”意識して”発することにしようと考えています。
 ※「”意識して”発する」の意は、「明確に意識して発する」、「意識せずに(よ
   く考えもせず、惰性で、無意識
に)発することは慎もう」です。

   「積極的に発する」といった類の意ではありません。
 「分らない・・・」
 「考えられない・・・」「考えても意味がない・・・」「考えても無駄だ・・・」
 「できない(やれない)・・・」「やっても意味がない・・・」「考えても無駄だ・・・」
 「想定外である・・・」
 「結論を出すのは先でいいのではないか・・・」

 「あの時はあれ以上のこと(例:予見、実行)はできなかった・・・」
 「私には責任がない・・・」

●「時代、国家、組織、マーケットに対する自分(木下耕二)の洞察力、予測力
 はそこそこ的
を射ている(大きく軌道修正する必要はない)」と自信を深めま

 した。

●「自分、家族など、大事な人たちの安全、未来は、自分が守らねばならない
 (他者を軽軽に当てにしない・任せない・信じない)」と意が固まりました

意思決定や判断の軸がかなり明確になった気がします。

  大儀があるならば”やる””力を入れる”、そうでないなら”やらない””力を抜く”。

 に適うならば”やる””力を入れる”、そうでないなら”やらない””力を抜く”。

 大勢に影響するならば”やる””力を入れる”、そうでないなら”やらない””力
 を抜く”。

 ※川の水は途中で渦を巻いたりしていて、ちょっと見ると元に戻るように見え
   るけれど、結局、海に流れ込む。そういう大きな流れを見ていればいい。

   「コラム 実をとる!アップルを目指さない・・・」 
   http://www.kkkiduki.jp/article/14219824.html

 大義や理は、また何が大勢に影響するかの判断根拠は、組織や個人によっ
て違います。

 「木下耕二、お前の大義とは一体何なのか?」
 「木下耕二、お前の理とは一体何なのか?」
 「木下耕二、お前は何をもって大勢への影響の有無、大小を判断するのか?」  


 意思決定や判断を行う場合、上記の問いを自身に投げかける習慣が身につ
きました。2012年も自問自答を続けます。

不透明・不安定・不確定要素が減少し、やるべきこと・やりたいこと「シンプ
 ルになった」、「すっきりした」、「分かりやすくなった」、「(より)明確になった」
 という気がします(やる・やらないに関する判断・意思決定の迷いが減った
 うに感じます)。

 そのためか、やるべきこと、やりたいことに邁進・専念できるようになりました。

学習の重要性を確信しました。死ぬまで学習し続ける所存です。

理論化抽象化は重要です。具象化実践も重要です。
 どちらにも取り組みますが、心持、実践、具象化に重きを置きたいと考えています。

●「ポジティビリティを大切にし、一方でネガティビリティも大切にするべきだ」と
 認識を新たにしました。

ネットを使って発信することおよびそのツール・手段の重要性・将来性、効果
 をあらためて再認識しました。

運動の効用、留意点をあらためて再認識しました。

はっきり意見したり、主張したりする効果やメリット、留意点(タイミング、コン
 フリクト対応
等)を再認識できました。

●「自分は他者からどう見えているのか?」という自問自答によって、他者の視
 点からの自分(木
下耕二)のイメージをはっきり意識できるようになったと思い
 ます。

●人の、少なくとも私の、パーソナリティは幼少のころからそれほど変化しない
 ことを実感しています。幼少の頃のパーソナリティは大事にしたいと新たな
 認識を持ちました。

●「持って生まれたもの」と「学習して身につけたもの」「役割上のもの」を統合
 することに対してしさを感じるようになりました。


セルフイメージが自分の中で確立されつつあるように感じていいます。

人(脈)セーフティネット構築の上で極めて有効であると確信しました。私
 が妻や子供に遺してやるべきものの一つです。

●妻と子をはじめ、支えてくれる方々の存在の大きさ、ありがたさをつくづく感
 じました。

「手放す」、「捨てる」、「別れ」などについてどのような概念があるのか。どの
 ような概念が今後の人生において有効か。2012年に向けて整理、明らか
 にしたいと思っています。


【補足−言葉の定義−】

大義
@重要な意義。大切な意味。
A人のふみ行うべき重大な道義。特に、主君や国に対してなすべき道。
  「―にもとる」

[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

理 ことわり
(物事の理非を分かち定める意から。→断り)
@道理。条理。
  万葉集5「世間よのなかはかくぞ―」。平家物語1「盛者必衰の―をあらはす」

A格式・礼儀にかなっていること。
  欽明紀「新羅―無し」

B理由。わけ。
  源氏物語須磨「その―をあらはにえ承り給はねば」

C当然のこと。もっともなこと。
  源氏物語桐壺「人の御心を尽し給ふも、げに―と見えたり」

D(副詞的に用いて) もちろん。無論。
  枕草子262「わが得たらむは―、人の許なるさへ憎くこそあれ」

[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

道理
@物事のそうあるべきすじみち。ことわり。
  源氏物語帚木「世の―を思ひとりて」。「そんなことが許される―がない」

A人の行うべき正しい道。道義。
  「―にはずれた行為」

[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

大勢 たいせい
@大きな威勢。大きな権勢。
  太平記12「折伏とは―忿怒の形を現じ刑罰を宗となす」

A流動していく物事の、おおよその形勢。特に、世のなりゆき。天下の趨勢。
  「―に抗する」「―には影響ない」

[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

理論 

@(theory)
ア)個々の事実や認識を統一的に説明することのできる普遍性をもつ体系的知識。
イ)実践を無視した純粋な知識。この場合、一方では高尚な知識の意であるが、他方では
    無益だという意味のこともある。

ウ)ある問題についての特定の学者の見解・学説。
A論争。〈日葡〉
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

抽象(abstraction)
事物または表象の或る側面・性質を抽き離して把握する心的作用。その際おのずから
他の側面・性質を排除する作用が伴うが、これを捨象という。一般概念は多数の事物・
表象間の共通の側面・性質を抽象して構成される。←→具体。

[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

コラム サンタさんお願いします! 素朴理論

vol.14   2011年12月26日(月)

 12/22の夜、長男(小学校5年生)が玄関ドア(の外側)に張り紙を貼りました。
  『2011サンタさんへのお願い』 ← Please Click !

 彼は大まじめです。繰り返します。彼は大まじめです。


 
 世の中の子供はサンタクロースの存在をどの程度信じているのでしょうか。

 バンダイナムコゲームズとネットマイルの調査によると、クリスマスプレゼントを誰か
もらうかについて小中学生に質問したところ、「サンタクロース」が全体の63.5%と最
も多
く、次いで「お母さん」が56.4%、「お父さん」が50.8%と続いたそうです。学年別で
みると、
「サンタクロース」は小学校低学年、中学年で8割を大きく超えましたが、中学
生になると
“親”、特に「お母さん」と回答する子どもが約7割と一気に増えます。

 『小・中学生を対象とした『クリスマス』についてのアンケート調査 バンダイ等』 ← Please Click !

 思い起こしてみれば、長男は、3歳頃、月に人格があると思っており、月を横眼で見な

がら、月と競争するかのように走っていました。
 長男は「月は速いな〜」と言っていました。
 そりゃそうですよね。どれだけ速く走っても、月はいつまでも長男にぴったり平走する
かのように長男の視野の一定の位置にありますから(^.^)。


 つい最近、長男は真顔で言いました。「ワニは哺乳類である」と・・・。

 
 長男は、「サンタクロースは現実に存在している(そして、クリスマス、世界中の子供
にプレゼントを配って回っている)」、「月には人格がある」、「ワニは哺乳類である」、と
素朴に思っています。

 教育などを通じて科学的に教えられたのではなく、自分で、自然に、いつのまにか持っ
た理論のことを『素朴理論』といいます。


 素朴理論には、「適切な素朴理論」と「誤った素朴理論」があります。
    ※素朴理論は「裏付けのない」「思い込んでいる」等の類の言葉で表現されているこ
    とが多いように私は認識しています。この点から言うと、素朴理論=「誤った(素朴
    理論)」となります。しかし、私は、状況に適応する上で有効な素朴理論も多いこと
    から、あえて「適切な(素朴理論)」といういう表現を用いて、素朴理論を「適切な素
    朴理論」と「誤った素朴理論」の2つに分けて表現しています。、


 子供であれば、「誤った素朴理論」も可愛いものです。

 子供の「誤った素朴理論」の多くは、いろいろな学習経験を経る過程で、いずれ「適切
な素朴
理論」に置きかえられていくことでしょう。


 ところで、大人は素朴理論を、それも「誤った素朴理論」を持たないのでしょうか?

 あなたはいかがですか?


 重い球の方が軽い球より早く落ちる。
 こう信じている大人は思いのほか多いそうです。
 「誤った素朴理論」を持つ大人は結構いるということです。
 ※ちなみに、私は「重い球が落ちる速さと軽い球が落ちる速さは同じ」と認識していま
   す。しかし、その理由は説明できません・・・。


 母が脳出血で倒れ、脳の働きが失われ、しかし人工肺のおかげでかろうじて肺は動き、
また母の生命力によって心臓が動いている状態(脳死)となって一週間が過ぎた頃、父は
「お母さんはこんな状態を望んでいないはずだ」「安楽死させてやりたい」、「人工肺を自分
が止めることもやぶさかでない」と言いました。父の心情は痛いほど、痛すぎる
ほど、分か
ります。「私は人工肺を止めることができる」「それが母のためである
」という素朴理論を父
は過去のそして母が倒れてからの経験によって有するに至ったので
しょう(感情的な動揺
という要因もあったと思います)。
 父の「人工肺を自分が止めることもやぶさかでない」という素朴理論が「適切な素朴理
論」であったのか、「誤った素朴理論」であったのか。いろいろな見解があるかと思います
が、もし父が人工肺を止めていたら大変な問題が発生したことは間違いありません。


 「親族に不幸が続くのは先祖の供養を十分やっていないからだ」「不幸が続かないため

に先祖を十分供養しよう」と思っている方を存じています。

 子供の「地球は平ら(地球は丸くない)」のような「誤った素朴理論」は可愛いで済ませら
れることも多いですね。

 
しかし、大人の「誤った素朴理論」は大きな問題を引き起こしたり、拡大させたりすること
もあり、可愛いでは済ませられないことも多々あります・・・。


 あなたのビジネスの場に、職場に、「誤った素朴理論」を持つ方はいらっしゃらないでしょか。

 シェアアップすれば収益性は高まる
 CSを高めるためESが重要である
 部下の問題点を突くことが上司の務め
 営業は売り込んではならない
 ビジネスは逆算だ 

 これらは「誤った素朴理論」でしょうか?
 それとも「適切な素朴理論」でしょうか?


 素朴理論は、たとえそれが「誤った素朴理論」であっても、その素朴理論を持つ方が、

の方が認識している現実に関する因果関係等を、スムーズに、分かりやすく、理解する

で大きな役割を果たしています

 素朴理論は、複雑な現実のメカニズムをその持ち主にうまく説明してくれるので
す。

 ですから、「誤った素朴理論」を持つ方が、他の方から「そうではないんだよ」と言
われて
も、「誤った素朴理論」を持つ方はそう簡単には「はい、そうですね」と言うこと
はなかなか
できません


 あなたは、素朴理論をお持ちですか。意識されていらっしゃいますか?

 あなたの素朴理論は、「適切な素朴理論」ですか。それとも「誤った素朴理論」ですか

 あなたは、「誤った素朴理論」をもつ組織構成員に対して、どのようにして「適切な理論」
を身につけさせていらっしゃいますか?


 長男はことしもサンタクロースからプレゼントを受け取りました。
 サンタクロースに関する長男の素朴理論を、彼がその素朴理論に矛盾する現象
(anomaly
)に気づくまで、そっと、見守ってあげたいと思います。

 

コラム 実をとる!アップルを目指さない・・・

vol.13  2011年12月25日(日)


 私は、「企業の人材育成は経営に役立つべき(資するべき)」と強く考えています。
 http://www.kkkiduki.jp/article/14030753.html
 

 経営のあり方・やり方は組織によって様々です。

 本コラムでは、経営に関する入交昭一郎氏(旭テック会長)のお考えから私が再確認さ

せていただいたこと、興味を覚えたこと、そして検証したいと思ったことを、また入交氏の
インタビュー記事をご紹介
します。

 

【私が再確認したこと・興味を覚えたこと・検証したいと思ったこと】

普通の技術コモディティ日本では成り立たなくなる

新興国の市場を取りに行くしかない。TPPへの参加は当然。

★デジタル化は脅威。しかし、デジタル化が困難&高品質であれば勝負できる

日本の製造業は世界各地に根を下ろし世界中からおカネを日本に集める装置になれ
   ばよ
い。

日本の製造業の選択肢は五つある。どれもやさしくないが、どれか一つに決めないと。

★国内でもの作りに携わる人、一人一人の質を高めないといけない。そのためには、
   弟
制度でたたき上げていくしかない。一番の心配は、若い人たちのマインドである。

日本の強みは、細部にこだわり現場ですりあわせて、ボトムアップ出来栄えのいい
   製品にすること。日本は、細部にこだわって頑張るしかない

部品で細かく稼ぐ

名を取らずに実をとるアップルを目指さないのが日本の製造業の生きる道。

トップは決断においてリスクを取ることも必要。

川の水は、結局、海に流れ込む。そういう大きな流れを見ていればいい。


【入交昭一郎(2011/12/24)「製造業から見た日本と世界」日本経済新聞】
(聞き手・尾沢智史、畑川剛毅)
※「です・ます」調を「である」調にするなど一部修正させていただきました。

●日本は市場として縮小し、利益を上げることが非常に難しくなっている。
●加えて、新興国との競争がある。原材料、人件費、土地、電力、工場建屋、製造設備、
 新興国の方が圧倒的に安い。国内で作るものは品質で差をつけるしかないが、追い上げ
 
は急である。普通の技術で、汎用品(コモディティ)に近いものは日本では作っていけなく
  なる。

●デジタル化の影響は大きい。高精度で加工する場合、昔は工作機械と腕の立つ職人が必
 要だった。ところが、コンピューター数値制御の工作機械が導入されると、名人でなくとも
  よくなる。設計ソフトを使うと大学を出たばかりの人間でも設計できる。

●鋳物のようにデジタル化しにくいものもある。温度、湿気、砂の粘土など何百というフ
  ターが絡み合っているので数値ができない。テクノメタル(旭テック子会社)は鉄鋳
物でも
  一番難しいディーゼルエンジンのシリンダーブロックを作っている。不良率が低く
、値段は
  高いけれど、不良品を捨てるコストを考えればはるかに安上がりだということで
、どんどん
  海外からの受注が増えている。

●米国や欧州でも先進国の市場は自国産業にとって収益源になりにくくなっている。しかも、
  常に海外との競争にさらされる。だから新興国の市場を取りに行くしかない。その意
味で
  もTPP(環太平洋経済連携協定)への参加は当然だと思う。

●生産している場所が重要なのか、それをコントロールしている場所が重要なのか。
●海外で車を作るホンダやトヨタも「日本の製造業」である。海外で生産した製品を海外の市
  場に売って、その利益を日本に持ってくる。国内の生産が厳しくなっても、日本の製
造業が
  世界各地に根を下ろして頑張れば、世界中からおカネが集まってくる。企業は、そ
の装置
  になればよい。

●21世紀の日本人は工場も働き手も海外に出て出稼ぎすべき。

●日本の製造業は五つの選択肢のどれかを選らばなければならない。どれもやさしいこと
 
ではないが。

 1.ある分野に特化して、国内徹底的にお客さんに奉仕して今ある顧客を離さない
   京都のお茶屋さんのような堅実なビジネス。

 2.国内狭い分野に特化すると同時に高い技術力グローバルな競争力を持つ。小金
   
井精機という会社が典型で、F1のエンジンの特殊な部品を超高精度で仕上げる技術
   
がある。

 3.一番典型的なもの。国内に製造拠点は残しながら培った技術を持って海外へ出て
   
いく。旭テックはこれである。

 4.国内はマーケティングや開発に特化し、生産はすべて海外でやる。ユニクロのように。

 5.世界のどこにもない新しいものを作りだす。これは天才が出てこないとできない。

●国内でもの作りに携わる人は減る。だから、一人一人の質を高めないといけない。
●そのためには、徒弟制度でたたき上げていくしかないのですが、いまの日本の若い人は
 怒られたことがないし、あまり海外に行くことを好まない。一番の心配は、若い人たち
 マインドである。

●最後に残る日本の強みは、細部にこだわり、現場ですりあわせて、ボトムアップで出来
 えのいい製品にすること。細部を練って積み上げていく力は断然強い。

●でもこれは同時に欠点でもあって、すぐに細部に目が行くので全体を構想できない。部
 点数10満点までのものを作るのは得意でも、スペースシャトルのような巨大なシステ
ムを
 作るのは向いていない。

●欧米の人間は、まずコンセプトから考える。大枠を決め、細部に下していく。アップルはそ
 の典型で、iPHONEやiPADのように、まずコンセプトありきで製品を作っていく。

●日本は、細部にこだわって頑張るしかない。部品で細かく稼いでいく。航空機でいえば
 ボーイングやエアバスにはなれなくても、中小規模のシステムや大きなシステムの中の

 品づくりなら日本は世界最強である。そこに特化する。名を取らずに実をとる。アップ
ルを
 目指さないのが日本の製造業の生きる道です。

●心配なのはトップの決断力である。思いきった投資がなかなかできない。
●日本企業は、バブル崩壊で苦しい状況を経験しすぎて、いかにリスクを減らすかが最優
 先課題になってしまった。リスクを取ることも必要。

●川の水は途中で渦を巻いたりしていて、ちょっと見ると元に戻るように見えるけれど、結局、
 海に流れ込む。そういう大きな流れを見ていればいい(孫正義氏の言葉)。

●今は苦境の国々も、これから苦境に入る国々も、人はみな豊かさや安定を求めて必ず立
 
ち直る。日本もそうだった。そこを見失わないで仕事を続けていくことが、企業人にとっ
 一番、大切なことだと思う。

コラム 2011年を振り返り2012年の構想を練る その1

vol.12    2011年12月24日(土)

 あと一週間で新年を迎えます。
 今の時期、私には恒例行事があります。
 今年(過去)を振り返り、来年以降(未来)に向けた構想を練るのです。
 そのために、信頼している方々と、ざっくばらんに情報や意見の交換をしています。

  本コラムでは、信頼している方々とのざっくばらんな情報や意見の交換を通じて考えた
こと、感じていることを書きたいと思います。

 なお、次の点について気になる方がいらっしゃるかもしれませんが、 「私(木下)が私
自身の持論を検証したい」「そのために持論をアウトプットする」「アウトプットの場として
本コラムを使う」ことに鑑み、ご容赦ください。


 ・断定的に書いている。しかし、根拠(事実・データ、解釈等)が示されていない。

 ・私(木下)の主観の域を出ていない。

 ・当たり前のことを書いている。


 ・「一般的にこうであろう」の記述と「私(木下耕二)に関して言えばこうです」の記

  述が混在している。 二つの記述の区別が分かりにくい。

 ・カテゴライズされていない。思いつくまま順不同で記述されている。

 

●環境は激変した。
 「今後少なくとも2、3年は非常事態である(非常事態に備えた準備を怠らない)」との
 認識が必要である。

 「生き残り(食べていける)」を最優先課題とすべき人・組織は多数。しかし、気づい
 いない人・組織も多い。

成果に徹底して拘る。欲する成果を「手に入れる」と覚悟する(「絶対手に入れてやる」
 と決心する)。
欲する成果は何なのか。それは(そこそこ)適切なものなのか。熟考する。

●成果を手に入れるために、実行する(考えているだけや口先だけではダメだ)。
●実行するために、情報を集め抜き、考え抜き、決断する。
●決断したことが少数派であっても、誰も支持しなくても、自身を信じ自分の決断を信
 じる

欲する成果は、過去と同じ考え方(持論)、やり方・方法で、得ることができるのか(過
 去の考え方、やり方等は今後も通用するのか)?徹底的に考える。

●欲する成果を手に入れるためには自己理解が鍵である。「自分・自組織は(いろいろ
 な)他者からみてどのように映っているか?−他者の視点に基づく自己理解−」と絶
 えず自問自答する。

●採用する考え方(持論)、やり方・方法に自身・自組織の強みを活かす
身の程を知る(分相応は大事)。身の程にあった戦略・戦術を採用する。

●一般論(権威ある人・組織が発信するコンセプト、フレームワーク、考え、意見、やり
 方・方法)は自身・自組織にとって果たして有効なのか。使えるのか。徹底して吟味
 する。

●「有効」「使える」と自身が信じ切れる一般論、すなわち持論しか役に立たない
●信じた持論が適切さを欠いていたら・・・。
 間に合うようであれば、すばやく持論を修正する。信じ切れる新たな持論を見つける。
 間に合わなければ・・・。あきらめるほかない

新たな考え方(持論)、やり方・方法を身につける・実践する。
●捨てる必要のある過去の考え方(持論)、やり方・方法はスパッと捨てる。 
 (unlearning)

●「捨てる必要まではないんじゃないの・・・。傍らにそっと置いておいたら・・・」。
 「新と旧の考え方(持論)、やり方・方法の統合によって成熟を志向すべき」。
 目立たぬところに置いておくorスパッと捨てる。どっちを選ぶか?考え抜く。そして決
 断する。

曖昧さを許容する。
 精神衛生上良い等の場合は、スパッと割り切る(曖昧さをなくす)。

プロフェッショナルに近づく。

死ぬまで学習を続ける。精進する。
すべてが学習の機会である。
Aクラスのための学習か。Bクラス、Cクラスのための学習か。区別する。

学習を楽しむために、ちょっとした工夫を大事にする。

分かりやすい人、組織になる。

何でも使う(使えないものはない。使えるものを自分の枠で捉えない)。

●定期的に、適度に、運動する。


●(震災等で)「新たに発生した問題」。
 (震災等によって)「表面化した問題(実は過去から存在していた問題)」。
 この二つは区別する必要がある。

最悪を想定する。ネガティビティが生存率を高める。

Fact Finding  色眼鏡を外す。
 見たくないと言って見ないのは身を滅ぼす。

人(脈)が最高のセーフティネットである。
人に気遣う。人に配慮する。

資本主義路線で突っ走るか。ブータン的な方向も視野に入れるか。
 大きな分かれ道だ。

海外(アジア)をビジネスドメインの一つとする。


●人生を終える時、振り返る予感がする・・。
 「この数年(2008〜2015年))が人生で一番死に物狂いで生きていた、仕事をしてい
 た、家族・親族のことを考えていた、楽しかった・幸せだった、苛立っていた」と。
 「この数年(2008〜2015年))でようやく自分というものが分かってきた」と。
 「この数年(2008〜2015年))のおかげで、以降の人生が輝いた」と。
 「何の悔いもない」と。

コラム パターン、タイプを広げる

vol.11   2011年12月24日(土)

 試行錯誤しながらコラムを書いてきました。
 本コラムは11本目のコラムとなります。
 今後は、コラムのパターン、タイプを広げてみたい思います。
 コラムをご覧いただいている皆様、これからもよろしくお願いいたします。

コラム 必要であれば徹底的にカスタマイズする・・・

vol.10
2011年12月23日(金)


 仕事柄、様々な組織の、様々な現状を目の当たりにしているため、組織それぞれに多様な課題が
存在している
ことを絶えず実感しています。

 「組織それぞれに多様な課題が存在している」と書きましたが、あまたある課題も、例えば以下の
ように「えいっ、やー」と分類することが可能です。

 ・売上の観点からの課題か、費用(変動費・固定費)の観点からの課題か

 ・直接機能に係る課題か、間接機能に係る課題か、統合機能に関する課題か

 ・制度上の課題か、運用上の課題か

 ・すぐにとりかかるべき課題か、当面は放っておいてもよい課題か

 ・手の打てる課題か、手の打てない課題か(これは課題とは呼ばないかもしれませんね)

 etc.


 あまたある課題は、上記のように「えいっ、やー」と単純化できるのですが、課題解決の具体的な打
ち手、その手順・タイミングなど話となりますと、いろいろなパターン、組み合わせがあり、「えいっ、
やー」ともいかないことが増えます。

 私は、標準サービスの提供を自身の人材育成ビジネスの基本とはしていません。

 組織固有の課題に、特に「えいっ、やー」と単純化できない具体的な打ち手に関するカスタマイズ
サービスの提供を通じて顧客の期待・要望に応えていく
、これが私の人材育成サービス提供の基本
です。

 本HPに、「大切に考えていること」というメニューバーがあります。

 http://www.kkkiduki.jp/category/1537467.html

 この中に「2.カスタマイズへの挑戦」があります。

 主旨は以下の通りです。


・人材育成(研修)の目的・目標は、組織・企業の業容、成長段階、企業を取り巻く環境等が異なる
  ゆえ、組織・企業個々によって異なる。

・組織・企業ごとに異なる目的・目標にフィットする人材育成サービスを提供するために、「組織・企
 業ごとに特注品を提供する(カスタマイズする)必要がある」。


 「特注品の人材育成サービスを提供する(カスタマイズする)」を私は標榜しています。


 標準製品・サービスの提供を基本路線とする(標準化戦略)か、カスタマイズ製品・サービスの提供
を基本路線とする(カスタマイズ戦略)か。


 提供製品・サービスや生産プロセス等がこの2つでかなり異なります。

 2つのいずれかを志向するかは、人材育成サービスを提供するしないにかかわらず、多くの組織・
企業の経営において大きな分かれ道になると言ってもいいでしょう。


 標準化戦略の特徴は以下の通りです。
 ・競合に先じ「標準製品・サービス」を開発する(広く共通に標準的に使われる製品・サービス
  
完全標準品として、また一部セミカスタマイズ製品として提供する)。
 ・製品・サービスのコンセプトを、シンプルに、分かりやすく、顧客に訴求する。
 ・他社が追いついてくる前に多くの顧客に採用してもらう。
 ・規模の経済性、経験効果を利用したコスト・リーダーシップのメリットを享受する。
 ・価格は、市場並み、あるいはそれ以下の安価で提供する。標準価格リストがある。
 ・詳しい内容の訴求は必要としない。
 ・間接チャネル。
 ・見込み生産。少品種大量生産。

 標準化は、仕事、業務改善の基本です。
 標準化戦略は儲けの基本戦略と言ってもいいでしょう。


 一方、カスタマイズ戦略の特徴は以下の通りです。
 ・顧客の事情を知り尽くす。
 ・製品・サービスを顧客の特定のニーズに合致させる(個別ニーズに合わせたテーラーメードの
   製品・サービス、
特注品を提供する)。
 ・価格は、市場平均以上で設定し、収益を確保する(平均以上での設定ができない場合は、高
   収益を確保するのは難しい)。

 ・顧客ニーズへの対応度と対応の困難度によって顧客ごとに異なる価格で提供する。
 ・製品・サービスについては内容の細かな、詳しい訴求が必要。
 ・直接チャネル。
 ・受注生産、多品種少量生産。

 カスタマイズ戦略は、特注志向が強い業界では、有効な戦略です。


 実際のところは、人材育成サービスの提供組織・企業を含め、多くの組織・企業は、標準化戦略、カ
スタマイズ戦略のどちらかの戦略に軸足を置きながら、いずれの戦略も採りいれて経営しています


 「まずい」のは、顧客の声に応ずるままにカスタマイズ製品・サービスを野放図に増加させたり、
率アップの名のもと十分な検討もなくカスタマイズ製品・サービスの生産・販売を中止し標準製品・
サービスに切り替え
たりするケースです。前者は経営効率の低下を、後者は競争優位性の低下を招
くリスクを有しています。

 生産工程の変更など社内コンフリクトが伴う意思決定の必要性がある等の要因から、顧客の標準
化志向が強まっているにもかかわらずカスタマイズ製品・サービスに拘泥すること、またこの逆
も、
「まずい」ですね。

 「まずい」状況を挙げましたが、標準製品・サービスの提供で顧客の要望に応えるか、あるいはカス
タマイズ製品・サービスの提供で顧客の要望に応えるかは、そもそも、どこまでが標準製品・サービ
スで、どこからがカスタマイズ製品・サービスかの区別ははっきりつけられない
ケースが多々あるな
ど、上記の「まずい状況」を改善することは簡単なことではありません。

 
 
本コラムの冒頭、「私は、標準サービスの提供を自身の人材育成ビジネスの基本とはしていませ
ん」と記しましたが、

ニューバー「大切に考えていること」
http://www.kkkiduki.jp/category/1537467.html



「2.カスタマイズへの挑戦」においては、

 ・ 一方で、「組織・企業をよく分かる」、「特注品を提供する(カスタマイズする)」ことは、人材育成
   サービス
提供事業者としてはコストの増加を招く(収益性の低下)。コストの増加は、人材育成
   サービス事業者にとって必須である人材育成に関する学習のための投資の抑制に繋がった
    り、最悪の場合は事業継続の危機をもたらす。

との認識を私が有していることも記載しています。

 私は人材育成サービスの提供において、カスタマイズが必要であれば徹底的にカスタマイズする
ものの、必要度が低ければ、カリキュラムの順序や受講者への腑の落としどころを変更するなど
スタマズは可能な限り最小限にとどめ(必要以上のカスタマイズへの安易な取り組みは戒め)、出
来うる限り標準サービスで対応する
ことを心がけています。

 「カスタマイズ戦略に軸足を置きながらも最大限標準化戦略を採りいれる」のが私の人材育成
サービス提供におけるやり方です。


 このあたりのことを、メニューバー「大切に考えていること」
http://www.kkkiduki.jp/category/1537467.html

「2.カスタマイズへの挑戦」では、

・「カスタマイズへの挑戦」の“挑戦”には、人材育成サービス提供事業者として、「カスタマイズとカ
  スタマイ
ズがもたらす危機とのバランスをいかにとっていくか」へのチャレンジの意を込めている
 
と表現したつもりです。

 (しかし、いろいろな方から、「あの表現は分かりにくい」との声を頂戴しました
m(_ _)m。)

 

 あなたは、あなたの組織は、人材育成サービスを顧客(受講者、関係部署等)に提供するにあた
り、標準サービスの提供を基本とされていらっしゃいますか(標準化戦略)。それともカスタマイズ
サービスの提供を基本とされていらっしゃいますか(カスタマイズ戦略)。

 その基本戦略は本当に正しいのでしょうか。

 二つの戦略を使い分けていらっしゃるでしょうか。

 二つの戦略のバランスは適正でしょうか。


 顧客(受講者、関係部署等)の声に応ずるがままにカスタマイズ・サービスが野放図に増加して
はいないでしょうか。

 効率アップの名のもと十分な検討もなくカスタマイズ・サービスを標準サービスに切り替えたりし
てはいないでしょうか。


 上記の問いに私が明確な答えを持っているわけではありません。

 いつも悩んでいることを、ただ書いただけです。


 ただまのあたりに見る(そして書く)。

 これが本コラムにおける私のポリシーですから・・・。
 
コラム vol.2 情報発信 マイセオリー(自戒)
 http://www.kkkiduki.jp/article/14150672.html

 

コラムP 気分転換  ありがとう 音楽! アーティスト! You Tube! 

vol.9
2011年12月11日(日)
 ああ〜、やりたくない・・・。気が乗らない・・・。時折、こんな気持ちになります。
 
感情は正直です。すごいパワーを発揮します。こんな状況から抜け出すのは至難の業ですね。
 こんな時、皆さんはどうしていらっしゃいますか。

 住みにくき世から、住みにくき煩わずらいを引き抜いて、ありがたい世界をまのあたりに写すのが詩である、画で
ある。あるは音楽と彫刻である。
 草枕(夏目漱石) 

 http://www.kkkiduki.jp/article/14150672.html
   
 
自分の気持ちに添って、聞きたい、見たい、音楽やアーティストを感じることも、私にとっては、やる気を出したり、
気分を切り替える有効な方法の一つです。

●PV  STAND BY ME
   http://www.youtube.com/watch?v=y3S47RqNIos
●The Mamas & the Papas
  夢のカリフォルニア
   https://www.youtube.com/watch?v=IA2eK1pcvM8
●The Rolling Stones
  Paint It Black
   https://www.youtube.com/watch?v=u6d8eKvegLI
  Satisfaction
   http://www.youtube.com/watch?v=qXcNQTa3zgs
●Albert Hammond
  It Never Rains In Southern California
    http://www.youtube.com/watch?v=-pyC7WnvLT4
●Eagles
   Hotel California
    https://www.youtube.com/watch?v=9jXmPZeZTUs
●Pink Floyd
   Another Brick In The Wall
    http://www.youtube.com/watch?v=P2zpA5dvUl4
●Bruce Springsteen
   Hungry Heart
    http://www.youtube.com/watch?v=J2fTuW3__oU&feature=related
     Dancing In The Dark
        http://www.youtube.com/watch?NR=1&v=sfk0uMLhXqY&feature=fvwp
   Born to Run
    http://www.youtube.com/watch?v=IxuThNgl3YA
●美輪明宏
  ヨイトマケの唄
   http://www.youtube.com/watch?v=9MROcVq6r7Q
●ザ・ブロードサイド・フォー
  若者たち
    https://www.youtube.com/watch?v=vW0-sRt0RYw
●芹洋子
  四季の歌
    https://www.youtube.com/watch?v=EPqZGsPYmQg
●吉田拓郎
  イメージの歌
   http://www.youtube.com/watch?v=ql8lav7vP20
  人間なんて
   http://www.youtube.com/watch?v=PwOSde68JuM
  落陽
   https://www.youtube.com/watch?v=gEZRwgnMKy0
     ペニーレインでバーボン
        http://www.youtube.com/watch?v=-J2w0U5L6tw
  流星
   http://www.youtube.com/watch?v=UgQhKFcdodM
      唇をかみしめて
   http://www.youtube.com/watch?v=Kt6-hxg11J4
  ファイト(作詞・作曲 中島みゆき)
   http://www.youtube.com/watch?v=gukuCBEXwP0&feature=related
●井上陽水
    傘がない
   http://www.youtube.com/watch?v=psVjqEF-de8&feature=related
      氷の世界
   http://www.youtube.com/watch?v=hg6KlrHvfVI
      心もよう
  
 http://www.youtube.com/watch?v=tUXh22MssIg
●チューリップ
  約束
   http://www.youtube.com/watch?v=MwHloqGDUkI
●ちあきなおみ
  喝采
   http://www.youtube.com/watch?v=fD_XMTh0YpE&list=PL7AC42CAC8FFAD96A
●荒井由実
   あの日に帰りたい&卒業写真
   http://www.youtube.com/watch?v=dR4PuXeYJbc
●バンバン
   いちご白書をもう一度
        http://www.youtube.com/watch?v=j6Zg72miqOA 
●甲斐バンド(甲斐よしひろ)
  バス通り
   https://www.youtube.com/watch?v=vFDC7f374mQ
  裏切りの街角
   https://www.youtube.com/watch?v=EG0mVJXiKx8
   そばかすの天使 ★
   http://www.dailymotion.com/video/x2idvnu
   きんぽうげ
   https://www.youtube.com/watch?v=yeDbyR9Xpdw&list=PLpQGib5VtbRZt1Dogv2CC03jKoAAEiRDE
  らせん階段
        http://www.youtube.com/watch?v=lNWGhwHR6Wk  
     氷のくちびる
       https://www.youtube.com/watch?v=1S8f1fCB75M&index=38&list=RDEMND1gjO4fFy2CkCnlVK12QQ
   ポップコーンをほおばって
      https://www.youtube.com/watch?v=dNGrrxA6DhA   
     嵐の季節 ★
   https://www.youtube.com/watch?v=qsWmsxkFgzk&index=2&list=PLf8-K2ay9SXVAyAuOXI1f_NY9WtekBsIU
   最後の夜汽車
   http://www.youtube.com/watch?v=DgaLGgObYiI&feature=related
     HERO(ヒーローになる時、それは今)
   https://www.youtube.com/watch?v=DhGtilgTTvY 
  感触(タッチ)
   http://www.youtube.com/watch?v=T0D8aRYyCdY
   漂泊者(アウトロー)
        https://www.youtube.com/watch?v=1hA6J9ON-ZQ&index=10&list=PLpQGib5VtbRZt1Dogv2CC03jKoAAEiRDE   
   安奈
        https://www.youtube.com/watch?v=s1DAzm3k_oY&list=RDs1DAzm3k_oY&index=1

   翼あるもの
        https://www.youtube.com/watch?v=HiXpXum438Q
     マッスル
        http://www.youtube.com/watch?v=qp_7Pw4zaLk
   冷血(コールドブラッド)
   http://www.youtube.com/watch?v=3k9P_oivqOE
  
あり、か
   http://www.youtube.com/watch?v=Imr_78jKe9E

   ブライトン・ロック
   https://www.youtube.com/watch?v=O6zOUhR6onA
●中島みゆき
  時代
        http://www.youtube.com/watch?v=PJ8v-Tck3sk
     あり、か
   http://www.youtube.com/watch?v=xjhOqduwc38&list=PL62D9A0ED38DC4C83

  世情
   http://www.youtube.com/watch?v=Nx1jRXaWY08 
  ホームにて
   http://www.youtube.com/watch?v=E6PoQn3QmVY&playnext=1&list=AL94UKMTqg-9DY4-JjwQqkEIwVz3vI0B2e
浜田省吾

    青春のビジョン
     http://www.youtube.com/watch?v=aotHvZudu38
  君が人生の時

  http://www.youtube.com/watch?v=6lzQuFYN26E
    ミッドナイト・ブルートレイン
      http://www.youtube.com/watch?v=JflBBjQgCHs&feature=related
    片思い
  https://www.youtube.com/watch?v=F7CfahQmWhg&index=33&list=RDEMND1gjO4fFy2CkCnlVK12QQ
 君に会うまでは
      http://www.youtube.com/watch?v=0WVYAFQvChI
  さよならにくちづけ

  http://www.youtube.com/watch?v=h2TtvMpjvKw
  9分40秒頃〜
  ミスロンリーハート

      http://www.youtube.com/watch?v=nrA2V_Tsfv0   
    ロマンスブルー

  http://www.youtube.com/watch?v=wYm_PWKiGb4
●松山千春
    大空と大地の中で  
   https://www.youtube.com/watch?v=BxiahJzKbZs 

●八神純子
  水色の雨
   https://www.youtube.com/watch?v=O82kx7Bi57g
  思い出は美しすぎて
   http://www.youtube.com/watch?v=segY3jwhvtE
●佐野元春
  アンジェリーナ
   https://www.youtube.com/watch?v=izc-KHkaYRY
      約束の橋 Bridge Of Promise
   https://www.youtube.com/watch?v=LpSTV2W3X7E
●アンルイス
   六本木心中
    http://www.youtube.com/watch?v=esJ-NZhe-hQ
●レベッカ
    ラブ・パッション
       https://www.youtube.com/watch?v=AOCaynJHuNE
  CHEAP HIPPIES
       https://www.youtube.com/watch?v=9TTXS-CJMX4
  LOVE IS CASH
       https://www.youtube.com/watch?v=E2p1XQ5PH7s
    MOON
   https://www.youtube.com/watch?v=MedJRWRXjA4
    Maybe Tomorrow 
      http://www.youtube.com/watch?v=2oS0FMFm3V8
    ラズベリードリーム
      https://www.youtube.com/watch?v=ng3eNoiUJIc
●長渕 剛

     電信柱にひっかけた夢
      https://www.youtube.com/watch?v=GnGNxtgd9N4
   西新宿の親父の唄
   https://www.youtube.com/watch?v=ZOt6FNuO6i4
     ろくなもんじゃねえ
   https://www.youtube.com/watch?v=-dmGcyPGG3A 
●竹内まりあ
     駅
   http://www.youtube.com/watch?v=zgjwEcbxW-g

●米米クラブ
  ShakeHip!
   https://www.youtube.com/watch?v=7kXFEMa4aEU
●尾崎豊
  僕が僕であるために
   http://www.youtube.com/watch?v=WUL2tXHDxM0
  十七歳の地図 (Seventeen's Map)
   https://www.youtube.com/watch?v=jgh4W55lwwk
  卒業
   http://www.youtube.com/watch?v=tWTm5YuCn_A
  シェリー
   http://www.youtube.com/watch?v=lCeTvDr85CA
●小泉今日子
  木枯らしに抱かれて
   
http://www.youtube.com/watch?v=tzv5-JdElwc
●薬師丸ひろ子
  Woman 〜Wの悲劇より〜
   http://www.youtube.com/watch?v=56qIgzffiB4&list=RD_71-Zjs4RqU 
  すこしだけ やさしく
   http://www.youtube.com/watch?v=R9srAUznZiI
●J−Walk
  何も言えなくて・・・夏
   http://www.youtube.com/watch?v=pk2_LbBwotU
●橘いずみ
  失格
   http://www.youtube.com/watch?v=-YuhNs1Brs0&feature=related
  永遠のパズル
   ttp://www.youtube.com/watch?v=4pGF-IjUmrk&feature=related
●大黒摩季
     永遠の夢に向かって     
       http://www.youtube.com/watch?v=1l-QK_eHsbQ
  FIRE
       http://www.youtube.com/watch?v=oSwFSGKkH7E&feature=relmfu
●矢沢永吉
     鎖を引きちぎれ
        https://www.youtube.com/watch?v=a6VWv0BzRpc
     東京
        http://www.youtube.com/watch?v=430exHZLvz4
   アリよさらば
   https://www.youtube.com/watch?v=5FdLIOxZDSs
●Mr.Children
  Tomorrow Never Knows
    https://www.youtube.com/watch?v=Nxwt_s1lM04&list=PLuKzbu0I59JJFUny5ZWM2z1CouG9RB1z1
●THE YELLOW MONKEY
  BURN
   https://www.youtube.com/watch?v=1caqKMhUJfE
  SPARK
   https://www.youtube.com/watch?v=xoFuQzrNZGE
  太陽が燃えている
   https://www.youtube.com/watch?v=vz4JpdDO3bg
●エレファントカシマシ
    今宵の月のように
   http://www.youtube.com/watch?v=8Gkt-Qk31bI
    風に吹かれて
   http://www.youtube.com/watch?v=TjgFJAm-Bno
●スガシカオ

  黄金の月
   http://www.youtube.com/watch?v=Z4aSm_7AYJg
●Superfly
    Secret Garden
   http://www.youtube.com/watch?v=k7w-RIITCd8
    Beautiful
   https://www.youtube.com/watch?v=tfeSwQ-iU0U
●BUMP OF CHICKEN
  天体観測
        https://www.youtube.com/watch?v=j7CDb610Bg0
●SEKAI NO OWARI
    RPG
   http://www.youtube.com/watch?v=Mi9uNu35Gmk

    眠り姫
   http://www.youtube.com/watch?v=bzm8kRLdQUk
●黒木渚
    虎視眈々と淡々と
   https://www.youtube.com/watch?v=8vMhe90s29k&nohtml5=False
●RADWIMPS
 スパークル 【君の名は】
  https://www.youtube.com/watch?v=Us9mAtwcHPI
 前前前世 
  https://www.youtube.com/watch?v=PDSkFeMVNFs
 夢灯籠
  https://www.youtube.com/watch?v=IlPJ8bYVPyU
 なんでもないや
  https://www.youtube.com/watch?v=6EJEXfwdRBI

ありがとう!!
アーティストの皆さま !!
You Tube !! 
映像をアップしてくれた方 !!

コラム Bさんの方が学習していると思いますが・・学習をどう定義する?

vol.8
2011年12月1日(木)

 「Aはこの3年間でものすごく学習しましたよ」
 「それにひきかえBはダメですね。3年前から変わっていませんよ」

 M部長(K社の人材育成担当責任者)と昼食をご一緒している時にM部長が私に発
した言葉です。

 「そうでしょうかね。Bさんの方がAさんより学習されていらっしゃると私は評価してい
ますが」。

 私がM部長に言葉を返しました。

※上記のM部長と私のやり取りにおける学習は、「学習=成長」と捉えていただいた
  方が分かりやすいかもしれません。


 M部長と私のギャップは何に由来するのでしょうか?

 A氏、B氏の日常の様子は私よりもM部長の方がよくご存じです。
 日常の様子を把握している程度の違いが、M部長と私のギャップの主たる要因です。

 M部長は人に関する相応の鑑識眼をお持ちでいらっしゃるので、またA氏、B氏の日
常の様子を私よりもしっかりと把握されていらっしゃいますので、M部長の人物評価(

氏は成長したが、B氏は・・・)はおそらく的を射たものと考えてよいと私は認識していま
す。

 
ただ、M部長と私には、そもそも論として、「組織人の学習の有無を、何をもって評価
するか?」について基本的に拠り所が違う
のです。
学習の定義が違うと言ってもいいで
しょう。

 
この違いも、A氏とB氏に対するM部長と私の評価にギャップを生んでいる要因です。

 
M部長は学習について基本的に以下のように考えていらっしゃいます。

   『学習(の有無)を行動変容の有無によって判断する。』
   ※行動変容 有 → 学習した。
   ※行動変容 無 → 学習していない。

 私は学習を基本的に次にように考えています。

   『学習を行動変容の有無だけではなく、内的な充実(新たな知識の獲得、知識体
   系の変容など)の有無
も含め判断する。』

 マトリクスで表すと以下のようになります。

                      内的な充実
                 有             無      
  行動変容  有   立派に学習した     学習したかどうか疑わしい
            無   学習にあと一歩     学習していない

 
A氏、B氏に対するM部長と私の判断をそれぞれの判断基準を含め記述すると次の
ようになります。

 A氏について
   M部長 「行動変容したのだから、学習した」
   私    「行動変容したが、内的な充実は不十分で学習したかどうか疑わしい(は
         たして再現性
はあるか??)

 B氏について
   M部長 「行動変容していないのだから、学習していない」
   私    「行動変容していないが、内的な充実は十分であり、学習までもう少しで
         ある


よって、
 
  M部長 「Aはこの3年間でものすごく学習しましたよ」
         「それにひきかえBはダメですね。3年前から変わっていませんよ」
     
私      「そうでしょうかね。Bさんの方がAさんより学習されていらっしゃると私は
         評価していますが」。

となります。


 
M部長、私の主張、意見は以下の通りです。

   M部長

    ・内的な充実をどうやって認識しろというのだ。方法を標準化できるのか。評価す
     る者の主観に頼り過ぎではないか。
    ・
内的な充実の評価などやっていたら、時間がいくらあっても足りない。
    ・
評価制度では表に現れている言動、発揮しているもの・ことで評価している。こ
     れと歩調をあわせるべきだ。
    ・
私は組織の仕事の一環として人材育成を担当している。組織の仕事において
     はおしなべて主観よりも客観を重視すべきだ。

    ・・・・
    ・・・・

   私
    ・
人にそれぞれ、その内面に蓄積された知識や思いを行動として表出化するに
     相応しい時期がある。行動変容に至っていないのはその時期が来ていない可
     能性がある。
    ・
人は複雑で深淵な存在である。行動変容していないからと言って「学習してい
     ない」とみなすのは、人の複雑さや深遠さを、マネジメントのし難さを理由に、
     避けている
としか言えず、人材育成担当者としてあまりに効率優先過ぎはしな
     いか。
    ・
「評価制度で表に現れている言動等を基に評価しているといって、人の学習を
     同じように評価する理由はない。人の学習は可能性に着目すべきである。

    ・・・・
    ・・・・

 
M部長、私の主張、意見には、次のような人間観、マネジメント観がベースにあります。

   M部長
    ・反応−刺激モデル
    ・効率こそが利益の源泉
    ・測定重視(測定不可であればマネジメントは不可)
    ・客観性重視
    
etc.

   私 
    ・人の認知機能や独自性の尊重
    ・効果が効率に先んじる
    ・プラレリズム(多元主義)
    ・ホリスティック思考
    ・曖昧さの許容
    etc.


 M部長には私の主張、意見を理解・尊重していただいています。
 私もM部長の主張、意見を理解・尊重しています。

 
また、K社のM部長に対しては、私は学習について上記のような主張、意見を述べて
いますが、別の会社において私は、M部長の主張、意見の立場をとることもあります。

 「どちらの主張、意見が正しく、間違っているというわけではない」、「組織や企業の経
営のあり様、戦略・戦術、そして人材育成の目的、人材育成係る人材の量・質によって
どちらの主張をベースと
すべきかを決めるべき」なのでしょう。


 あなたは(御社では)、学習を、何をもって評価されていらっしゃいますか?
 学習をどのように定義されていらっしゃいますか?

 それら(学習の評価基準や定義)は、経営層、経営幹部をはじめ、社内でどの程度共
有できているでしょうか。

 

【補足】
 K社においては、幸いにもM部長と私は経営や人材育成の方向性、具体策等につい
て腹蔵なく互いの意見や主張をやり取りできる関係にあります。人材育成は、他の仕事
と同様に、効率一辺倒でも、効果一辺倒でもお
そらくダメで、両者のバランスをとりなが
ら進める必要があります。このバランスをとることが難しいのですが、M部長とは協働し
てうまくやっていけています。

 

コラム アウトプットせよ! 次世代リーダー育成プログラムの現場にて

vol.7
2011年11月17日(木)
 

 「そもそも何が言いたいのか(何を主張したいのか)がよく分からない!」
 「主張したいことは分かるが、その根拠があまりに独断的である!」
 「想っていること、考えていることがあるなら、全てアウトプットしてください!」
 「これで、本番までにやるべきことは明らかになりましたか?!」

 先日、W社の次期幹部育成プログラムにおける経営層向け提言セッションの予行演習(経営層向
け提言プレゼンテーションのリハーサル)で私が受講者一人一人の予行演習に
対してフィードバック
した言葉の一部です。

 受講者のリハーサル自体は10分ほどで終了しますが、私からのフィードバックは、受講者との意
見交換、本番に向けて準備すべき事項の明確化等を含めると、受講者一人当
り平均1時間ほどの
時間を要します。

 適切なフィードバックには集中力の持続が求められます。1日で連続して7,8人にフィードバックす
る時などは疲労困憊します。
熱を帯びてくると博多弁やこのコラムには書けないような”荒っぽい言
葉”が飛び出したりします(^_^;;。


 「想っていること、考えていることがあるなら、アウトプットしてください!」

 ”経営層向け提言セッション”で、予行演習する受講者に私が頻繁にフィードバックする言葉です。

 アウトプットには大きな力(効果)が5つあると私は考えています。
 ※アウトプット:output。出力。「情報を―する」⇔インプット。[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]


 1つ目の大きな力(効果)は、自分がアウトプットしたコト・モノを自分で確認することによって、自分
に何がインプットされているか、またそのインプットされているコト
・モノを”どの程度分かっている
か”を確認できる
ことです。

 
あるコト・モノがインプットされているからといって、インプットされているコト・モノを分かっているとは
限りません。
アウトプットしてみて初めて、インプットされているコト・モノを分かっている程度が分かり
ます。

 
例えば、「当事者意識が大事」という考え方を知っている(インプットされている)かといって、(その
本質や具体例等を)分かっているとは限らないのです。

 
「当事者意識が大事」というお題で10分間話せ(アウトプットせよ)という状況に立たされたと仮定
すると、「当事者意識とは一体何か?」「その意識がなぜ大事か(何の
役に立つ)?」「その意識はい
つも大事か(大事でない時はあるか)?」などの疑問に答える必要があることに気づきます。

 
そして、「ああ〜、私は当事者意識を分かっていなかった(知っているだけであった)」、あるいは
「私は当事者意識をよく分かっていた」と気づきます。

 

 2つ目の大きな力(効果)は、アウトプットを通じて論理力を鍛えられることです。

 アウトプットの目的に、アウトプットの対象者(自分がアウトプットする相手)にアウトプットを理解して
もらったり、納得してもらったりすることがあります。

 
このアウトプットの対象者に理解してもらったり、納得してもらったりする過程では、それなりの論理
構成やわかりやすさが必要となることが多々あります。

 
それなりの論理構成やわかりやすさを目指す過程で、論理力が鍛えられるのです。


 3つ目の大きな力(効果)は、アウトプットすればフィードバックを受けるチャンスが広がり、結果とし
て状況の正確な把握や状況対応力の向上に役立つ
ことです。

 
アウトプットすれば、望む、望まないにかかわらず、フィードバックする機会をアウトプット対象者に与
えることになります。

 
アウトプット対象者がアウトプットしたあなたに、あなたのアウトプットに関して何がしかフィードバック
したとしたら、あなたは、あなたのアウトプットが「アウトプット
対象者からどのように評価されている
か」「その場の状況に相応しい(適切な)ものであったか・否か」「自分の望む状況の実現に役だった
か・否か」などを判断する材料を
得たことになります。

 その材料をもとに、あなたは、「状況に”より適切に”対応するための次の一手」を考えることができ
ます。

 アウトプットしたことによってもたらされるフィードバックは状況の正確な把握や状況対応力の向上
に役立つのです。


 4つ目の大きな力(効果)は、「アウトプットのためにインプットを増やさざるをえない」という学習効果
です。

 アウトプットすれば「(大して)分かっていない」ことが分かる。

   ↓
 すると、単純に「分かりたい」と思う(知的好奇心)。
 あるいは「このままではアウトプット対象者の評価に耐えられない(×の評価をもらってしまう)」と切
羽詰まる。

   ↓
 分かるためには、あるいはアウトプット対象者の評価に耐えられるアウトプットとするためには、「現
在のインプットの量・質では足りない」と切実に思う・感じる。

   ↓
 よって、「インプットの量・質を増やしたい・高めたい」、すなわち「学習したい」と本気で思う・感じる。

 
「教えるためにはその数倍(何十倍?)勉強する必要がある」と聞いたことがあります。この考え方
は、倍数(数倍〜数十倍)はともかく、正しいですね。


 5つ目の大きな力(効果)は、あなたのアウトプットを通じて、アウトプット対象者はあなたについての
理解を深めることができる
ことです。

 「ジョハリの窓」理論のフレームワークを使えば、あなたのアウトプットは「他人に分かっている自
己」の領域を拡大することに役立ちます。さらに、「自分がアウトプット
したコト・モノを自分で確認する
ことによって、自分に何がインプットされているか、またそのインプットされているコト・モノを”どの程度
分かっているか”を確認できる
(アウトプットの1つ目の大きな力(効果)で既述)」というプロセスを経
て、あなたは「公開された自己」の領域を大きくできます。


 以上のアウトプットの大きな力(効果)を述べました。

 逆説的に述べれば、アウトプットを怠ることは次のような好ましくない結果・状況をもたらします。

 ●あなたは
「何が分かっているか・いないか、分かっている程度」を正確に把握できない。


 ●あなたの論理力は低下する。


 ●あなたの状況対応力は低下する。


 ●あなたの学習は滞る(発達できない)。


 ●他者はあなたを理解できない(あなたは他者から理解されない)。

 

 経営者、リーダー、マネジャーは、従業員、部下等にアウトプットさせなければなりません。
 従業員、部下等にアウトプットさせていない経営者、リーダー、マネジャーは、その重要な職責を果
たしていないと言わざるをえません。


 同時に、経営者、リーダー、マネジャーは、何よりにもまして、”自分自身”にアウトプットを課さねば
なりません。

 ”自分自身”にアウトプットを課していない経営者、リーダー、マネジャーは、重要な職責を果たして
いないことは言うまでもなく、さらに自己を発達させることから逃避し
ており、組織にとってお荷物(悪
い負債)になっているとまで言わざるをえないのかもしれません。


【補足その1】

アウトプットの力(効果)については、

コラム「vol.1 2011年10月15日(土) インターネットによる情報の発信 今なぜ?」
http://www.kkkiduki.jp/article/14157979.html

においても記載しています。


【補足その2】
 W社における次世代リーダープログラムは「次代の経営層(役員、取締役)候補者を対象とする次
期経営者育成プログラム」と「次代の部長・課長候補者を対象とする次期幹
部育成プログラム」の2
つのプログラムに分かれています。2つのプログラムの受講を通算すると計6年に及びます。

 
本コラム冒頭に記した「次期幹部育成プログラムにおける経営層向け提言セッション」の”次期幹
部育成プログラム”とは、この2つのプログラムの内の後者「次代の部長・
課長候補者を対象とする
次期幹部育成プログラム」に該当します。

 
”経営層向け提言セッション”では、現経営層を前にしてプログラム受講者が提言を行います。

 提言は、「組織に係わる課題に関する提言」と「自分自身の課題に関する提言」に分かれます。

 「組織に係わる課題に関する提言」では、組織の現状や課題、および課題解決の方向性・具体策
がその内容となります。

 「自分自身の課題に関する提言」では、自己の能力(
知識、スキル、態度等)や言動、目標などに関
する現状や課題、および課題解決の方向性・具体策がその内容となります。

 

コラム 芸術は爆発だ! 「自分の軸」を持つ!

vol.6
2011年11月14日(月)


 20代のころから、私は岡本太郎の「夜」という絵が大好きです。

 岡本太郎「夜」
 http://www.google.co.jp/search?q=%E5%B2%A1%E6%9C%AC%E5%A4%AA%E9%83%8E+%E5%A4%9C&hl=ja&sa=X&biw=1280&bih=634&prmd=imvnso&tbm=isch&tbo=u&source=univ&ei=Bp-_TsPkM6TNmQWG7839Aw&ved=0CEEQsAQ
 ※上記アドレスは一続きです。

 どうしようもなく、「夜」を見たくて見たくてしょうがなくなる時があります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 10日ほど前、いろいろなことが立て込み、どうにもこうにも煮詰まってしまっていました。
 冷静さを欠いています
 
判断力が鈍っています
 自分を信頼することが難しい


 そこで、衝動的に、「いつもやっていることと何か違うことをせにゃならぬ」と、生田緑地に行ってみ
ることにしました。

 生田緑地
 http://www.city.kawasaki.jp/71/71tama/home/ikutaryokuti/

 向ヶ丘遊園駅(小田急線)から、ブラブラ歩いて、15分ほど。
 生田緑地に到着です。

 緑豊かな、多少紅葉がかってきている木々。
 ひんやりとした空気。
 せせらぎ。
 コオロギなど、秋の虫の音色。
 家族連れを中心に、思い思いに、秋の一日を楽しむ大勢の人たち。

 結構な坂もあり、よい運動になります。

 何の目的もなく、1人で、自然を感じながら、ブラブラ歩くって、いいですね。


 生田緑地には岡本太郎美術館があります。

 岡本太郎
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A1%E6%9C%AC%E5%A4%AA%E9%83%8E

 岡本太郎美術館
 http://www.taromuseum.jp/

 

 岡本太郎美術館に入りました。
 
 どうしようもなく、「夜」を見たくなったのです。
 
 岡本太郎「夜」
 http://www.google.co.jp/search?q=%E5%B2%A1%E6%9C%AC%E5%A4%AA%E9%83%8E+%E5%A4%9C&hl=ja&sa=X&biw=1280&bih=634&prmd=imvnso&tbm=isch&tbo=u&source=univ&ei=Bp

-_TsPkM6TNmQWG7839Aw&ved=0CEEQsAQ
 ※上記アドレスは一続きです。
 
 岡本太郎との出会いは、大阪万博における「太陽の塔」です。

 大阪万博
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%B8%87%E5%9B%BD%E5%8D%9A%E8%A6%A7%E4%BC%9A

 太陽の塔
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E3%81%AE%E5%A1%94


 出会いが「太陽の塔」と言っても、その頃私は小学校1年生。
 「太陽の塔」が岡本太郎の制作によるものだなんて、知るよしもありませんでした。

 岡本太郎のことを私が認識したのは、私が大学生の頃、ビートたけしのモノマネを通じてです。ちょ
うどこの頃、岡本太郎は結構な頻度でテレビで出ていたのではないでしょうか。

 「おもしろいオジサンだな」「変わったオジサンだな」というのが第一印象ですね。
 
今思えば、巨匠岡本太郎に、事実をわきまえない、何と失礼な思いを持ったものだと、反省しきりで
す。

 20代の頃の私は、ものすごい仕事の量をこなし、とにかく仕事に一心不乱に取り組んでいました。
 上司や同僚に恵まれていたようにも思います。

 
仕事熱心ではあったのですが、組織や体制、制度に対する反骨精神を強く持ち合わせていました。

 
20代に、私が「夜」を見て心ひかれたのは、私の中にある反骨精神が「夜」を見て反応したからの
ように思います。


 今あらためて、自分の人生を振り返ってみますと、反骨精神は私のエネルギーの源泉であるような
気がします。

 
今秋48歳になりました。
 いまさら、反骨精神でもないですね (^.^)

 反骨精神の中身が、20代の頃と今ではかなり違ってきているように感じます。

 
20代の頃の反骨精神は、 「容易に人に従わない気骨。権力に抵抗する気骨。株式会社岩波書
店 広辞苑第五版より)」です。
本能に由来するのか、パーソナリティに由来するのかよくは分かりま
せんが、単純に、とにかく人に従わないことを大事にしていたように思います。

 今の反骨精神は、「人に従う・従わない」という視点はかなり薄いですね。

 今の反骨精神は、「意志を強く持ち、凛と生きたい」との強い想いがベースにあります。


 「意志を強く持ち、凛と生きたい」との想いは、齢を重ねるごとに強くなっている気がします。


 複雑で錯綜する状況下でリーダーシップを発揮するためには、冷静さ判断の的確さ迷いのなさ
必要です。

 そのためには、「自分の軸」を持つ必要があります。

 「自分の軸」って何なんでしょうか?
 「信念」と言った方が一般的、分かりやすいかと思います。


 私には「確かな土台」という表現がしっくりきます。

 「自分の軸」が揺らぐと、冷静さを失い、適切な判断ができず、覚悟できません(迷います)。
 自分を信頼することも、周囲からの信頼を得ることも難しくなります。

 リーダーシップ発揮において「自分の軸」は非常に重要です。

 ひさびさに「」を見て、「自分の軸」の大切さをあらためて感じたました。

 私の「自分の軸」には、「意志を強く持ち、凛と生きる」があることも再認識しました。

 あなたは「自分の軸」を大切だと思いますか?

 あなたは「自分の軸」をお持ちですか?

 あなたの「自分の軸」って何ですか?

 


  「太陽の塔」は万博記念公園にいまでもあります。

 万博記念公園
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%87%E5%8D%9A%E8%A8%98%E5%BF%B5%E5%85%AC%E5%9C%92

 今週末、大阪に行く予定があります。
 時間があれば「太陽の塔」とひさびさに再会してこうようと思っています。

  

コラム 研修効果の評価 評価の限界をわきまえる!

vol.5
2011年11月13日(日)
 
 背景については割愛しますが、「研修の効果について評価したい。どうしたらいいでしょうか?」とい
う類の問い合わせ・相談が増えています。


 大前提として明確にしておきます。

 研修の効果を評価することは極めて重要です。必要です。
 例えば、「今回の研修は良かった・・・」「あの研修は悪かった・・・」と。

 その主たる理由は次の通りです。

 ・研修の企画・実施にあたっては費用が発生する。よって、費用対効果を説明する責任、説明に努
  める態度・姿勢が研修企画・実施部門(者)、教育ベンダーには求められる(求められて当然であ
  る)。
 ・PDCAを回す必要がある。 ※この理由についての記載は省略します。
 
 研修の効果を評価することは重要です。必要です。
  その理由は上記のように、いたってシンプルです。

 研修効果を評価することの重要性・必要性を大前提に、研修企画・実施部門(者)、教育ベンダー
はその研究・実践に努める必要があります。

 

 研修効果の評価を研究・実践する際に重々留意すべき事柄があります。

 研修効果の評価に関してわきまえておく限界がある、と言ってもいいでしょう。

 特に、研修効果の評価へ”熱心に”取り組む組織・人には、評価すること自体が目的化したり、そも
そもの人を育成するという目的を見失ったりするケースが散見されがちです。特に、注意が必要です
ね。


 研修効果の評価を研究・実践する際に重々留意すべき事柄(認識すべき「研修効果の評価の限
界」)とは以下のようなものです。


評価のためには測定が前提となる。また測定と評価は異なる概念である。
  
測定とは、「ある単位を基準にはかる」こと→はかるための尺度やスケールが必要。
  
評価とは、「(測定値に基づき)善悪・優劣などの価値を判じ定める」こと→価値基準が必要。

●アンケートやヒアリングで研修を評価する材料を収集する際、回答する受講者の解釈力や回答さ
 せる側のワーディング(言葉づかい、言い回し)等により、そもそも研修の効果を正確に測定するこ
 とが難しい・・・。
  「測定したいことが測定できているか?」
  「回答者によって評価が大きく異なる?」

●測定の正確性の課題に加え、「測定値をどのように評価するか」「評価者による評価のばらつき
 どのようにして一定範囲に抑えるか」という課題がある。
  「今年実施した研修における受講者満足の点数は、昨年のそれと比較して、5点満点中、0.5ポ
  イント上がった。さて、今年の研修の方が昨年の研修よりも良くなった(と評価できるか)?」

●定性的な情報の中には「数字(定量的情報)では表せない的を射ている情報」も多々ある。しかし、
 定性的情報の測定・評価は(定量的情報にもまして)困難さを伴う。

研修効果に影響を与える要因の特定が難しい(ことが多々ある)。
  「研修受講による効果なのか?」
  「それとも研修受講以外の何かによる効果なのか?」。

●(以上のことから、)研修効果の評価・測定は思いのほか難しいものである。恣意的に測定・評価し
 ようと思えば(いくらでも)可能である。

受講者の行動の変化(カークパトリックのレベル3)、組織の成果・業績への影響・貢献(同レベル
 4)」を研修効果の測定・評価の対象にする場合、一般にコストが大きくなる
  「(コストパーフォーマンの点で、)行動変化や組織の成果・業績への影響まで測定・評価の対象
  にする必要があるか?」

●測定・評価は、基本的には短期的なスパンでに実施する(実施せざるを得ない)が、中長期に育成
 すべき能力は、短期的なスパンで実施する測定・評価には馴染まない

●「測定・評価が困難・不可であるなら研修を検討・実施しない(するな)」の類の発想を有する方々も
 存在する。


 組織・企業は様々なニーズを有し、また取り巻く環境等は一様ではありません。

 おのずと、研修効果の評価を必要とする目的・意図も組織・企業によってそれぞれです。


 研修効果の評価にあたっては、評価する目的・意図を踏まえ(何のために評価が必要であるか
を明らかにした)
上で、上記の「研修効果の評価を研究・実践する際に重々留意すべき事柄」「研修
効果の評
価に関する限界」を重々に意識し、御社・組織にとって”適切”な方法で研修の効果を評価
する
必要があります。

コラム 私は足りていません... 持ち味・強みを発揮する!

vol.4
2011年10月30日(日)


 「早くしろー。こら!」
 「業績の見通は聞いていない!お前はこの1週間で何をやるつもりなのか!数字と一緒に報告し
ろ!」

 「言ったことは守れ!守れない奴は辞めろ!」


 10年前、S食品製造販売会社(ある大企業の子会社)では、顔を真っ赤にして感情を露わにしたT
氏の怒鳴り声が職場に響き渡っていました。


 当時、T氏は30代後半。

 若い頃あるスポーツを通じて精神、体を鍛え抜きました。
 体格は堂々たるものです。


 業績悪化に業を煮やした親会社の子会社管理担当役員から依頼があり、私はS社の業績改善を
目指した仕事に携わることとなりました。


 T氏と私の付き合いはこの時からです。

 この頃私は経営コンサルタントとして駆け出したばかり。

 今だから言えますが、やる気や体力、熱意はあるものの、「本質的なところはあまり分かっていな
い」、「机上論と現実論の区別がままならない」、いわゆる「新米」「甘ちゃん」でした (^_^;;。


 S社では、T氏に委縮し、持っている力を発揮できなかったり、会社を辞める社員が続出していまし
た。
 

 T氏は苛立っていました。

 理由は、悪化の一途をたどる業績、親会社からの出向役員との営業方針の対立(※T氏はプロ
パー社員です)、思うように動かない社員。その上、私のような新米の経営コンサルタントと一緒に仕
事をせねばならない・・・。


 ターゲット(狙うお客様)、プロダクトミクス(製品のくくり、品ぞろえの幅と深さ)、営業体制・組織、管
理会計制度等に関して、維持すべきこと、変えることが明らかにされ、改善策として着実に実行され
ていきました。


 さすがT氏。
 「変えると決めたこと」は絶対に変える。

 ぐいぐい社員を引っ張るT氏には尊敬の念さえ抱きました。

 ただ、変えることができないことが一つありました。
 T氏のリーダーシップスタイルです。


 細かく指示する。明確に指示する。
 大声で怒鳴る。
 言い出したことは、適切でないと分かっても、がんとして曲げない。
 ・・・

 ある時、T氏と一杯やっている最中、彼がポツリともらしました。
 

 「私は足りていません・・・

 「えっ、何が足りてないんですか?」

 「私の理想は、強くて、堂々としていて、決めたことは絶対実行する、ぐいぐい皆を引っ張る、社外の
どんな方々にも物おじせず接することができる、こんなリーダーなんです。」

 「でも本当の私は、こうではないんです」


 T氏の言っていることは正しい。

 本当のT氏は、静かに物事を着実にこなす、あまり他者とのやり取りを得意としない(好まない)、他
者の感情に過剰なくらい配慮されるタイプの方なのです。


 「”本当の”T氏」というより、「”自然な”T氏」「”無理のない”T氏」と表現した方がわかりやすいで
しょうか。


 なぜ、T氏は、”本当でない”、”不自然な”、”無理をした”T氏でいるのか(演じるのか)?


 業務上、現在の演技が有効であることをT氏は十分に分かっているからです。
 ※T氏本人は演技しているという自覚は、この時点では、ありません。

 また、T氏のライバル的存在であるW氏が現在のT氏と極めて似ているリーダーシップスタイルを
とっていることから、T氏としてはW氏にはこのリーダーシップスタイルの点でも負けられないという思
いがあるのです。


 T氏の細かく指示したり、大声で怒鳴ったりするリーダーシップスタイルはS社存続のためには必要
だと私は認識していました。T氏のような方がいないと、労働条件が悪いS社のような会社では、組織
マネジメントがうまく機能しないのです。


 しかし、一方で、高い退職率を下げるという課題がある。
 この課題をクリアしないと、業務の習熟効果が働かず、社内コスト(人件費)を下げることはできな
い。


 「Tさん、”自然な”、”無理のない”Tさんでもやってみませんか(素の自分を、仕事上で、もっと出し
てみませんか)・・・


 私はT氏に対して、自分に言い聞かせるように、独り言のようにつぶやきました。

 私には”本来の”T氏でも十分にS社をリードしていくことができるという確信があったのです。


 ある目標の達成を目指す場合において、目標達成に必須の知識や技能等で不足しているものが
あれば、それらを鍛え、充足しなければなりません。

 しかし、既に有している知識、技能や「その人物の持ち味」を活かせば(発揮すれば)、目標達成で
きる
のであれば、足りていない点を鍛えたり、「持ち味でないものを(わざわざ)発揮する」必要はない
可能性があります。


 「足りていない知識・技能等を鍛える・伸ばす」が目標を達成したり、成果を創出したりする上にお
いて必要なことも多々あるでしょう。


 「”本当の””自然な””無理のない”自分ではないが、職責や立ち場上必要な自分(役回り)演じ
」ことが求められる状況もあります。

 国民性なのでしょうか。
 「足りていない点」を補ったり、「できない」ことを「できる」ようになることを一生懸命に目指す方が多
いように感じます。


 真面目と言えば真面目なのです。


 「足りている点」、「(自分、その人)らしさ」、「(自分の、その人の)持ち味)」を認める・称える、積極
的に活かす・使うという意識を、私たちはもっと強く持つべき
ではないでしょうか。

 
 昨今注目を浴びているポジティブ心理学は”強み”に着目し、”強み”を活かすことの効用を科学
的に証明
しています。


 T氏の苛立ちは徐々に少なくなっていったように思います。

 T氏は現在、S食品製造販売会社(大企業の子会社)の営業統括の役員として、S社を引っ張って
いっておられます。


 「細かく指示することもあるが、任せる時は十分に任せる」など成熟されたビジネスマン、リーダー
へと成長されました。


 現在、40歳後半。
 T氏のますますのご活躍を切にお祈り申し上げる次第です。

コラム スパルタ的な育て ギリギリの時点で、最小限の・・・

vol.3
2011年10月24日(月)


 私の子供は現在学校で稲を育てています。子供から聞いたのですが、稲を育てる際にアドバイスし
てくれる農家の方がいて、その方から「今の時期、水を枯らしなさい」と指示されたそうです。

 
そういえば、私が子供の頃、夏休み前までなみなみと水を湛えていた水田が秋風の吹く頃にはか
らからに乾いていたように記憶しています。

水を枯らす
  ↓
稲は根をめいっぱい伸ばさせる
  ↓
稲の根の表面積が広がる
  ↓
養分がより吸収される
  ↓
いい稲穂が育つ  という意図なのでしょうか。


 麦踏み

 ジーランドの野鴨(飼いならされた野鴨) ※IBMを通じてご存知の方も多いのではないでしょうか。

 永田農法
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B8%E7%94%B0%E8%BE%B2%E6%B3%95 

 乾燥地帯の大樹の根は太く長い


 「スパルタ的な育て」の効果を示す事例や現象はたくさんあります。


 一方、「スパルタ的な育て」で成果を出すためには、枯れたり、再生不能になったりするギリギリの
時点で、最小限の肥料や水、食糧などの支援を与える
ことが重要です。


しかし、

ギリギリの時点
最小限

これらの頃合いの判断が大変に難しい。


「スパルタ的な育て」は、誰にでも、どんな状況でも、成果を出せるものではありません


 2010年の春、餃子の王将での新人研修がテレビで放映され、そのスパルタぶりが批判の対象に
なりました。私はテレビで視聴しただけであり真実を存じませんので軽々しい発言は慎みたいと思い
ますが、餃子の王将の業容、その業容に必要とされる人材像などを鑑みると、少なくとも経営的な観
点から見れば、あのような人材育成は大変的を得たものであるように思えます。


 一方、スパルタ的な育て」は虐待、パワハラと紙一重です。

 また、繰り返しますが、

「スパルタ的な育て」は、誰にでも、どんな状況でも成果を出せるものではない


 このような「スパルタ的な育て」の危険さ、難しさを前提としながらも、私は、

「育て」において、スパルタ的要素は必要不可欠

と考えています。


 理由は、先に示した「麦踏み」、「ジーランドの野鴨」「永田農法」等の事例、物語に示されている通
りです。


  人材育成に責任を負う者は、

「ギリギリの時点で」、「最小限の」 
支援を与える

というスパルタ的な基本的な姿勢・マインドを決して忘れてはならない


のです。

コラム 情報発信 マイセオリー(自戒)

vol.2
2011年10月20日(木)

 ホームページを立ち上げ、またメールマガジンを発行しました。今後はフェイスブックとの連動も計
画しています。
情報発信の量が増えます(増やします)。

 このタイミングで、情報発信についての、自戒の意を込めた、マイセオリーを明らかにしてみようと
思います。


1.ドグマ dogma(独断)の”案配”を意識する

理由
   ドグマティックでなければエッジが利かない。切れ味がない。面白くない。報発信の意味が
薄 い。 

   とはいえ、ドクマが過ぎればだれからも相手にされない、我を見失う危険性がある。論理性(確か
な根拠)の棄損に対する意識が低下する恐れがある。
  
案配が重要である。

具体策
   主張を明らかにする。自分らしさを大事にする。論理に拘泥されない。
  主張における論理を意識する。
  第3者からの定期的なフィードバックの機会を仕組みとして持つ。

 
2.情報発信に係る時間を”かけ”すぎない

理由
   メルマガ、フェイスブック等による情報発信は私の本業ではない。私の本業は、顧客の現実の、固
有の課題・問題を達成・解決するために、顧客とフェイストゥフェイスで向き合い、顧客ととも、試行錯
誤を経ながら、支援に力を尽くすことである。

具体策
   ネタの収集・整理、提供情報のコンテンツ作りは、原則、コマ切れ時間に行う。文章の多少の粗さ
には目をつぶる。


3.ただまのあたりに見る(そして書く)


理由
   あらゆる芸術の士は人の世を長閑のどかにし、人の心を豊かにするが故ゆえに尊たっとい。住み
にくき世から、住みにくき煩わずらいを引き抜いて、ありがたい世界をまのあたりに写すのが詩であ
る、画である。あるは音楽と彫刻である。こまかに云いえば写さないでもよい。ただまのあたりに見
れば、そこに詩も生き、歌も湧わく。

  出典:草枕(夏目漱石)

具体策
   直に見る・聞く・感じる。自分の感性、直感を信じる。ストレートに書く。    


 
【参考】

 ドグマ dogma
教義, 教理; (政治上などの)教条, 信条; 独断的意見, ドグマ.
[新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典 株式会社研究社]

独断
@自分一人の意見で決断すること。独りぎめ。
Aそれほどの根拠もなく、自己の判断を下すこと。また、その判断。「―に陥る」
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

塩梅・按排・按配 あんばい
(「塩梅」(アンバイ)はエンバイの転で、「按排」「按配」とは本来別系統の語であるが、混同して用い
る。「案配」は代用字)

@塩と梅酢で調味すること。一般に、料理の味加減を調えること。また、その味加減。「―を見る」
A物事のほどあい。かげん。特に、身体の具合。「いい―に会えた」「―が悪くて寝ている」
Bほどよく並べたり、ほどよく処理したりすること。「材料をうまく―して話す」「仕事の―を考える」
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

論理(logic)
@思考の形式・法則。また、思考の法則的なつながり。
A実際に行われている推理の仕方。論証のすじみち。
B比喩的に、事物間の法則的なつながり。「歴史的発展の―」
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

logic
@ a 論理, 論法
  b 道理, もっともな考え方, 筋
A論理学
B理詰め, 必然性, 有無を言わさない力, 不可抗力
[新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典 株式会社研究社]

 

コラム インターネットによる情報の発信 今なぜ?

vol.1
2011年10月15日(土)

   世の中の流れからはかなり遅れているのですが、ホームページを立ち上げ、またメールマガジン
を発行することとしました。
今後はフェイスブックとの連動も計画しています。情報発信の量が増えま
す(増やします)。

  
ホームページのメニューの一つとしてこのコラムを設けました。コラムには、日々の仕事を通じて考
えていることや日常の生活の中で感じたことなどを、あまり肩ひじ張らずに(気負うことなく)、掲載す
る予定です。

  
今回のコラムでは、一番最初のコラムであること、またおそらく、リアルタイムでは私の近親者と極
めて親しい友人というほんの数人しかこのコラ
ムをご覧いただかないでしょうから(笑)、「なぜインター
ネットを活用して情報を発信するのか?」について、自分の意図や想いを確認する・明
確にすること
を目的に(なんて自分本位なんでしょうか!お許しください・・・)、述べたいと思います。


  
なぜインターネットを活用して情報を発信するのか?


   動機は大きく3つあります。


   1つ目は、「遺産  legacy 」です。

   自分なき後も、人材育成、経営などに関して「誰かに何か役立つもの・ことを残せたら・・・」という
思いがこの春以降非常に強くなったのです。

   このような思いが非常に強くなった要因として、今春の実母の急逝が挙げられます。実母73歳の
春に、私は実母との永遠の別れを迎えました。実
母が急逝した年齢(73歳)まで私(48歳)はあと2
5年です。長いと言えば長いが、短いと言えば短い・・・。

   子供(日本)の未来の不確かさ・危うさ、そして未曾有の被害を今もなおもたらしている東日本大
震災も、「誰か(含、子供)に何か役立つもの・こ
とを残せたら・・・」との思いを私に強く抱かせる背景
であるように感じます。


  
2つ目は「output」です。

   HPにコラムを書いたり、メールマガジンを発行したりすることを、すなわちアウトプットを、日々の仕
事をこなしながらでも継続してできそうだという感触が、私の中に初めて芽生えたのです。
経営(人材
育成)コンサルタントとして12年余さまざまな経験をしてきたこと、今後も経験の蓄積が続くことは間
違いないという確かな予感がある
ことが、このような感触を芽生えさせて要因かと思います。

  
アウトプットの”強いる”力にも期待しています。

   アウトプットは何を”強いる”のか?

   「経験、暗黙知、無意識、ノウハウ等を理論化・整理、見える化すること」です。アウトプットには、そ
れなりの論理構成やわかりやすさが求められます。アウトプットするためには、経験、暗黙知、無意
識、ノウハウ等を理論化・整理、見える化せざるをえません。

  
アウトプットにはインプットを強いる力もあります。アウトプットするためにはその数倍のインプットが
必要です。アウトプットのためにインプットせざるをえないのです。

  
経験、暗黙知、無意識、ノウハウ等の理論化・整理や見える化、インプットの強制は、あと2年で50
という大台の年代に届く歳になった私にとっては、いろいろな意味で、大変有益であると私は認識

ています。


  
3つ目は「同志づくり」です。

  
現在日本は大変な時代の真っただ中にあります。多くのビジネスマンがそうであるように、私も、
エネルギーを失ったり、途方にくれたり、やり場のない怒りをどこに向けてい
いのかわからなくなるこ
とが、少なからずあります。

  
自分の考え・想い、手法は果たして適切なのか? 
  自分は間違っていないか? 間違ってないよな? 本当にそうか?

   こんな自問自答を繰り返すことが私は増えました。

  
このような時代の中で、前向きに、建設的に、明るく、楽しく仕事をし、生きていくためには、同志
(志を同じくすること。また、その人)の
存在が大変大きな意味を持つように思います。

   同志探しにインターネットは大変有効です。理由はいらないですね(笑)。


  
以上、「なぜインターネットを活用して情報を発信するのか?」という問いに答える形で、その動機
を3つ述べました。


  
人材育成、経営などに関して、またより良き人生を歩む上において、「何がしか役立つ」と評価いた
だけるような情報を発信することをを目指します。

  
今後ともよろしくお願い申し上げます。



T子さんへ
   この短期間でホームページの立ち上げ(メールマガジンの発行)にこぎつけることができたのはあ
なたの達成志向、創造性、問題阻止力のおかげです。私一人では到底ここまでこれませんでした。
本当にありがとう。これからもよろしくお願いします。


S君へ

   あなたの知的好奇心の強さ、有能さを得ることに対する強い想い、「ワニは哺乳類だ」等の歳に似
合わないとんちんかんちんな(的外れな)言動。私がポジティブな感情を持ちチャレンジできるのはあ
なたのおかげです。本当にありがとう。


節子様

   日々の多忙さ(緊急性)を言い訳にしていた私がホームページの立ち上げやメールマガジンの発
行という中長期にわたる重要事項に着手しとにもかくにも成果物を作りえたのはあなたの教えのお
かげです。本当にありがとうございます。これからも見守ってください。

▲このページのトップに戻る